大往生したけりゃ医療と関わるな

  ●「確実にこうなる」と断言する医者はとんでもないハッタリ屋

  今の日本人は、医療に対して期待を抱き過ぎていて、幻想と言っていいでしょう。この原因は何かと考えれば、やはり、新聞、TVと言ったマスコミの影響が大きい様です。

  「世界で初めての成功」「これで治った」などと報道されると、医学の発達はすごい、これで安心、病気は全て治ると思ってしまいます。しかし、マスコミが取り上げるのは、

  どんな場合か考えてみてほしいのです。普通で、一般的で、何の変哲もないこと等、取り上げるに値しません。特別な事、珍しい事、突出した事だから、記事にするのです。

  よく言われるように、犬が人を噛んでもニュースにならない。人が犬を噛んで、初めて取り上げる価値が出るということです。時には、「これは、今度開催される○○学会

  で発表される予定である」等というのもあります。スクープか、持ちつ持たれつのなれ合いかは知らぬが、学会という専門家集団から批判、評価を受ける前に、記事に

  させているわけです。そして、その後学会でどのような議論がなされたかの報道は、一切ありません。結局やった者勝ちという状況になっています。それやこれやで、

  高度医療とか最先端医療とか再生医療が強調される為、どんな病気でも何とかなるという錯覚に陥る情勢が続いています。しかし、人間も生き物である以上、「老いて

  死ぬ」という大枠は、取り外しようがありません。つまり、年老いたものを若返らせることも、死ぬことを止めることも不可能という「限界」があるのです。これが、医療技術は

  所詮「中間技術」と言われる所以です。そして医療には、もう1つ、やってみないと結果がどう出るか分からないという「不確実性」もあり、だから、医療には「絶対こうなる」

  「100%確実」はあり得ないということです。また、よく耳にする言葉に「エビデンス」(科学的根拠)があります。日本人は「科学的」という言葉に弱いので、科学的等と言わ

  れると、疑問の余地のないものに思ってしまいます。行った場合と行わなかった場合、例えば、検診を受けた人と受けなかった人、薬を服用した人と服用しなかった人と

  いうように、これを集団で比較した場合に統計学的に意味のある差があった、つまり有効だったということです。有効グループの全員に効いたのではなく、効かなかった

  人もいます。唯、集団で比較すると効ありと言えるだけで、特定の個人、貴方にも有効と言っているわけではありません。貴方の場合は、あくまでも試してもらわないと

  分からないのです。もし「貴方は確実にこうなる」と断言するような医者がいたら、とんでもない嘘つきか、食えないハッタリ屋と言っていいと思います。さらに、現在は

  治療法も「松」「竹」「梅」と色々あり、それぞれ1長1短があるのです。本当に発達したというなら、治療法は1つあれば充分のはず。それが、幾通りも存在するというのは、

  裏を返せば、決定打に欠けるということでしょう。

  ●本人に治せないものを、他人である医者に治せるはずがない

  病気や怪我を治す力の中心をなすものは、本人の「自然治癒力」です。だから、少々の怪我や病気は、医者にかからなくても、薬を飲まずに放っておいても治ります。

  本来、医療は、本人の身体の反応する力を利用するものです。従って、最後の場面において、血圧が下がってきたので上げようと、いくら昇圧剤を使っても、血圧が上昇

  しなくなる。これは、本人の身体が薬に反応しなくなった為です。つまり、「病気や怪我」は、医者や薬が、力ずくで治せるものではないということになります。医療者は

  脇役で、お手伝いをするお助けマン、薬はお助け物資、器械はお助けマシーンというわけです。インフルエンザ流行時に、肺炎の併発に備えて、人工呼吸器が必要と

  強調されました。しかし、人工呼吸器が肺炎を治してくれたわけではありません。呼吸機能が悪くなったので、代わりに器械が補ってくれる。その間に本人が肺炎を治して

  呼吸機能を回復させれば、人工呼吸器は不要になって助かります。本人にその力が失せていれば死ぬ、というわけです。人工透析でも同様で、急性のものなら1時的で

  済むかもしれないが、慢性のものなら、ずっと続けなければなりません。それが、あの器械が治すのではないことの証明です。では、なぜ医療が発達したと言われるので

  しょうか。それは、昔なら、ちょっとでも臓器の具合が悪くなると手の打ちようがなかったのが、今は、臓器の機能がかなり低下しても、下支えができるということです。

  その結果、以前なら死んでいたものが、死ぬでもなく助かるでもなく、唯ずるずると生かされている事態が起きることにも繋がっているのです。医療には請負は無いのです。