先天性代謝異常→食事から摂取した蛋白質や糖質は、体内に入ると1つの成分に留まらず、次々に変化する。この変化を

        代謝という。各反応ごとに酵素が存在するが、時にこの酵素が欠損し、健康時にはないような異常の代謝産物ができる。

        これが代謝異常です。生まれつき、ある酵素が欠損し代謝異常が起こる場合を先天性代謝異常とよびます。遺伝子の異常

        から生まれる遺伝病の1つです。これにはいくつかの種類があります。

       1.フェニルケトン尿症:最も多い疾患で酵素の欠損で体内にフェニルアラ二ンが増大し、尿中にも多量に排泄される。

                     精神発達障害が著しく、知能指数の低下、精神薄弱、痙攣などが現れる

       2.ガラクトース血症:酵素の欠損でガラクトースやその異常代謝産物が蓄積し悪心、嘔吐、脱水による栄養障害、

                     発育障害、肝腫などがみられ、さらには、黄疸、出血、腹水なども現れる。

       3.メープルシロップ尿症:ロイシン、イソロイシン、バリンの3種のアミノ酸の代謝が障害されておこります。生後10日頃に

                     けいれんや昏睡の状態で急激に発症します。尿にかえでのシロップの香りのような臭いが出てくる。

       4.ホモシスチン尿床:メオニンからシスチンに代謝される過程で起こる代謝異常です。2番目に多く知能障害や眼の水晶体

                     の脱臼、骨が長く伸びてしまう骨格異常、血栓症などの症状が現れる。

       5.糖原病:糖質が分解される過程でいくつかの酵素が欠損し、糖質が代謝されずグリコーゲンが異常に蓄積して起る。

                     グリコーゲンからグルコースの産生が低下して起る低血糖、その代償として体脂肪の分解が亢進

                     しておこる高脂血症、さらにケトン体の増加も現れます。食欲減退、低身長などの症状も出てくる。

         治療方法→酵素の欠損で起る病気なので酵素の補給をすればよいが現在ではできず、食事療法が治療の中心になる。

       食事療法のすすめ方(最も多いフェニルケトン尿症だけに食事療法が確立されている) 

          @フェニルアラニンが代謝されない為に、このアミノ酸の摂取量を制限します。●これは必須アミノ酸ゆえ過剰制限は

           体重増加の停止、嘔吐、下痢、湿疹、脱毛、食欲不振、低たんぱく血症、貧血などの欠乏症状が出てきます。

           したがって、摂取量の一定の目安を決めて、血中フェニルアラニン値を5〜10mg/㎗ぐらいに調整します。

      ●自然に摂取しているたんぱく質の約5%はフェニルアラニンでできているので、自然の食品だけで

      制限しようとすると、たんぱく質全体の摂取量が低下し、たんぱく質欠乏症に悩まされることになる。

      フェニルアラニンを制限した特殊ミルクが開発されている。これらを効果的に利用します(乳幼児)。

       離乳期以降のフェニルケトン尿症治療の食品表

[A]自由に用いられる食品

[B]少し注意して用いる食品 [C]使用できない食品
果実類 すいか、みかん、いちご、なし、りんご(バナナ、さくらんぼ、柿などはフェニルアラニンが多い)    
野菜類 きゅうり、大根、トマト くりかぼちゃ、さやえんどう、たけのこ、椎茸などはA群野菜の3倍フェニルアラニンが多い (100mg)  
イモ類  

さつまいも、じゃがいも (50〜60mg)

 
穀類   米飯(100mg)、食パン(385mg)、ゆでそば(150mg)  
油脂類 植物油、バター、マーガリン    
調味料 食塩、酢、砂糖    
その他 のり、寒天   卵、乳製品(バターを除く)、鳥獣、魚肉類、貝類、ゼラチン、マヨネーズ、味噌、牛乳 (150mg)

                                             ( )内は100g中の中のフェニルアラニンの含量

                    A成長期にあるので、1日に必要なたんぱく質とエネルギーは確保する必要があります。離乳期以降は複雑で

          たんぱく質の少ない食品(ご飯、パン、めん、野菜、イモ類、果物) + 治療乳(フェニルアラニンを制限した

          ロフェミルクや全く含まない除去ミルク) + フェニルアラニンを除去したアミノ酸粉末(ゼリーやババロア、

      シャーベットや菓子類と一緒に) + 油と砂糖によるエネルギー補給(たんぱく質を含まない油脂

      食品、砂糖、ジャム、ハチミツなどの糖質食品)を使います。

     B成長に必要な各種ビタミン・ミネラル、食物繊維などの微量栄養素が不足しないように、偏食せずに、

      数多くの食品を摂る事が大切です。

    注意点:この疾患は早期発見し適切な処置で治せる。管理栄養士と相談し気長に上手に付き合いましょう。

    食品選びの目安(フェニルケトン尿症の場合)

      積極的に摂る食品→ロフェミルク、除去ミルク、油

      多めに摂る食品→砂糖

      普通に摂る食品→ご飯、パン、めん、野菜、いも、かぼちゃ、海草、きのこ、コンニャク、果物、

              塩、しょうゆ、味噌、酢、香辛料、菓子(牛乳を含まないもの)炭酸飲料

      控える食品→肉、魚貝、卵、牛乳・乳製品

      禁止食品→大豆・大豆食品、アルコール飲料、カフェイン飲料  

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