保健機能食品
脂質の吸収・代謝の調整をする食品

戦後、食の欧米化で、日本人の脂肪摂取量は著しく増加し、生活習慣病患者増の一因となっているが、血中中性脂肪値や体脂肪量を増加させない事を目的とした

食品も開発されています。

✤中性脂肪の消化・吸収・代謝

中性脂肪は膵臓より分泌されたリパーゼ(脂肪分解酵素)の作用により、グリセロールと脂肪酸に分解され、小腸細胞内に吸収され、中性脂肪が再合成されます。

その後アポタンパク質、コレステロール、リン脂質などと結合して、カイロミクロンと呼ばれるリポタンパク質を形成し、リンパ管へと吸収され、最後に血中へと運ばれる。

中性脂肪は疎水性で、リンパや血液に溶解しにくいため、親水性のアポタンパク質と結合することにより、血中の運搬が可能になるのです。

カイロミクロンは血流中を移動しながら、末梢神経に脂肪酸を供給し、カイロミクロンレミナントという粒子の小さいリポタンパク質となり、最終的に肝臓に取り込まれます。

末梢神経に取り込まれた脂肪酸は、エネルギーとして利用されたり、また、中性脂肪として再合成されたりします。中性脂肪は肝臓でも合成され、超低比重リポタンパク質

として血中に分泌されます。これはカイロミクロンと同様に末梢神経に脂肪酸を供給し、最終的に肝臓に取り込まれます。

このように中性脂肪は体内で代謝され、エネルギー源として利用される成分なのですが、過剰摂取は動脈硬化などを促進し、各種生活習慣病の発症因子となります。

✤中性脂肪の吸収・代謝の調整をする食品

✦ジアシルグリセロールを成分とした食用調理油・・・・・他の食用油と比較して、食後の血中中性脂肪が上昇しにくく、しかも体に脂肪がつきにくいのが特徴です。

脂肪を燃やしやすくする働きもある。多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。

✦中鎖脂肪酸を成分とした食用調理油・・・・中鎖脂肪酸は、摂取後肝臓で素早く燃えてしまうため、体に脂肪がつきにくいのが特徴です。体脂肪が気になる方や

肥満気味の方は、通常の油に替えて、この油を使うことをお勧めです。 ただし、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。

✦グロビン蛋白分解質を成分とした清涼飲料水・・・・・本品は、食後の血清中性脂肪の吸収を抑えて分解を促す効果がある。、脂肪の多い食事をとりがちな

人の食生活の改善に役立ちます。 これは高脂血症の予防薬・治療薬ではありません。飲み過ぎ、或いは体質・体調により、お腹が緩くなることがあります。

✦EPA・DHAを成分とする清涼飲料水・・・・・本品は中性脂肪を低下させる作用のあるイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸を含んでいるので、中性脂肪が気になる方

に適しています。一方で、抗血液凝固作用があり、多量の摂取は血液が固まりにくくなります。ワルファリンのような抗血栓薬を服用している場合、作用を増強する可能性が

あるので、治療中の方は医師にご相談ください。また本品は高脂血症の治療薬・予防薬ではありません。

食事の基本は栄養のバランスとよく言われるが、多種多様な食品が流通し、簡便で保存性の良い商品が出回ると、栄養のバランスより便利さを優先して、利用してしまい

ついつい、健康を損なう場合もあるのです。一方、健康志向に対応した、いわゆる健康を保持増進させるための商品も積極的に製造販売rされています。

高脂血症の予防という観点から、脂質代謝・吸収阻害に関わる特定保健用食品を取り上げます。2002年保健機能食品市場の実態調査によると「おなかの調子を整える」

機能を持つ商品が全体の6割近くを占め「コレステロール」「血圧」「血糖値」に関する商品は1割弱に過ぎないという現状に対し、今後注力したい分野がこの3つの

生活習慣病に効果のある食品分野を挙げている。こうした背景から、今後ますます、高脂血症の予防を目的とした商品が増えていくことでしょう。

✤脂質代謝を調整する成分

茶カテキンはポリフェノールの一種で緑茶に含まれる苦味成分です。日本人が千年以上にわたって飲み続けて来たものであり、抗酸化作用、殺菌作用、抗ガン作用、

血圧低下、血糖値抑制など多くの生理作用を有することが知られていました。最近では抗肥満作用もあることが明らかになった。

乾燥茶葉中に14~18%程度含まれており、湯飲み一杯(120㎖)に80mgほどの茶カテキンが含まれています。これを高濃度に、継続的に摂取することにより

脂質燃焼酵素の増加と脂質燃焼促進で体脂肪量の減少をもたらします。

✤吸収阻害に関与する成分

コレステロール自体は、細胞膜の成分であるほか、胆汁酸やステロイドホルモンなど体に必要な成分の原料でもあるのですが、必要以上に血中濃度が高い状態を放置して

おくと血管壁にたまって動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞といった生活習慣病の発症要因になります。

コレステロールは体内で作られるので、血中コレステロール値が高めの方が抑制成分をとっても体に必要なコレステロールまで不足する心配はないが抑制成分は食物繊維

としての性質も有しており、微量栄養素の吸収も阻害することがあるので、決められた摂取量以上にとり過ぎないように注意が必要です。

水溶性の食物繊維にもコレステロール低下作用がある。粘性の高い水溶性食物繊維は腸管内で、脂肪と胆汁酸から形成されたミセルの吸収を抑制する。さらに、不溶性の

食物繊維が食事由来の脂肪やコレステロールの吸収阻害によって血清コレステロール値を下げるのに対し、水溶性食物繊維のペクチン、グアーガムなどは8g/日程度で

LDLコレステロールを下げると考えられています。総エネルギー摂取量の低めの方や、食事のバランスが悪く微量栄養素の摂取が少なめの方、たとえ、血中脂質レベルが

高くても、食物繊維の多量摂取には注意が必要です。なぜなら、食物繊維が多過ぎるとビタミンやミネラルなどの微量栄養素の吸収も阻害してしまうからです。

脂質代謝関連の特定保健用食品を摂取するだけで、脂質代謝が望ましい状態に改善すると考えるのは基本的に誤りであり、栄養素のバランスを考えた食事を心がけることが

まず必要であって、そのうえで付加的あるいは補足的に保健機能食品を利用するようにすべきでしょう。

脂質の吸収・代謝の調整をする食品

茶カテキン