高脂血症→血液中には4つの脂質がある。@コレステロールA中性脂肪Bリン脂質C遊離脂肪酸です。これらの脂質には

             それぞれ役目があるが必要以上に存在すると逆にいろいろの障害を起こします。これらのうち、1つの脂質でも

             正常値以上に血液中に存在する場合を高脂血症という。中でもコレステロールと中世脂肪の増加は動脈硬化の

            危険因子として問題にされる。つまり、高コレステロール血症と高中性脂肪血症、更に両方とも増加したタイプです。

            これらの脂質は油(脂質)と水(血液)なので溶け合いません。そこでリポたんぱくという油にも親和性があり、水にも

            溶けるたんぱく質に包まれて存在します。リポたんぱくは比重によって分類され、それぞれ構成成分、役割が違う。

            1、カイロミクロン:最も比重が軽いリポたんぱくで、その約85%は中性脂肪からできています。食事から吸収された

              脂質を、主として肝臓へ転送する役目をもっています。

            2、超低比重リポたんぱく(very low desnsity lipoprotein以下VLDL):約50%が中性脂肪、約20%がコレステ

              ロール、残りがリン脂質とたんぱく質です。肝臓で合成された中性脂肪やコレステロールを末梢神経に送ります。

            3、低比重リポたんぱく(low density lipoprotein以下LDL):約45%がコレステロール、約11%が中性脂肪、残りが

              リン脂質とたんぱく質です。肝臓で合成されたコレステロールを末梢神経に転送させる役目をもっています。

              つまり、LDL-コレステロールが高いと末梢神経にさかんにコレステロールを転送し、動脈硬化を促進します。

            4、高比重リポたんぱく(high density lipoprotein以下HDL):たんぱく質が約50%を占め、リン脂質約22%、

              コレステロール約17%、中性脂肪約8%となり、比重の重いたんぱく質です。LDLとは逆に、末梢神経に

              沈着した余分のコレステロールを肝臓に運びます。HLD-コレステロールが高いと、動脈硬化を抑制します。

        高脂血症の分類

タイプ カイロミクロン VLDL LDL HDL 内容  症状 
T

食事性中性脂肪の増加

腹痛、膵炎、脂ぎった皮膚、発疹性黄色腫
Ua コレステロールの増加 抹消動脈硬化、冠状動脈硬化、結節性黄色腫、腱黄色腫
Ub 中性脂肪とコレステロールの増加 各種動脈硬化、結節や腱への黄色腫
W 中性脂肪の増加とHDLコレステロールの減少 糖質代謝異常、高尿酸血症が合併、冠状動脈硬化

      食事療法のすすめ方

                    T型→食事内容を反映していることが多く、過食、とくに油っこいものを好んで食べる人たちにみられます。

           @カイロミクロンの脂肪は食事からの脂肪なので、脂肪摂取量を減少させれば、自然に減少していきます。

           A食物繊維には、脂肪の吸収を抑制する働きがあります。とくに水溶性の食物繊維にその作用が強く現れます。

       Ua型→血液中の総コレステロールやLDL-コレステロールが高いのでコレステロールを低下させる食事療法が中心になる。

           @肥満を合併していることが多く、減食→減量により血中コレステロールは低下します。過食で摂取エネルギーが

            過剰になれば、肝臓でのコレステロール合成も亢進します。摂取エネルギーの制限が第一に必要です。

           A脂肪は脂肪酸とグリセロールが結合したもので脂肪酸の内容により作用の違いが生ずる。一般に、動物油には

            血中コレステロールを上昇させる飽和脂肪酸が、そして植物油や魚油には低下させる不飽和脂肪酸が多く含まれ

            ています。また、リノール酸、リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸を多く含む植物油の摂りすぎは、動脈硬化を

