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中高年の為の正しい検査値の読み方

  ◎検査値を見る時の注意点

「自分の基準値」が大切 1つの検査値から決めつけない 生命と健康を大切にする

  ✦「自分の基準値」が大切

  ✢検査データより大切なもの・・・病気になった時、体調が悪い時に、必ずしも検査データが悪いとは限りません。長年医療に携わってくると「検査データは参考には

  なるが、検査データだけを信じて、患者を診ないと、大変なことになる」ということです。例えば、採決した検査結果を見て、医師は「肝機能が悪い。お酒を沢山飲んでいる

  のではないか」とか「腎臓の機能が悪く、脱水の恐れがある」等と、大体の見当はつけるのですが、それにしても患者の状態の悪い原因は一体何なんだろうかと内心で

  首をひねっていて、すぐには分からないことが多いのです。或いは、こういう言い方もできます。検査結果が正常だったのを見て、どこも悪くないと短絡的に判断するのは

  非常に怖くて、とてもできないことだと。それは検査データばかり見て、肝心の患者を診ていない判断だからです。そこで、普段調子が良い時の検査結果がとても重要な

  意味を持ってきます。普段の検査値により、医療機関の基準値ではなく、患者個人の基準値を知ることができ、それを見れば、「自分の基準値」が分かるからです。

  ✢かかりつけ医をもって・・・「自分の基準値とは、何回か行った検査結果から、当人の性別、年齢、そして生活習慣を考慮したものです。医師にはこの情報が大変参考

  になります。その数値がいつもと明らかにズレていれば、一般の基準値内であっても、その人にとっては異常であることが分かります。病気への対処だけではなく、その

  「自分の基準値」を、健康に長生きする「良い数値」の方に傾けて行くこともできます。最近では、医師は病気を治すことだけではなく、健康に元気に生活する為の

  コ―ディネ―タ―的な意味でも大切な存在になってきています。体のことは何でも話し合える、友達のような医者がいるといいですね。一緒に「自分の基準値」を判断し、

  体調が悪い時はもちろん、普段から食事や運動など生活習慣を相談できる医師。そんな「かかりつけ医」を見つけることをお勧めします。



  ✦1つの検査値からきめつけない

  ✢医師の技量が問われる時・・・医師は1つの検査結果数値を見て、1つの病気を見つけることはできません。例えば、具合の悪くなった患者が病院に行くと、、医師に

  病状を細かく質問されます。患者は「早くこのつらさから解放されたい」と願っているが、医師は、時間をかけ、細かなことを1つひとつ丁寧に質問していきます。実は、

  この細かな質問こそが、医師の大切な仕事の1つなのです。やり取りされる中で、どこが痛いのだとか、いつから発症したのか、過去にどんな病気をしたことがあるのか、

  等色々な情報が明らかになっていきます。そうして集められた情報により、いくつもの病気が医師の頭に連想されてきます。そうやって、沢山ある病気の中から、患者を

  悩ませ問題となっている病気をあぶり出し、絞り込んでいくのです。この作業の上手下手で医師の技量が判断されるのです。

  ✢病気の絞り込み・・・次に、医師はその症状にあった検査を患者に受けてもらいます。レントゲンだったり、採血だったり、ケース・バイ・ケースですが検査をしている間、

  患者はそのつらい症状を我慢していなければなりません。検査結果が出ると、医師はそれを見て更に病気を絞り込みます。この段階で、ある1つの検査結果が異常値

  だったとしても、まだ病名の決定はできません。しかし、支障のある臓器はおおよそ分かってきていて患者には更にその部位のCT検査やエコー検査などを受けてもらいます。 

  大体この時点で2つか3つぐらいに病気が絞られ、痛み止めや注射などが処方されます。その後、経過を追って病名を判断していきますが、なかなか病気が見つけられ

  ない場合も少なくなく、確定診断迄にかなりの時間を要する場合もあります。或いは、検査と並行して治療(抗生剤や痛み止めなど)しているうちに、なんとなく治ってしま

  うこともあります。

  ✢医学の常識も変わる・・・医師は沢山の情報を集めながら慎重に段階を踏んで病状を判断していくのであって、決して1つの検査数値から判断しているのではありません。

  更には、人体は神秘なる未知に満ち、医学の世界は日進月歩。現代の最先端の医療技術も、すぐに時代遅れになっていきます。人間の業である医療にはおのずと

  限界があり、今日の常識が明日ひっくり返されることだってあります。1つの検査値を見て、すぐに何かを決められるはずがないのです。



  ✦生命と健康を大切にする

  ✢年齢と個性を考えて・・・残念ながら人間は年をとる生き物です。年をとると体力も食事量も落ちてきます。気持ちは「若い時と一緒」でも、必ずどこかで体力の減退を

  感じる時がやってきます。それが何時かは人それぞれですが、例えば将来の健康をイメージして、日常体を鍛え、食事に気をつけている人は、高齢になっても元気に

  生活し続け易いであろうことは、見えやすい道理です。今の準備が10年後の健康を作ります。10年後の生活習慣が、そのまた10年後の健康を作ります。

  長生きする為には、まず年齢を意識した準備が大切です。人間はまた、個人差があります。まったく同じような生活をしていても、一方は寝込みがちで、一方はピンピン

  している、そんな現実があります。そこには仕事や生活の環境、遺伝的な問題など様々な因子が絡んでいるが、いずれにせよ、自分の個性を意識して、自分がなり易い

  病気や生活上の注意点や検診の検査値を気にかけることは、自分の生命を大切にする上で重要です。その意味で、第3者的な立場である医師に、相談・意見を求める

  ことは良いことです。

  ✢慣れと我慢の怖さ・・・誰しも同じような日常生活を日々繰り返しているわけですが、不健康な生活や、間違った習慣にも慣れてしまいがちです。そうして、いつの間にか、

  ストレスを溜め体調の変化にも気ずかず、深刻な症状に驚いて初めて病院に駆け込む、という事態になります。例えば、血圧が180mmHg以上ありながら、普通に生活

  していた患者が「たまに頭が痛かった」「肩こりがしていた」等の自覚症状があったのだが、そういう負担のある生活に慣れてしまって、あまりつらく感じなくなっていた。

  また、体の中のどこかで少しずつ出血しているのに、全く気ずかず生活をしている。放っておくと貧血状態が予想され、危険です。急激な出血ならば意識を失うところ、

  少しずつの出血だと、貧血になれてしまったりするのです。慣れること、我慢すること、順応することが、必ずしも良いとばかりは限りません。我慢強い人が、痛みの

  自覚症状があるにもかかわらず我慢しているうちに慣れ、病状が進んでしまい、取り返しがつかなくなった、そんなケースも珍しくありません。病気は早期発見が大切です。

  たとえわずかな症状でも、気軽に医師に相談してみる、その姿勢が案外人間の生死を分けたりするのかもしれません。