ボケになりやすい人                                                      
なりにくい人
                  
    

   

  

  

 

 

      

  ✤脳の老化を防ぐ→脳の老化防止の前に、老化の特徴を強調します。

  @老化は、非可逆的である:元に戻りません。したがって予防する方法しかありません。

  A老化には個体差がある:ゆえに節制や努力で老化を遅くすることができる。老化の個体差については25歳で±2年、つまり老けて見える人は27歳、若く見える人は23歳に

  見えるとされています。35歳で±4年、45歳で±6年、55歳で±7年、65歳で±8年、80歳で10年、つまり、80歳台では、その差が20年にも達するとされています。

  高齢になるほど、若々しく見える人と、老けて見える人の差が大きくなるというわけです。気持ちが若々しく、前向きな考えを持ち、素早く行動することは若々しいのです。

  B同一個体でも臓器により老化に個体差がある:老化に個体差がない臓器は眼、歯、卵巣などです。一定の年齢になると歯が少なくなり、老眼、白内障などが出現します。

  また50才前後で、例外なく月経が閉止するように、卵巣にも老化に個体差はありません。一方、脳と血管(動脈)は、老化に個体差が存在する代表的な臓器です。

  このABを根拠として、脳の老化を遅くすること、ボケをある程度防ぐことができるのです。脳の働きを復習すると、脳の働きは外部の刺激を受け、検討して反応するという2つです。

  この2つの脳の働きのうち、刺激をうけることは容易です。しかし、刺激を熟慮、判断して然るべき対応を取ることは、必ずしも容易とはいえません。この2つの働きを行って、

  はじめて脳は十分使われることになります。ただ単に、受動的にTVを見るだけでは、脳は半分しか働いていないことになります。例えばTVのドラマを見て、批評や感想を

  書くことは面倒で億劫なものです。それだけ、自分の感じた事や思った事をまとめて表現(アウトプット)することは、骨が折れます。しかし、このように脳を働かせることが、

  脳の老化を防ぐのに必要な頭の使い方なのです。受動的に頭を使うことは、容易で、誰でも苦もなくできます。ボケの人でも、ぼんやりTVを見ており、脳の一面を使っています。 

  朝起きてからすべての行動は、脳を使い、脳の命令によって生活しています。しかし、このような使い方では、老化を防ぐにはあまり役立たないのです。

  神経全体には「慣れ」の現象があり、ワンパターンの刺激だけでは次第に慣れて、刺激を刺激として感じなくなるのです。従って、脳が刺激を感じるには多様な刺激が必要になります。

  この刺激に対して脳が反応を示さなければ、脳の使い方として不十分となります。人の体は使えば使うほど発達するものです。起床、洗面、食事、排泄、歩行など、全ての

  行動は脳からの命令によって行われています。したがって、頭を使わない人はいないわけで、要はその適切な使い方です。刺激を受ける面だけでなく、刺激に対して反応する

  という面を十分行うことが必要です。このような脳の働きを質、量とも十分に働かせることが、脳の老化、ひいてはその究極といえるアルツハイマー病の予防に行き着くのです。

  いろいろの刺激を受けることは、現代風にいえば、多くをインプットするということで、刺激に対して反応することは、インプットしたものを整理、統合して判断し、アウトプット(表現)

  することです。このインプット(知識など)をたくさん受け、これを整理してアウトプットすることが、脳の老化防止に役立つのです。単なるインプットだけでは役立ちません。

    ✲アウトプットの実際

  各種老人ホームの老年者の中で、短歌や俳句の趣味のある人、また物を書くことの好きな人にはボケが殆ど認められない。俳句や短歌を作るということは、見たこと、聞いたこと、

  感じたこと(すなわち外部からの刺激)を形にまとめるということで、刺激に対して反応を示す、極めて好ましい頭の使い方です。特に、インプットされているもの(覚えている単語)の

  中から、適切な言葉を探す(意味だけでなく字数も考慮する)ということ、つまり、想起という操作が、脳の老化防止に役立つものと思われます。いろいろ物を覚える、勉強する

  ということは、脳の神経細胞と神経細胞との間の交通網を多くし死滅してもバイパスを使って他の神経細胞と連絡し、実害が少ないのです。事実、傑出した人の脳には

  バイパスに当たるものが多い事実があります。しかし、インプットのみでアウトプット(想起・表現)して時々通ってこのバイパスを点検しないと、いざというときに役に立たないのです。

  この時々点検することが大切で,これがアウトプット、つまり想起する、表現することなのです。このような頭の使い方が、脳の老化を防ぐのに役立つのです。

  脳をアウトプットの面でよく使う人、すなわち、著述業(作家)、画家、彫刻家、作曲家、演奏家など、クリエートする(創作・表現する)ことを職業としている人は、一般にボケが少ない。

  指揮者は長命な人が多く、死の直前までタクトを振っている人が殆どで、ボケた人はいないようです。指揮者は、多くの曲を暗譜(膨大なインプット)していてこれを整理して

  各奏者に指揮する(自分の好みに表現する)。このように、インプットを整理してアウトプットすることは、神経伝達物質の分泌と代謝を高め、脳の新陳代謝を盛んにしているのです。

  加えて、汗を流す程タクトを振ることは脳の血流を増加させているのです。つまり、理想的な脳の使い方を常にしているので、脳の老化を遅くし、ボケを防いでいると考えられます。

  他にボケの少ないグループとして多様でかつ柔軟な頭の使い方が必要な政治家、いろいろの情報をインプットして総合判断せねばならない財界人、客に対して実に細やかな

  気配りをする料亭のおかみ、新しい発想を生み出さねばならない企画・宣伝部門、能率や成績をいつも念頭に置く営業マンなども、ボケになることが少ないようです。

  逆に、殆どデスクに座り通しで、毎日の仕事に変化の少ない事務系の人、几帳面で、同じ様な仕事を続けなくてはならない公務員の人々は、脳への多様な刺激を受けにくく

  老化が進みやすいのではと思われます。こういう職種の人こそ、仕事以外に趣味を持ち、或いは、それを通じて新しい交友関係を作るなどして、豊かで積極的な日常生活を

  送るよう心がけ、脳の老化防止に挑戦しましょう。