            予防する作用のあるHDL-コレステロールを低下させてしまいます。なお、オレイン酸はモノ不飽和脂肪酸とよばれ

            血中コレステロールの低下作用は強くなくHDL-コレステロールも低下させない。

           日本人の適正脂質摂取目標

            1.脂質エネルギー比率・・・20〜25%           2.動物油 : 植物油 : 魚油 = 4 : 5 : 1

             飽和脂肪酸 : モノ不飽和脂肪酸 : 多価不飽和脂肪酸 = 1 : 1.5 : 1

             n-6系脂肪酸 : n-3系脂肪酸 = 4 : 1

                            3.高コレステロール血症者・・・コレステロールの摂取量を300mg/日以下 、同じ多価不飽和脂肪酸の中でも

             心筋梗塞や脳梗塞の原因となる血栓を防ぐためにn-3系脂肪酸の割合が高いものを選ぶようにします。 

           B血液中に存在するコレステロールのうち、1/3が食事からのもの、残りの2/3が肝臓で合成されたものです。

            つまり、血中コレステロールを低下させるには肝臓での合成を抑制すると同時に、食事からの摂取量も控えます。

            コレステロールは卵、内臓、バター、肉類に多く1日の合計が300mg以下になるようにしましょう。 

                        C果物に多いペクチンや海草に含まれるアルギン酸など水溶性の食物繊維には、血中コレステロール低下作用   

            があります。これは、食物繊維が脂質の消化を助ける胆汁酸と結合し、胆汁酸の排泄を促進する。胆汁酸が多く

            排泄されると、肝臓でコレステロールから胆汁酸への分解が促進され、結果的に血中コレステロールも低下する。

           D血中コレステロール低下作用が期待される食品には植物油(不飽和脂肪酸)、魚油(多価不飽和脂肪酸)、

             海草(食物繊維)、果物(食物繊維)、きのこ、大豆・大豆製品。凍豆腐には強い低下作用が確かめられています。

           ELDL-コレステロールが血管壁に蓄積するのは酸化型のLDLです。酸化を防ぐ作用のあるビタミンA、E、Cを含む

            食品を十分とりましょう。赤ワインのポリフェノール、お茶のカテキン、ゴマのセサミノール等にも抗酸化作用がある。

      W型→@肥満者の血液中の中性脂肪が多いのは消費エネルギーに比べて摂取エネルギーが多いと、余分のエネルギーは

           肝臓で中性脂肪へ合成され血中でも高くなります。エネルギー不足状態を作ると中性脂肪を分解してエネルギー源

           とします。その結果、血液中の中性脂肪も容易に低下します。

          A糖質の過剰摂取は体内で中性脂肪の合成を亢進させます。砂糖、果糖、ブドウ糖のような甘い糖はより中性脂肪

           に変わりやすい。ジャム、ハチミツ、菓子類なども含めて、甘いものを制限しましょう。

          Bアルコールの過剰摂取も肝臓で分解されきれず、中性脂肪への合成が盛んになる。禁酒で中性脂肪は下げられる。

      Ub型→コレステロールと中性脂肪の両方が高いので、Ua型とW型のりょうほうの条件を満たす食事をします。

          @低エネルギー食とする。肝臓でのコレステロールと中性脂肪の合成を抑えます。

          A不飽和脂肪酸の割合を高くして、血中コレステロールを低下させます。

          Bコレステロール摂取量を300mg/日以下にします。

          C食物繊維を増やす。

          Dコレステロール低下食品の利用

          E抗酸化成分を含む食品をとる。

          F甘いものの制限

          Gアルコールの禁止

     HDL-コレステロールが低い場合→動脈硬化を抑える働きをもつHDL-コレステロールを増加させる方法はないが可能性として

          @肥満者の多くは、HDL-コレステロールが低い、減食→減量により上昇します。単に食事療法だけでなく、運動と併用

           すれば、より効果的です。

          A適度のアルコールは、HDL-コレステロールを上げます。日本酒なら1合強、ビール大1本、ウイスキーW1.5杯ぐらいが

           適量です。適量がポイントで飲みすぎても決してHDL-コレステロールは上がらない。

          B飽和脂肪酸 : モノ不飽和脂肪酸 : 多価不飽和脂肪酸 = 1 : 1.5 : 1にするとHDL-コレステロールを上

           げることができます。多価不飽和脂肪酸の割合が高すぎればHDL-コレステロールも低下することがあるので要注意。

      注意点:卵、イカ、貝、エビ、肉などおいしいものには一般にコレステロールが多いが低下作用のある食品と組み合わせて

           食事を全体としてバランスをとって食べていくことが最も重要な点です。

      食品選びの目安

食品

T型 Ua型 Ub型 W型
主食 ご飯 パン めん
主菜
魚貝
大豆 大豆製品
副菜 野菜
緑黄色野菜
いも かぼちゃ
海草 きのこ コンニャク
果物
牛乳 乳製品
調味料 動物油 ↓↓ ↓↓ ↓↓
植物油
砂糖 ↓↓ ↓↓
しょうゆ 味噌
香辛料
嗜好品 和菓子 ↓↓ ↓↓
洋菓子 ↓↓ ↓↓ ↓↓ ↓↓
アルコール飲料 × ×
カフェイン飲料
炭酸飲料 × ×

 ↑↑積極的に   ↑多めに   →普通に   ↓控えたい   ↓↓できるだけ控えたい   ×禁止食品

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               コレステロールを多く含む食品 

  食品名 目安量( )g Kcal コレステロール含有量(mg) 100g中の含有量(mg)

主菜

鶏レバー

1人前 (60)

67 222 370
豚レバー 1人前 (60) 77 150 250
牛レバー 1人前 (60) 79 144 240
鶏手羽肉 1人前 (100) 254 111 110
鶏もも肉(皮つき) 1人前 (100) 182 95 95
鶏むね肉(皮つき) 1人前 (100) 239 80 80
いか (50) 38 150 300
すじこ 1人前  (30) 75 153 510
わかさぎ 5〜6尾 (80) 80 152 190
うなぎ蒲焼 1串 (60) 203 144 240
たらこ 1/2腹 (40) 46 136 340
ししゃも 2尾  (50) 91 130 260
あなご(生) 1尾  (60) 101 96 160
しゃこ(茹) 3尾  (60) 56 90 150
うに(生) 2〜3個  (30) 44 87 290
きす 小2尾 (80) 77 80 100
たこ(茹) 1本 (80) 79 80 100
くるまえび 中2尾 (40) 37 76 190
しらす干し 1人前 (30) 53 75 250
ほたるいか 5〜6尾 (30) 33 75 250
どじょう 5〜6尾 (40) 35 72 180
あわび 1人前 (50) 31 70 140
塩辛 1人前 (30) 30 69 230
鶏卵 中1個 (60) 97 282 470
卵黄 中1個 (18) 65 234 1,300
うずら豆 2〜3個 (30) 52 141 470
副菜 プロセスチーズ 2枚 (40) 136 32 80
チェダーチーズ 1枚 (20) 85 20 100
生クリーム 大さじ1杯 (15) 65 18 120
調味料 バター 大さじ1杯 (10) 75 21 210
牛脂 大さじ1杯 (10) 94 10 100
ラード 大さじ1杯 (10) 94 10 100

嗜好品

カステラ 1切れ (60) 190 114 190
ケーキドーナッツ 1個 (60) 258 66 110