慢性腎不全→種々の腎疾患が進行して腎機能が低下し、体の内部環境の恒常性を維持できなくなった状態をいう。

              急性腎不全では腎機能の改善の可能性があるが、慢性では、低下した腎機能の回復は望めません。

              原因は慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、ネフローゼ、腎孟腎炎、のうほう腎、痛風など、あらゆる腎疾患が

              ありますが、約2/3は慢性糸球体腎炎が占め、ほかには糖尿病性腎症、慢性腎孟腎炎などが高い割合を占める。

              この病気は徐々に進行するため、初期では尿毒症症状が軽く、自覚症状がない、尿量は初期には異常がないが

              次の病期には多尿(1日2,000mℓ以上)、夜間尿が現れ、更に進行すると尿量は減少し乏尿(1日500mℓ以下)

              、無尿(1日100mℓ以下)になります。病状がすすむと、尿毒症症状がでてきます。悪心、嘔吐、食欲不振などの

              消化器症状や心肥大、心不全、むくみ、高血圧などの循環器症状、倦怠感、疲労感、頭痛などの精神神経症状、

              呼吸困難、皮膚のかゆみ、貧血などが認められます。

        治療方法→安静、保温、食事療法、薬物療法、透析療法、腎移植などが病状に応じてとられます。腎血流量が低下しない  

             ように腎機能の程度に合わせた運動や活動範囲を調整することが必要です。過労や、風邪などで悪化することも

             あるので休養や睡眠を十分にとりましょう。食事療法は限られた腎機能の範囲で体の恒常性を保ち、病状の悪化や

             進行を防ぐ上からも治療の中心になります。薬物は他の治療でも改善が見られないときに高血圧には降圧剤、

             感染症には抗生物質などが使われますが薬物療法だけに頼っても期待できません。

             この病気が進行し、尿毒症症状が出てきた場合は透析療法に移行し積極的な治療をします。しかし、腎機能の

             完全回復には腎移植しかありません。

       食事療法のすすめ方

          @たんぱく質制限の目的は老廃物である尿素、尿酸、電解質(カリウム、りんなど)の産生を減らし、体内にこれらを

           貯めないようにするためです。たんぱく質は腎機能に合わせて制限し、1日30〜40gと厳しく制限し、一般には

           標準体重当り0.6gが目標とされます。摂取量が少なくなるのでアミノ酸のバランスのよい良質の動物性の食品を使う。

          Aたんぱく質が制限されるのでエネルギーを十分とらねば体たんぱく質が破壊されます。1日1,800〜2,400kcal(体重

           1kg当り35〜40kcal)摂るようにします。低たんぱく、高エネルギーの食事にするには砂糖や脂質の量を多くします。

          B食塩の摂取量は高血圧の有無、心臓肥大の有無など腎不全の時期や病態によって決められる。1日に3〜5g程に。

           尿量が1日500mℓ以下では1〜2gが望ましい量となります。塩分の入った加工品は避け、効果的に使いましょう。

          C水分は尿量が十分ある時は制限の必要なし。尿量が減少して1日1,000mℓ以下になってきたら尿量に応じた摂取量に

           制限します。前日の尿量と同量が基準になります。汁物、スープ類は避け飲み水として利用するほうが満足感あり。

          Dこの病気では腎機能の低下からカリウムの排泄量が減少するため、血液中のカリウムが上昇しやすくなります。

           尿量が保たれている時は制限は必要なし、尿量が減少するとカリウムが増加しやすくなるので食事でのカリウム制限

           が必要になる。エネルギー不足もたんぱく質の崩壊をおこしカリウムが増えてきます。摂取エネルギーは十分に。

          E食塩が制限されるため食事が単調になるので、こしょう、カレー粉、わさび、唐辛子などの香辛料を積極的に使い、

           食事にアクセントをつけ、食欲増進に役立てるとよいでしょう。

        注意点:たんぱく質制限は医師から指示された以上に行うと逆効果で、体たんぱく質の減少から低たんぱく質血症や貧血

           を助長したり、透析開始後の一般状態に悪影響を及ぼします。食塩も患者独自の判断で厳しい制限をすると尿量が

           多い時にはナトリウム不足状態となることがある。尿量が1日1,000mℓ以上ある場合に水分制限すると脱水をおこし

           腎機能の低下を促進することになります。医師や管理栄養士と相談して進めてください。

     食品選びの目安

        積極的に摂る食品→油、砂糖

        多めに摂る食品→菓子

        普通に摂る食品→ご飯、パン、酢、香辛料、カフェイン、炭酸飲料

        控える食品→めん、肉、魚貝、卵、大豆・大豆製品、野菜、いも、かぼちゃ、海草、きのこ、コンニャク、果物、牛乳・乳製品

                塩、しょうゆ、味噌、アルコール飲料 

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