保健機能食品以外の健康食品は、栄養素の補給・補完を目的とするサプリメントやハーブ類を含め、およそ250種類程度は存在している。

売上高の多い健康食品は古くから利用・流通し、馴染みのある物が多いが、現在激しい宣伝合戦が行われている新顔の健康食品の売上高は必ずしも高くない。

✤ビタミン、ミネラルを除く健康食品(素材)の売上げランキングと有効性、安全性評価

素材の品目 売上げランキング(売上高(億) 有効性、安全性 素材の品目 売上げランキング(売上高(億) 有効性、安全性
ビタミンC 1   500 コラーゲン(ゼラチン) 15   120 摂取はほぼ安全だが牛製品はBS感染を完全に否定できない。関節炎などには有効の可能性があるが、皮膚の機能維持への有効性評価は動物実験レベル
カルシウム 1   500 アガリクス 15   120 多糖類に動物実験で抗ガン作用を確認
ローヤルゼリー 3   450 有効性・安全性情報は不十分。血中脂質成分の低下に有効か? スピルナ 18   120 タンパク質、ビタミンB群、カロテン、鉄、カルシウム含量が多い
食物繊維 4   420 食事摂取基準あり 麦緑素 20   100 麦類若葉加工品。緑黄色野菜を補う効果があるとされる。
クロレラ 5   400 栄養素の補給源として安全かつ有効 キトサン 20   100 甲殻類のキチン質から製造。食物繊維としての作用であるが、特に血中コレステロール、中性脂肪、尿酸値低下作用、血圧降下作用がある。トクホの関与成分
プロテイン 7   300 食事摂取基準あり、タンパク質補給に有効 ケール 20   100 アブラナ科野菜。青汁に使用。ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富
アロエ 9   200 局所的に葉肉を皮膚の傷や炎症に有効であるが、経口摂取については不明、緩下作用のため危険か? 核酸 23   90 経口摂取による免疫機能増強効果は、おそらく有効。健康食品としての摂取についての安全性は確立されていない。痛風・高尿酸血症への影響が心配される。
高麗人参 10   160 漢方薬素材。認知機能の改善やストレス抵抗性などにおそらく有効。短期間摂取ならおそらく安全 霊芝(マンネン竹) 23   90 漢方薬素材。有効性に関する情報は不足。適切な経口摂取はおそらく安全
プルーン 10   160 ビタミン、ミネラルが豊富。便秘や貧血に有効とされる 酵素 26   80 健康食品として販売されている「酵素」は植物を用いた発酵食品であり、その本体は不明である。
プロポリス 12   150 洗浄液として、傷の回復、炎症防止におそらく有効。他の使用法については情報不十分 ノコギリヤシ 28   70 成熟果実のエキスを利用。経口摂取による良性前立腺肥大症状(頻尿、残尿感など)改善にほぼ有効。48週間までの摂取はほぼ安全
ビフィズス菌 13   140 トクホ(おなかの調子を整える)の関与成分 グルコサミン 28   70 キトサンの構成糖。経口摂取による骨関節炎の症状改善に有効。短期間の摂取はおそらく安全だが長期間については情報不足。
酵母 15   130 ビタミンB群、ミネラル、タンパク質の補給に古くから用いられている。短期間摂取は安全だが長期間は情報不足 ブルーベリー 28   70 ブルーベリー果実の経口摂取は糖尿病性、高血圧網膜症の改善におそらく有効。夜間視力向上にはおそらく無効。果実の適量摂取はほぼ安全。
イチョウ葉 15   120 認知機能、月経前症候群、老化による網膜黄班変性などにおそらく有効。有毒成分ギンコール酸を含む(5ppm以上でアレルギーの恐れ) ウコン 28   70 動物実験で抗炎症作用、発癌抑制作用を確認。人では不明。短期間の適切な摂取はおそらく安全だが、長期間摂取は危険


