保健機能食品

ビタミン、ビタミン様作用物資、ミネラル

保健機能食品制度では、保健機能食品以外の食品を一般食品とし、「健康食品」は、その中に含まれるものとされています。

健康食品についてその役割の位置付け、安全性・有用性の確保、情報提供などで様々な見解があり、混沌とした状況にあるようです。

「医薬品~保健機能食品~いわゆる健康食品~一般食品」という体系はあるが、健康食品の位置付けは、人それぞれに異なり、医薬品より医薬品的と

考えている人もいるかもしれません。栄養機能食品として規格基準の定まっていないビタミンやその類似化合物とミネラルについて記します。

✤ビタミン類

✦ビタミンK・・・・・ビタミンKには植物性食品に多く含まれるビタミンK(フィロキノン)と動物性食品或いは納豆に多く含まれるビタミンK(メナキノン)

があります。ビタミンKは血液凝固に重要で、出血を止める作用には不可欠です。ですから、抗血栓剤として用いられるワルファリンの作用とは拮抗します。

ビタミンKを多く含む食品で、骨の健康を目的とする特定保健用食品として認められているものもあり、骨粗鬆症の治療薬として広く用いられている。

ビタミンKについて栄養機能食品としての規格基準がまだないのは、薬との相互作用や、ビタミンKそのものが医薬品として流通しているからでは?

クロレラなど藻類の健康食品を摂取している場合、本人はビタミンKを飲んでいると意識しない場合があるので過剰摂取に注意が必要です。

✤ビタミン様作用物資:ビタミンと認められていないが作用が近いので「境界の物質」をいいます。ビタミンFとも呼ばれる多価不飽和脂肪酸(PUFA)、

コリン,イノシトール、ビタミンPと呼ばれるへスぺリジン類、キャベツで有名なビタミンUなどがあります。

最近、よく耳にするのがカルニチンとコエンザイムQ10、これらは医薬品ではなく食品添加物として使用できるようになっています。

✦カルニチン・・・・・塩化カルニチンは、日本では慢性胃腸薬として認められ、胃液分泌を促進し食欲不振に用いられています。一方、生体内カル二チンは

ミトコンドリア内膜に存在し、β酸化に関わり、エネルギー代謝や脂質代謝に関与するので減量効果を標榜している。

✦コエンザイムQ2・・・・・米国ではミトコンドリア脳筋症薬として認められています。体内でも合成可能で、ミトコンドリア内でエネルギー産生に関わり、抗酸化物質

としても機能します。動物性食品や緑黄色野菜に多く含まれ、最近、抗老化因子として知られるようになってきましたが動物実験の段階です。

健康食品として「若返り」や「ダイエット」などを意識したものが多く、適切な摂取なら安全だが、過剰摂取は消化器系の不調をもたらします。

高血圧薬との併用は、作用の増強に注意が必要です。また、ビタミンK様の作用があるため、ワルファリンとの相互作用にも注意が必要です。

✤ミネラル:日常の食生活で不足が心配されるようなミネラルの規格基準は決まっているがこれ以外のナトリウム、カリウム、リンは過剰摂取のほうが問題となる

ことが多く、健康食品としてはなじまないが栄養教育の観点から、規格基準が必要かも知れません。一方、食事摂取基準が定まっている他のミネラルとしては

ヨウ素、マンガン、セレン、クロム、モリブデンがあります。他に、生体に必要な微量元素としては、フッ素、イオウ、ケイ素、塩素などがあります。

✦ヨウ素・・・・・甲状腺ホルモンの成分であり、発達成長、基礎代謝の調節などに重要な物質です。食事摂取基準(成人男)150㎍、上限3㎎。昆布に300㎎/100g

含まれている。海産物を多く摂る日本人では不足よりも過剰摂取に注意が必要です。(甲状腺腫、甲状腺機能亢進症、体重減少、筋力低下などの危険性)

医薬品としては消毒薬として頻繁に用いられますが健康食品としてはあまり用いられないようです。

✦マンガン・・・・・いくつかの酵素の補因子となることから、様々な生化学反応や代謝に重要な物質です。目安量(成人) 4㎎、上限11㎎。土壌中に多く存在し、

植物性食品に多く含まれる(精白米には1㎎/100g)。月経前症候群や骨粗鬆症に有効といわれています。貧血患者ではマンガンの吸収が促進されやすく、

肝障害患者ではマンガンが蓄積しやすいため、毒性発現に注意が必要です。

✦セレン・・・・・過酸化物を還元するグルタチオンペルオキシダーゼの活性中心を構成する抗酸化物質です。推奨量(成人) 30~35㎍、jyougenn 400~450㎍

でいわし、ワカサギなどでは100㎍/100g含まれています。抗酸化性が期待できるので、心臓病、動脈硬化などへの作用を標榜した健康食品が見受けられ、

美容や生殖機能を標榜するものも多い。中国でセレン慢性中毒が知られている。

✦クロム・・・・・糖代謝や脂質代謝に重要で、完全静脈栄養下でのクロム欠乏では耐糖能低下や混迷を引き起こします。推奨量(成人)30~40㎍で雑穀、野菜、

肉、魚に含まれています。クロムの健康食品はあまり見かけません。クロムは鉄と競合するため、鉄剤を摂取している患者では注意が必要です。

✦モリブデン・・・・・亜硫酸オキシダーゼの補因子で、長期間完全静脈栄養法で欠乏が知られています。これの欠損は、脳病変を生じ、幼児期で死亡します。

推奨量(成人)25㎍、上限270~320㎍で、乳製品、豆類、穀物に含まれています。モリブデンに晒される職業では痛風のリスクが高まる。


◉最近流行している「にがり」「マリーンミネラル」「海洋ミネラル」等はマグネシウムを主成分としてミネラルなど微量元素を含み健康食品として用いられている。


上記の成分は、今後ますます、錠剤やカプセルの健康食品が増加すると予想されます。なかには科学的根拠の不十分なものや、安全な摂取に注意が必要なもの

もあります。栄養に関わる専門家の適格なアドバイスやガイドラインが必要となるでしょう。