ポリフェノールは食の日傘?

  ●食料自給率と食生活の乱れ

  主要先進国(米国、豪州、フランス)の食糧供給率は1憶2000万人分に過ぎません。最大の輸入国である日本は、その25%を食品廃棄物として

  捨てているにもかかわらず、「傲慢にも」1カ国だけで実に7500万人分も食料を輸入しています。この様な食料自給率の低下はどこから来たのでしょう。

  最大の理由は農林水産業が「儲からない」からではないでしょうか。国民総生産500兆前後のうち農林水産業は約10兆円(約2%)にすぎません。食農連携での

  (製造業、外食産業を含む)経済的背景は約100兆円です。農林水産業を活性化し、自給率を上げるには、儲かる体制作りが大切でしょう。

  我が国の死亡原因は3大死因(癌、心疾患、脳血管障害)で約60%、生活習慣病(糖尿病、肝硬変)を含めると65%に達しています。最大の国民病を

  予防するには「食べ方に注意する事」に尽きます。我が国の食の乱れはどこから来るのでしょう。オゾン層の破壊からくる紫外線が問題で、これが油脂と酸素が

  結合して過酸化脂質となります。それと活性酸素が発生します。これらが細胞を傷つけて、老化、アレルギー、癌などをもたらし死にいたると考えらています。

  ところで、人間は過酸化物を消去する酵素(SOD、スーパーオキサイドデスムターゼ)の量と生命の長さには密接な関係があります。これによると人間は

  約120年生きる能力が備わっています。80才や90才くらいで亡くなったのでは天寿を全うしたことにならないのかもしれません。健康年齢を伸ばすには適度の運動と

  この錆の原因となる活性酸素や過酸化物への対策が決め手となります。紫外線が過酸化物を増加させるのはなぜか?紫外線は波長が短く、エネルギーが

  非常に大きくこれが過酸化脂質をを作り体にダメージを与えるのです。動物は紫外線の害を本能的に知っており、色々予防策をとるが、植物も紫外線が嫌いだが、

  移動できないので、体内で作った日傘をさします。これが紫外線を吸収する作用をもったポリフェノールです。植物の色素の代表格であるアントシアニンは

  このポリフェノールの代表でもあり、ナスやブドウの日傘として植物の体を守っています。ところが、これらポリフェノールは、人間を含むすべての動物は一切

  体内で作ることができません。人間は紫外線に対して本来無防備なのです。植物の持つ防御物質ポリフェノールを農産物から補充することこそが健康を保つ

  第一歩と言えましょう。因みに、野菜や果物の「旬」はポリフェノールを最も多く作る季節とも言えます。また。露地物とハウス物では、太陽の紫外線をまともに

  受ける露地物の方が防御物質ポリフェノールを盛んに作り、健康に良いかもしれない。しかし、味がきつく、えぐみのある場合も多いので、使い分けが必要です。

  ●ポリフェノールで生活習慣病は予防できるか?

  抗酸化物質として注目されるポリフェノール。人での有効性、特に生活習慣病との関連についてどこまで研究が進んでいるのか?ポリフェノールはその構造式により

  細かく分類されるが、ここでは、フラボノイド、フラボン、カテキンの3種類について、それぞれと生活習慣病との関連を整理する。フラボノイド摂取量と循環器疾患

  (心筋梗塞と脳卒中)との関連でフラボノイドの積極的な摂取が冠動脈性疾患(心筋梗塞)への予防効果を有する可能性は高い、一方、脳卒中については結論を

  下すには困難と報告されている。ポリフェノールの中のどの物質が予防効果があるのかはまだ分からない。フラボノイド摂取量と癌の発症との関連については、

  36の研究報告のうち癌発症との間に優位な関連を示した報告はなかった。肺癌だけは有意ではないがリスクの低下は認められた。肺癌以外は予防効果は

  認められなかった。肺癌については喫煙者群のみカテキン、ケルセチン、ケンフェロールで予防効果が認められた。乳癌についてはイソフラボンが予防効果を

  有する可能性が大と思われる。ポリフェノールの摂取量は、例えばフィンランド人は863mg/日、アメリカ人190mg、オーストラリア人は454mgでこれに比べ

  日本人の摂取量は17mg/日と著しく低い。ポリフェノール含有量に関する食品成分表の開発が日本で遅れているので、実際より過小に評価されているようだ。

  この様な状態で、摂取量を増やした時の効果を見積もれず、実際の予防対策に用いるには困難である。