長寿の道しるべ

長寿を生きる 心と体を整える
全身の巡りがポイン 医療と上手に付き合う
現代病を防ぐ 心に豊かさのある生き方
種々の長寿法(光文社)

  

  ◎長寿を生きる

低カロリー食・呼吸法・うつぶせ寝が健康の秘訣? 老人の骨密度や筋力の低下は、宇宙での体の変化に近い

  ●低カロリー食・呼吸法・うつぶせ寝が健康の秘訣?

  これは100才の病院長日野原重明氏の健康法ですが、長寿の秘訣は色々あるが、1番大切なことは食事です。30才の時の体重と腹囲を比べて、身長は10cm近く低く

  なったが、体重と腹囲は30才当時と変わりません。これは、ひとえに過食せずに1日1300kcalを守っているからと言えます。各人が30才の頃の体重と腹囲を維持する

  のが理想です。身長-100=体重以上に体重を増やさねば良いのです。もしそれ以上の肥満であれば、運動量を増やす。忙しくて運動ができなければ、毎日の食事を

  見直すことが大切です。1回の食事のカロリー、外食の割合は、肉や魚と野菜のバランスはどうか、毎晩飲酒していないか・・・等々改善するところはたくさんあります。

  食生活と共に大切なことは、日頃から運動するよう心掛けることです。運動時間がないという方は、せめて1日4km歩くとか、駅の階段をなるべく歩いて上下する努力が

  必要です。長生きにもう1つ大切なことは、肺機能を良くし、誤飲や感染症による肺炎を予防することです。年配者の死因で1番多いのは肺炎で、脳血管疾患を抜いて

  日本人の死因の第3位になりました。死因の第1位の癌の中でも、1番多いのは肺癌です。肺癌予防には、まず禁煙、そして定期健診を年1回受け、疑わしい場合は、

  専門医に診察と治療を受けるべきです。肺機能を良くするには、上手な呼吸法を日常生活を通してマスターすることです。座禅やヨガの呼吸法があるが、普段の暮らしの

  中でも鍛錬できます。エスカレーターに乗らないようにして、階段1段1段を急ぎ足で、吐いて、吐いて、吐いてと3連続で吐息した後、息を吸い、また3連続吐いた後吸う。

  それを繰り返して、階段を昇っていきます。これは「長時間の排気後に短時間吸気の発声法」における呼吸法にも通じます。この発声法は声の通りが良くなります。

  もう1つ大切なことは、腹臥位(がい)(うつぶせ寝)で睡眠を取ることです。一般の脊椎動物が全て取っている腹臥位で睡眠をとることにより、横隔膜を運動させる

  腹式呼吸が夜間の睡眠中に繰り返えされ、胃腸の運動も円滑に行われ、排尿しやすくなります。まず、おへその辺に幅広い枕を起き、その上にうつ伏せになって寝ます。

  頭を支える枕はできれば薄い羽毛の物を2重3重にたたみ、頭を15%くらい右か左に向かせて耳と側頭部に羽根枕が

  当たるようにし、お腹を真下に向け、両足を少し曲げて休みます。この姿勢で横になると、5分以内に深い眠りに入ります。

  排尿で夜中に目が覚めても、このように伏して両手を少し曲げて上に挙げる位置を取ると、実にリラックスして再度熟睡

  できます。たとえ夜更かししても、うつぶせ寝で8時間寝ると、たっぷり眠った満足感で朝を迎えることができます。

  ●老人の骨密度や筋力の低下は、宇宙での体の変化に近い

  宇宙飛行士で半年間宇宙ステーションで滞在すると、骨の密度が大腿部で9%、筋力は平均10~20%下がるので、毎日2時間の健康器具での運動が必要だそうです。

  重力がわずかな宇宙での暮らしでは、血液や体液は頭の方に上がってしまい、地上に戻って来ると血液や体液が急速に下半身に下がり、その為意識がもうろうとなって

  しまうそうです。そこで、帰還直前に体液を増やす為に、1.5ℓの水を飲んで、血圧が下がらないように工夫するとのことです。血圧の調節には普通、交感神経が働きます。

  血圧が下がると、交感神経が緊張して細動脈が収縮し血圧低下を防ぎます。通常ならそのように働く交感神経も長く使われていない状態だとうまく働かず、宇宙から

  地球に戻った時、地上では血圧が下がり、うまく歩けずに転倒しがちになるのだそうです。宇宙に長時間滞在しなくても、老人になると骨密度や筋力が低下するのは、

  若い時代に比して、骨や筋力を使うことが少なくなる為です。それ故、高齢者には歩行運動や、ジムでの訓練が勧められます。歩行時に膝や足首の関節が痛む人には、

  プールの中に半身をつけての歩行がお勧めです。水の中では浮力で体重が軽くなるので、関節の痛みを感じることなく歩行ができ、これが筋肉の委縮を防ぐと同時に、

  骨の硬さを保つのに有効なわけです。人間の生活には運動がいかに大切か、老化予防にはいかに運動が必要であるかが分かります。