人生の幸せは肝臓で決まる

◎健康長寿の暗号、「免疫力を生みだす“ミラクル細胞”

4段階波状攻撃、その強大な”樹状細胞”のパワー 体内の最大の免疫系の役割を「腸管免疫」は持っている

●4段階波状攻撃、その強大な”樹状細胞”のパワー

人間の健康長寿、元気で長生きの鍵は肝臓にあると述べたがその根幹には免疫力がある。この免疫力を司る細胞が「樹状細胞」にあるのでは?この細胞の研究は日が浅く1999年

体内の免疫システムの司令塔のようなものであると判明された。その最大の役割は大量の自己インターフェロンの放出です。インターフェロンの役目は免疫システム同士の情報交換です。

遺伝子操作で人工的に培養された医療用のインターフェロンとは別物で体にフィットし副作用もない緻密な細胞です。これはウイルスや細菌など病原体の侵入を認知するセンサー能力や

リンパ球への出動命令能力(抗原提示能力)を備えている。この能力は白血球のマクロファージにもあるがシグナルが弱く、これに対し、樹状細胞は100倍の抗原提示能力を持つ。

樹状細胞は異物に反応することで、インターフェロンを大量に放出し、ウイルスの侵入を防ごうとします。各細胞は異物への抵抗力を持つが強力な細菌には力及びません。日頃不摂生な生活を

している人は、この自己インターフェロンの分泌能力が弱っているので要注意です。そんな時の味方が樹状細胞で、大量のインターフェロンを産生して、免疫システムをフル活動させるのです。

✲免疫力とは生態には自分と自分以外のものを識別して、自分以外のものを排除する自己認識の仕組みを言います。免疫力の主役は白血球です。免疫システムの仕組みについて

先ず、侵入した病原体がC型肝炎ウイルスの場合、それをセンサーで認知した樹状細胞とC型肝炎ウイルスに感染した肝細胞から、NK細胞、NKT細胞を活性化させる信号を発すると同時に

肝臓細胞内でウイルスが増殖できないようにする信号を発するのです。この信号がインターフェロンです。活性化したNK細胞、NKT細胞はウイルスに感染した細胞ごと攻撃、破壊しウイルスを

退冶します。特にNKT細胞は肝臓に多く存在しており、樹状細胞から直接命令されて動き、ウイルス排除や癌細胞を激しく攻撃する重要な細胞です。この攻撃で排除できない時はT細胞群団

に指令を出します。ここの指揮官がヘルパーT細胞といい、樹状細胞から指令を受け現場に駆けつけ、C型肝炎ウイルスを見つけて仲間のキラーT細胞を招集し、彼らもまたウイルスに感染した

肝臓の細胞を攻撃します。ヘルパーT細胞はB細胞にも出動を要請します。これらを総動員してウイルスが完全に退治される見通しが立つと、サプレッサーT細胞が登場し攻撃中止命令を出す。

そして最後にメモリーT細胞が控えています。これは侵入してきたウイルスの種類や、作り出した免疫グロブリンの遺伝子配列を記憶して、次の戦いに備える役目です。このように樹状細胞から

メモリーT細胞まで、情報伝達のサイトカイン・ネットワークを含めた、まさに絶妙のチームプレイこそが、人体が持つ精密な生体防御反応メカニズムです。自己治癒能力の最高傑作です。

体内の最大の免疫系の役割を「腸管免疫」は持っている

小腸は臓器の中で、免疫細胞の主役リンパ球の70%がこの腸管内に集中しているので最大の免疫器官といわれています。腸管免疫は全身の免疫機能の司令塔で、これを活性化させる

のは免疫機能の総司令部である樹状細胞の活性化です。その腸管で樹状細胞がどのように成長していくのか?

私達の人間の腸内には約100種、およそ100兆個以上の細菌が棲みついています。善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌、酵母)と悪玉菌(大腸菌、ウエルシュ菌、ブドウ球菌、腸菌)および日和見菌。

そのバランスは善玉6:悪玉4なら理想です。人間の健康はまず腸で作られるのです。樹状細胞は細菌を餌に成長し、体内の各器官・組織に移動し免疫細胞たちに指令を出すのです。

生活が荒れるとこのバランスが崩れ悪玉菌が50%を超えると大腸炎やポリープができたりして体調不慮の原因になる。悪玉菌は食品のカスを腐らせ便にしたり、新しい体内に入ってくる細菌