 多くの健康食品素材について、動物実験レベルでは有効性評価は得られているものの、人レベルの有効性評価は不十分なものが多い。

食品は長期的に摂取することによって、保険の効果をもたらすものと考えられるので、エビデンスに基ずいた有効性の評価も大切だが、むしろ健康危害防止の観点から

長期摂取の安全性や含有成分の毒性を、有効性評価より優先的に積極的に評価することが重要であろうと思います。ダイエット食品や下剤とされる生薬成分を含む

健康茶のように健康食品に違法に混入される薬物や医薬品などの検出、食品でありながら薬的な治療・予防を標榜する「にせ薬」等から消費者を守る手立てが必要です。

通常は調理過程で除去されたり、常用量では微量で毒性を示さないことが多いのですが、健康食品を製造する過程の凍結乾燥や抽出、濃縮の操作で有毒成分の濃縮や

活性化が起こり、通常の利用では見られなかった毒性が発現することがあるのです。予測可能でも、現在は健康危害が生じてから回収や発売禁止の処置が取られるなど、

後手に回っている感は否めません。安全性を科学的に評価する方法論を早急に確立し、栄養指導などへの利用できるようにすることが望まれます。

✤最近注目の健康食品の摂取効果

✦藻類並びに青汁(ケール)・・・・・クロレラやスピルリナなどの藻類は、古くから健康食品として利用されており、今も人気で目立った健康被害も報告ありません。

 アミノ酸スコアの高い良質なたんぱく質、カロテン、ビタミンB群、ビタミンKなどのビタミン、鉄、カルシウム、亜鉛などのミネラルも多く含んでいる。

 ケールはキャベツやブロッコり―の原種といわれ、カロテンやビタミンC含量が多く食物繊維量も高い。青汁にはケールの他にモロヘイヤや麦類若葉も原料にしている

 物が多くビタミンやミネラル補給のほか、クロロフイルや抗酸化性物質の摂取を目的と掲げているものも多いようです。

 ✧これらの健康食品を利用するうえでの問題点・・・・光過敏症の原因物質であるフェオホルバイト(摂取量が多いと皮膚炎を起こす)が含まれることと、ビタミンK含量が

 高い(虚血性心疾患や脳梗塞などで抗血栓薬、抗凝固薬のワルファリンを投与されている患者の場合相互作用により薬の効果が減弱する)。

 青汁も緑色植物を利用しているのでビタミンK含量が高いものと考えあられるので、ワルファリンの服用中は摂取を避ける方が無難です。

✦イチョウ葉抽出物・・・・・ドイツで医薬品、健康食品として開発が進められました。臨床試験で認知機能改善効果、脳代謝改善作用、特にアルツハイマー認知症に

 改善が見られ注目を集めた。他に血清コレステロール値低下作用、血管拡張作用も認められ、強力な抗酸化性に基ずく動脈硬化関連疾患の改善に有効とされている。

✦キトサン・・・・・キトサンは甲殻類の外骨格であるキチン質を原料に、タンパク質、カルシウムを除去し、脱アセチル化して製造されている。よく知られている効果として、

 胆汁酸を吸着してコレステロールや脂質成分の吸収を阻害することで、トクホの関与成分となっている。中性脂肪の吸収も阻害するのでダイエット食品として需要も

 多いようです。食事性核酸や食塩の塩素を吸着して、血中尿酸値の低下や血圧の上昇を抑える効果も実験レベルで確認されている。多量摂取は便秘の原因になる。

 構成糖であるグルコサミンには、骨関節炎や関節障害の改善に有効であることが分かってきています。

✦キノコ類と含有多糖類・・・・・アガリクス、霊芝、シイタケ菌糸体、マイタケ、ブナシメジ、ヤマブシタケなどを原料とし、それらから多糖類のβグルカンを抽出した健康食品

 が免疫賦活効果や癌予防効果があるとして取り扱われているが有効性については疑問も呈されている。これらのキノコは、食物繊維源として利用すべきで、そのうえで

 上記の効果が付与される食品と理解したほうが安全に利用できる。これらのキノコ類に抗がん剤的効果を期待するのは危険です。

✦ウコン・・・・・多くのアジア諸国で、健胃、駆風(腸内ガス除去)、利胆効果のある民間薬として用いられている。黄色のウコン色素(ターメリック)が含まれ、カレー粉、

 たくあん、辛しの着色料などに使われている。抗酸化性が高く動物実験レベルで抗炎症作用や発がん抑制作用、肝細胞の活性化が確認されており、利胆作用から

 胆汁分泌量の増加やコレステロール胆石の溶解が期待できるとされている。

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