今日、人々の健康志向の高まり、生活習慣病の増加からくる健康不安に応えるものとして、本来は、食事だけでなく運動や休養など、他の生活習慣も改善しなければならない

わけですが、場合によっては「お助け食品」的な考えやニーズに支えられて、様々な食品が開発されており、流通量としても大きな広がりを見せています。

現代の健康食品の一部には、伝統医学である「中医学」「アーユルベーダ医学」に基ずいたものであることを標榜した商品がいろいろあります。「食と薬の中間」にあるものと

考えたほうがわかりやすいかもしれません。「健康食品」そのものを規定する単独の法律はなく、法的に有効かつ明確な定義もありません。名称もいろいろあり、ともすると

フードファデイズムや誇大広告やインチキ情報などが飛び交いやすく、利用者の死にいたる例もあるわけです。健康食品のすべてではないが正に玉石混交の状態です。

✤健康増進法並びに食品衛生法によって規定された保健機能食品は、法的には「一般食品と医薬品の中間」に存在するものです。開発コンセプトが中間でも現行法では

一般食品の範疇に入れられます。食品としての側面を持つ健康食品は食品衛生法で規制を受け、栄養成分やエネルギー量の表示は、健康増進法に定める栄養表示基準を

遵守しなければなりません。薬としての側面については薬事法によって厳しく規制を受けています。薬事法は保健衛生上の向上を図ることを目的とする法律で

医薬品は①日本薬局方に収載されているもの、②疾病の診断、治療または予防に使用されるもの、③人体の構造又は機能に影響を及ぼすもの、であると規定されています。

健康食品がこの①から③のいずれかに該当する場合、薬効を標榜した場合、医薬品としての効果があるなしにかかわらず、薬事法によって医薬品とみなされるが、医薬品と

しての承認、許可を受けていないので、「無承認無許可医薬品」として薬事法違反に問われます。保健機能食品は保険の目的に利用できる旨を表示してもよいわけですが、

健康食品はあくまでも法的には一般食品ですから疾病の治療も予防についても表示できません。さらに、品質などを実際よりも良いもののように誤認させるような不当表示、

誇大表示については景品表示法、不正な販売に関しては特定商取引法や消費生活条例などで規制されています。

✤厚労省は、商品の原材料(成分本質)になるものについて、医薬品としての使用実績、毒性、作用などを考慮して「医薬品に該当するか否か」の判断をします。

 薬事法で医薬品と判断されなくても、食品衛生法で食品添加物とされているものは、それに従う必要があります。現在、健康食品素材として利用されている原材料を下記します。

✦健康食品1(植物性食品)

 葉・茎・同エキス類(例:イチョウ葉、麦緑素)     穀物・胚芽・種子・同エキス類(例:発芽玄米、五穀)     花粉・花・果実・同エキス類(例:花粉、ブルーベリー)

 根・地下茎・鱗茎・同エキス類(高麗人参、ニンニク)     メデイカルハーブ(例:エキナセア、セイヨウオトギリソウ)     植物性健康油(例:小麦胚芽油、月見草油)

 キノコ食品類(例:アガリクス、霊芝)     藻類(例:ゲルマニウム、にがり)

✦健康食品2(動物性食品・鉱物性食品)
 
 蜂蜜・ローヤルゼリー類(例:プロポリス、ローヤルゼリー)     動物エキス類(例:スッポンエキス、シルク     骨・軟骨・同エキス類(例:動物・魚介類軟骨)

 魚介エキス類(例:深海鮫エキス、シジミエキス)     卵・乳類(例:卵油、免疫ミルク)     鉱物類(例:ゲルマニウム、にがり)

✦健康食品3(有用菌・植物酵素・醸造酢)

 酵母・麹菌・納豆菌(例:酵母、紅麹)     乳酸菌・発酵乳(例:ビフィズス菌)     植物酵素(例:酵素)     

 ✧健康茶・健康水

 中国茶・緑茶類(例:緑茶、ウーロン茶)  野草茶・樹木茶類(例:甜茶・バナバ茶)   ハープティー(例:ミント、カモミール)   健康機能水(例:海洋深層水、アルカリイオン水)

✦栄養機能成分

 糖・オリゴ糖・多糖・食物繊維(例:フラクトオリゴ糖、キシリトール)     脂質・脂肪酸(例:ドコサヘキサエン酸、レシチン)     

 アミノ酸・食品タンパク質・ペプチド(例:チロシン、γ-アミノ酪酸)     ビタミン(例:ビタミンC、マルチビタミン)     ミネラル(例:カルシウム、鉄)     

 有機化合物(例:核酸、ヒドロキシクエン酸)     抗酸化物質(例:ポリフェノール、カテキン)

❂消費者への注意喚起

健康食品は専門店やドラックストアーなどで販売されているが、管理栄養士、薬剤師にしても、本当に有効で適切な正しい知識を持っている人は極めて少ないというのが現状です。

利用者は意識するしないにかかわらず、自己責任というリスクを払い、健康危害と隣り合わせで利用しているといっても大げさではない状況です。

混沌とした状況だからこそ科学的な情報を求める態度が必要です。健康食品やサプリメントに関する教育と専門家養成はいま最も早急に解決すべき問題です。

保健機能食品
法的根拠と利用上の注意点