を退治する働きがある。腸管には独特の免疫システムが備わっていて栄養分と病原菌をしっかり識別する小腸だけに必要な仕事です。乳酸菌は、腸内善玉菌の代表です。乳酸菌の種類に

よって樹状細胞の育成に大きな力を持ちます。乳酸菌には他にコレステロールを吸収しにくい形に変え、血中コレステロールを下げる働き、活性酸素の消去酵素(エンザイム)を作ったり、

膵臓の働きを促進するホルモンを作ったりする働き、ビタミンB2、B6、B12、葉酸、ビオチンの生産に関わる・・・。いろいろある働きのうち特筆すべきは乳酸菌の発酵作用です。

糖質を材料に発酵を起こし、乳酸や酢酸を作ります。これが大腸菌の悪さを抑え、過剰な腐敗による有害物質の発生を食い止めます。また腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし便通を良くする。

味噌や漬物は植物性乳酸菌の発酵食品で日本人の健康を支えてきた。乳など動物性乳酸菌を発酵させたヨーグルトやチーズは西洋生まれ。植物性乳酸菌と日本人のつきあいは2000年

以上に及ぶ長いもので食物繊維の多いものを食べてきた日本人の腸は、欧米人に比べ50~60cm長く、植物性乳酸菌は日本人の体質に合っているのです。

乳酸菌の最大の働きは消去酵素を作り、活性酸素の害を防ぐことです。私達の体の機能をスムーズに動かすためには、さまざまの酵素が関係しています。

活性酸素とは、呼吸により吸い込んだ酸素が体内で反応し、その酸化力を2倍、3倍に強力にしたものです。酸化というのは基本的には物を古くする、錆つかせるという意味です。

酸素は生命維持になくてはならないが、反面一部は活性酸素になって人体を古く錆つかせる、つまり老化させます。ですから老化を防ぐには活性酸素の害をいかに防ぐかが大問題なのです。

しかし、その強力な酸化力はウイルスや病原菌退治に向けられている。しかし活性酸素が過剰に発生すると正常な細胞まで攻撃して破壊してしまう。遺伝子まで傷つけ癌化します。

それともう1つが体内で他の元素と結びついて有毒物質に変化することです。水素と結びつけば水、炭素と結びつけば一酸化炭素となる。脂質と結びつけば最悪の化け物に変異してしまう。

これらが人体組織に襲いかかると脳卒中や心筋梗塞、肝臓がん、神経細胞を傷めれば自律神経のバランスを崩し、生命維持装置の1つである自己治癒能力を狂わせます。

活性酸素が“万病のもと”と言われるのはそのためです。その対策として「消去酵素」というものが用意されている。すなわち抗酸化エンザイムです。ところがこれらの酵素群は老化によって

その発生量が極端に減ってきます。その境界は男の厄年42歳です。若いうちは消去酵素の存在でしっかりコントロールされていた活性酸素が、年齢とともにその力を増し、暴走を始めます。

中年過ぎに急に病気が増えるのは、そこに理由があります。加えて、ストレス、睡眠不足、食生活の乱れなどが、これに輪をかけます。

これに対抗するには、体内に乳酸菌をたくさん送りこんで抗酸化エンザイムを量産してもらうしかありません。乳酸菌は悪玉活性酸素の掃除人と言えます。

✱乳酸菌と乳酸は違う。

乳酸菌は生き物ですが、乳酸は糖質が分解されてブドウ糖になる過程で発生する、末端物質です。乳酸は運動後の疲労物質としてのイメージがかぶせられました。最近の研究でそんな

悪玉でなくむしろ有力なエネルギー源として体内でリサイクルされていることが判りました。激しい運動をすれば筋肉は疲労するが、これは乳酸が溜り過ぎた時だけの現象なのです。休息すれば

運動が続けられることが、そのことを証明しています。乳酸は運動エネルギーを生み出す際に結果的に発生するが、溜ることによって疲れを感じます。乳酸そのもが体に悪いわけではない。

筋肉中にできた乳酸はその後、血液に乗って腎臓から1部体外へ排出されるが、大半は肝臓に運び込まれ、肝臓でピルビン酸→ブドウ糖→糖質へと変化し蓄えられる。筋肉で起きた逆の

コース、これをコ・リサイクルと呼んでいます。それと疲労などしていないのに血中の乳酸濃度が上がるということもある。その原因は興奮です。乳酸濃度は単に疲労原因を示すものではなく、

乳酸値が高ければ筋肉運動がしっかり行われているという結果を示すものです。乳酸は体に必要のない燃えカスではないのです。大切なエネルギー源です。