肝硬変→慢性の肝臓病では、肝細胞の壊死と再生が繰り返され、そのうちに、肝臓内に線維組織が増え、肝臓の構造が

           乱れ、再生結節という小さい固まりができてきます、肝臓内でこれが占める割合が多くなると、肝臓は硬くなり、

           表面も凹凸になり、肝臓のすべての機能が低下してきます。これが肝硬変です。

           日本人の原因の大部分はウイルス性でC型が60%,B型15%,アルコールからは約10%しかなく、つまりアルコールを

           飲んでいないからといって、安心はできないのです。

      症状・・・胸、肩、腕にでるくも状血管腫、手の平の紅班、男の乳房の女性化などがおきてきます。さらに、進行すると腸管

           から肝臓に流れている門脈血の圧力が上昇し、これが腹水、食道静脈瘤、脾臓の腫大などの誘引になります。

           健康な時、血液中のアンモニアは肝臓で尿素などに合成され解毒されるが、肝硬変ではこの解毒能力が著しく

           低下するために、アンモニア濃度が上昇し、脳内に入り、精神、神経症状を引き起こす、これを肝性脳症といいます。

         病状は「代償期」と「非代償期」があり前者は慢性肝炎のように全身倦怠感や食欲不振などの軽い症状で各栄養素の

           代謝も何とか営まれている状態。後者はくも状血管腫、手掌紅班、腹水、浮腫、食道静脈瘤、脾臓膨大、肝性脳症

           による神経症状や意識障害がおきている状態で肝臓の働きは低下し栄養素の代謝は非常に悪くなっています。

      治療方法→特効薬はなく、悪化を防ぐかが治療の中心になります。そのために、安静と食事療法が基本となり代償期の

           状態を保ち普通の生活ができるようにすることが目標になります。

           腹水やむくみがある場合は減塩食で、それでも取れないときには利尿剤を用います。  

           肝性脳症がある場合は、血中アンモニア濃度を低下させる為に、低たんぱく質食とします。また分岐鎖アミノ酸は

           肝臓以外に筋肉でも代謝され、アンモニア濃度を上昇させないことから静脈に投与したり、経口的に補給します。

           高アンモニア血症を予防するには便通をよくし、腸内細菌を抑え、乳酸菌を多くしてアンモニアの生成を抑える。

      食事療法のすすめ方

         代償期肝硬変の場合

           @肥満が合併する場合を除き、糖質を中心に十分なエネルギーを補給します。

           A肝臓機能を積極的に維持するためにたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を十分に補給します。

            牛乳・乳製品、緑黄色野菜、果物など不足しないように摂取することが大切です。

            特に、たんぱく質は肝性脳症を予防するために芳香族アミノ酸が少なく、分岐鎖アミノ酸の多い食品を選びます。

        肝硬変のとき蛋白源に利用すべき食品

食品

%

甘みそ 2.83 ひらめ 2.61 さんま 2.57 かじき 2.51
コーンフレーク

3.29

なす 3.75 さざえ 2.61 そらまめ 2.56 くるまえび 2.51
バナナ 3.00 じゃがいも 2.73 あじ 2.60 いか 2.54 豚肝臓 2.50
2.98 にしん 2.67 いわし 2.60 鯨肉 2.53 2.50
牡蠣 2.93 なまこ 2.67 鶏肉 2.59 さやえんどう 2.53 りんご 2.50
どじょう 2.93 はんぺん 2.65 鶏肝臓 2.58 さば 2.52    

         数字は芳香族アミノ酸に対する分岐鎖アミノ酸の比率。この値が高いほど優れたたんぱく質食品である。 

          B調理に使用する油は、すべて植物油とします。胆汁の生成が悪く、油の消化能力は低下していますが、過度の

           制限はエネルギー補給が不十分だったり、必須脂肪酸が不足し、さらに脂溶性ビタミンの吸収も悪くなります。

          C高アンモニア血症を防ぐ最大のポイントは、便通をよくしておくことです。穀類、イモ類、野菜、海草、きのこ、果物

           などから食物繊維を十分とるようにしておきます。

          D腹水やむくみを予防するために、食塩をやや制限します。         

      非代償期肝硬変の場合

          @血液中のアンモニアを低下させる為に、摂取するたんぱく質食品は厳しく制限します。1日に30〜40gと健康人の

           半分ぐらいにします。ご飯、パン、めんなどの主食や野菜、いも、果物などのたんぱく質でまかなえます。植物性

           たんぱく質の方がアンモニアの上昇を抑制し、肝性脳症を防ぐともいわれてます。

          A胆汁の生成が悪く、脂肪の消化能力も著しく低下しているので脂肪は制限します。調理に油を使わない。

          B肝臓の機能を維持するために、エネルギーは不足しないようにします。エネルギー源は糖質が中心となり

           主食や間食の菓子類、デザート、ハチミツ、ジャムなどによりでんぷん、砂糖、果糖、ブドウ糖を十分補給します。

          C消化機能の低下や食道静脈瘤の破裂を防ぐために、やわらかく、消化のよい食品や調理法を選びます。

          D腹水やむくみの為に、食塩は1日7g以下に制限します。

          E消化管への負担を軽くするために、何回にも分けて食べます。

     食品選びの目安

      ●代償性の時

        多めに摂る食品→肉、魚貝、卵、大豆、大豆製品、緑黄色野菜、海草、きのこ、コンニャク、牛乳・乳製品、砂糖

        普通に摂る食品→野菜、いも、かぼちゃ、果物、油、酢、香辛料、菓子

        控える食品→塩、しょうゆ、味噌、カフェイン、炭酸飲料

        禁止食品→アルコール飲料

      ●非代償性の時 

        積極的に摂る食品→砂糖

        多めに摂る食品→緑黄色野菜、いも、かぼちゃ、

        普通に摂る食品→ご飯、パン、めん、野菜、果物、酢、香辛料、菓子

        控える食品→肉、魚貝、卵、大豆製品、海草、きのこ、コンニャク、牛乳・乳製品、油、塩、しょうゆ、味噌、カフェイン、炭酸

        禁止食品→アルコール飲料                                戻る