栄養アセスメント(栄養評価)

 

身体計測法

皮膚、口腔、毛髪、爪の診察

  社会構造の変化、生活習慣病、癌など疾病構造の変化、医療の発展などを受け、従来の薬物療法や手術療法等の根治療法を中心とした医療から、

    疾病の発生を予防する一次予防、在宅医療や緩和医療の推進等、患者の”生活の質(QOL)”向上を重視した医療へと変遷しつつある。

  加えて、医療費の削減が要望され、こうした中で、栄養管理、栄養療法の役割が重視されている。栄養管理、栄養療法は疾患を有する全ての患者に於いて

  基本的な根幹になる医療行為である。ここで、患者の栄養状態を的確に評価する栄養アセスメントが必要となる。

   @栄養障害の有無の判定    A栄養障害の程度の評価     B栄養療法の適用の決定

   C適正な栄養管理法の選択     D栄養療法の効果の判定     E再評価による栄養管理法の修正

      並びに適正化     F手術症例の予後の推定

    1.栄養状態→下記の物質の不足もしくは過剰で代謝のバランスが失われ、「栄養状態が不良とする」

   @エネルギー其質(主に糖質、脂質、蛋白質)   A水分   B電解質   Cビタミン   Dミネラル

   E@〜Dを代謝・合成・貯蔵する身体構成組織   F代謝動態を制御するホルモン・サイトカインなど生体反応物質

  2.栄養状態の把握→栄養状態を最も簡単に把握できる指標は、「体重の変化」である。体重の変化が長期間にわたって徐々に起きた変動ならば

   生命活動に支障を来すことは少ないが、短期間に急速に起こった場合には、栄養管理が必要になることが多い。

   ● 栄養管理が必要な体重減少率

     有意の体重減少  1週間・・・1〜2%   1ヶ月・・・5%以上   3ヶ月・・・7.5%以上   6ヶ月・・・10%

      生体は脂肪、骨格筋、内臓タンパク、血漿タンパク、細胞外組織、皮膚・骨格など種々の構成部分から成り立っている。このため、

      体重に変化が見られた場合、それがどの成分の変化かを判断する必要がある。     

     ● 栄養指標(計測方法)

   

     脂肪・・・・・上腕三頭筋皮下脂肪厚(mm)

       内臓タンパク・・・・・血清アルブミン   血清トランスフェリン   プレアルブミン

              レチノール結合タンパク   皮内反応(おたふくかぜ、カンジダ)

   骨格筋・・・・・上腕筋囲長(cm)    クレアチニン身長係数

  

 

 

  
  栄養評価には

   客観的評価法:静的栄養指標、動的栄養指標、総合的栄養指標がある。

 1.静的栄養指標・・・・・身体計測指標、血液・生化学的指標、皮内反応

                                  短期間の栄養状態を評価できないが、患者の全般的な栄養状態を定量的に評価するに優れた指標

    身体計測指標・・・身長・体重:体重変化率、身長体重比、BMI、%平常時体重、%標準体重

    血液・生化学的指標・・・血清総タンパク、アルブミン、コレステロール、コリンエステラーゼ、

                                   クレアチンニン身長係数(尿中クレアチニン)、血中ビタミン・ミネラル、抹消血中総リンパ球数

    皮内反応・・・遅延型皮膚過敏反応

  2.動的栄養指標・・・・・血液・生化学的指標、関節熱量測定値

                            これらは短期間での代謝変動、及びリアルタイムでの代謝・栄養状態を評価するのに優れた指標

          血液・生化学的指標・・・

       短半減期タンパク:トランスフェリン、レチノール結合タンパク、プレアルブミン、 ヘパプラスチンテスト

        タンパク代謝動態:窒素平衡、尿中3-メチルヒスチジン

        アミノ酸代謝動態:アミノグラム、フィッシャー比(分妓鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸)            BTR   (分妓鎖アミノ酸/チロシン)

        間接熱量測定値・・・安静時エネルギー消費量、呼吸商、糖利用率

  3.総合的栄養指標・・・・・栄養状態から手術の危険度を推定する

  @胃がん患者に対する栄養学的手術危険指数(NRI)nutritional risk index

   数式:NRI=10.7xAlb+0.0039xTLC+0.11xZn-0.044xAge

        略語:Alb・・血清アルブミン値(g/dL)、TLC・・総リンパ球数(/mm3)、Zn・・血清亜鉛濃度(㎍/dL)、Age・・年令

    判定基準:NRI<55・・高度の危険      NRI≧60・・低度の危険

   A食道がん患者に対する栄養評価指数(NAI)nutritional assessment index

         数式:NAI=2.64xAC+0.6xPA+3.7xRBP+0.017xPPD-53.8

        略語:AC・・上腕周囲長(cm)、PA・・血清プレアルブミン値(mg/dL)、RBP・・血清レチノール結合タンパク(mg/dL、 PPD・・ツべルクリン皮膚反応(mm2)

           判定基準:NAI≧60・・良好    60>NAI≧40・・中等度     NAI<40・・不良

   BStageW消化器がん患者及びStageX大腸がん患者における予後推定栄養指数(PNI)

         数式:PNI=10xAlb+0.005xTLC

         略語:PNI・・prognostic nutritional index、Alb・・血清アルブミン値(g/dL)、TLC・・総リンパ級数(/mm3)

           判定基準:PNI≦40・・切除、吻合禁忌

   C肝障害合併例に対するPNIS  prognostic nutritional index for surgery

         数式:PNIS=-0.147x体重減少率0.046X体重身長比0.010TSF0.015Xヘパプラスチンテスト

      略語:TSF・・上腕三頭筋部皮下脂肪厚(mm)

             判定基準:PNIS≧10・・合併症なし   5≦PNIS<10・・移行帯    PNIS<5・・合併症あり