60才からやっていいこと、いけないこと

  ○老後に信用できる人、できない人 ある程度年齢になったら、世間が許してくれないことの一つに「信用」がある。年をとって「あの人は信用できない」となったら

  致命的です。現役時代は、まだ会社名、役職名などがあったから、世間はそんな肩書きで貴方を信用くれたかもしれませんが、フリーになった今は、裸の貴方そ

  のものしかない。人間的に信用できるか否かは、その後の人生を左右する問題でもある。人から「あの人は信用できない」と聞かされることがある。その人間が

  まだ20代、30代であれば、それほど気にはならない。だが、同じことを言われた人間が50代、60代だったら、そんな人には警戒したほうがいい。それだけ年を重ね

  て、なお人からそんな言われた方をする人間には、事実がどうであれ不信感を持たざるを得ない。第2の人生を考える時、自分が周囲からどれだけ信用されてい

  るか、それをまず自己点検する必要がある。そして「イマイチだな」と思うなら、何にもまして信用されるように、言動やライフスタイルを改めることだ。何故かという

  と、高齢者というのは、長く生きた分だけ、良くも悪くも心身に染み付いたものがあり、それは容易なことでは落とせないからだ。それは、略歴のようなもの。勿論

  それが間違っていることもあるが、打ち消すのは容易ではない。特に当人の言い分は弁解、言い訳ととしか受け取られない。では、どうすれば人から信用を勝ち

  取れるか、逆に考えてみればいい。貴方はどんな時に「この人は信用できないな」と思うだろうか。嘘をつかれた時なのか。だが、嘘は誰でもつく。だから、嘘をつ

  かれたからと、その人を信用しなくなったら、身の回りに信用できる人が一人もいなくなる。嘘は信用をなくす要因ではない。今ここに、貴方に一度も嘘をついたこ

  とのない人がいたとする。貴方は、そのことを私に言う。その時私はどう思うか。「一度も嘘がばれていないのだな」と思うだけである。ばれない嘘は、嘘であっても

  嘘ではない。さて、どうやって信用を勝ち取るかだが、ある意味、これは簡単なこと。自分が言ったことやったことを一致させるのだ。ひたすら言行一致を心がける

  それだけでいい。信用の構築には「する側」にも問題がある。信用に値しない人を軽々しく信用してしまう人もいれば、信用できるのに疑り深い人もいる。人様々で

  ある。どちらにしても、信用されないのは困る。だが、言行一致であれば、軽率に人を信用する人間も、その軽率さを免れ、疑る深い人間もプロセスでは疑念を持

  つかもしれないが、結果においては疑いようがなくなる。50代からでもいい。この態度を貫けば、貴方は絶大な信用を勝ち取れるだろう。そのまま第2の人生に移

  行すればいい。とにかく、定年後の準備の一つに「信用」を加えるべきだ。そして、次の言葉を肝に銘じておこう。「世間の信用をなくしたが最後、人間どうじたばた

  してみたところで、もう誰も相手にしてくれませんからね」

  ○高齢社会をタフで生き抜く 最近、使われる様になった言葉に「レジリエンス」というのがある。耳慣れない言葉だが、要するに元に戻る力、「回復力」「復元力」と

  入った意味だ。東日本大震災のあと、京都大学の藤井教授が「列島強靭化10年計画」を提案、その時レジリエンスという言葉を用いて、一躍知られるようになった

  藤井教授は「しなやかな強靭さ」という意味に使っているが、地震に強い耐震構造の建築物等がレジリエンス力に富んだものである。この力、今の日本人にとって

  も必要なものではないか。インフラばかりでなく、個人もレジリエンス力を身につけておく必要があると思う。個人のレジリエンス力は、「タフネス」と受け取ればいい

  だろう。定年後も脳はあまり衰えないが、体力はどうしてもレベルダウンする。だが、人の体には免役に代表されるレジリエンス力が備わっている。この力を損なわ

  ないようにすればいいのだ。タフに生きたい。年をとれば体力、気力も衰える。その衰えを防ぎ、よりタフさを身につけるには、何事にも好奇心を持って飛び込んで

  見るくらいの気持ちを持ち続けてほし。レジリエンス力は総合力なので、「これをやっておけば安心」というわけにはいかない。そこで以下のような点に留意する。

  これは一見すると、人のレジリエンスには結びつかないようだが、全体としてその強化には役に立つ。逆に言えば、免役等に気をつけなくとも、これらを日常的に

  意識すれば、自然に身につくはずだ。以下はそのための条件である。 @良好な人間関係を築いておく Aどんな危機も解決できると思う B何事も変化すると心

  得る C確固たる目標を持つ D常に前向きに行動する E自己発見のチャンスを探す F常に自分の成長を期する G長期的な視野に立つ H決して希望を

  失わない I体のケアを怠らない これらを日常的に意識した生き方をすれば、強力なレジリエンス力を備えた人間が出来上がる。それを既成の言葉に置き換え

  れば「タフな人間」となるだろう。世間ではあまり言わないが、高齢社会を生き抜くには「タフさ」が必要だ。いくら年金がもらえて、多額な貯金があったとしても、タフ

  さを備えていない人間は、何十年も続ぅ第2の人生に耐え切れなくなる。