お腹の不調を治す新常識

  [腹7分目」が腸の老化を予防する! ■機能が低下した小腸に見合う食事量を 年を重ねると、どうしても小腸の消化吸収能力が低下します。これは自然な

  ことで避けようがないですから、うまく適応するしかありません。そこでまず、一番気をつけたいのがカロリー制限です。というと、カロリー計算しなくてはいけない

  のか・・・とちょっと面倒に感じるかもしれませんが、わざわざ計算しなくても構いません。要するに、「腹7分目」で食事を終えるようにすればいいのです。若い時の

  用にお腹がパンパンになるまで食べるのはやめて、「もう少し食べられそうかな」というところで箸を置くのです。この「腹7分目」を続けるだけで、腸の老化が確実

  に予防できます。食事の量が減れば小腸の負担も減りますから、機能が低下した小腸でも対応できるというわけです。■50才過ぎたら小腸をいたわろう。 小腸は

  毎日必死です。私達が食べた物から栄養素を吸収して、下流の大腸にまで流さないように、日々頑張っています。ただでさえ忙しいのに、大量に食べて小腸に仕

  事を過剰に与え続けていると、小腸は下請けである大腸に仕事をどんどん回すようになります。この状態が続くと、大腸は次第に仕事を回しきれなくなり、大腸に

  住む腸内細菌は悪玉化してしまうのです。そして最終的にには、何らかの病気を引き起こします。ですから、年をとったら、小腸をいたわろうという意識が大切です

  自分の小腸の機能を超えるような食事は控えるようにしましょう。そうすることで、大腸の腸内細菌を若く健康に保つことができるのです。

  同じものばかりたべていると、免疫力が下がる ■腸も多様性が大切 もう一つ、腸を健康に保つために大切なことがあります。それは、「同じ物ばかり繰り返

  し食べない」ということ。できるだけ多種多様なものを食べることが、腸のアンチエイジングにつながるのです。何故か?腸内細菌は、私達が食べ物から摂取した

  食物繊維を餌として増え、腸の中で生活しています。にも述べたように、私達の体内にいる腸内細菌の数は人間の細胞の数よりも多く、私達は腸内細菌と「共

  生」しているといえるのです。そして、この腸内細菌の種類(バリエーション)が沢山あるほど、腸が健康に成ります。バリエーションが多いほど腸の粘膜のバリア機

  能がしっかり働いて、免疫力が強くなるからです。■同じ物ばかり食べているとどうなるか? では、同じ物ばかり食べる習慣を持っている人の腸は、どうなってしま

  うのでしょうか。何時も同じ物ばかり食べていると、腸内細菌の種類(バリエーション)が減り、似た様な数種類の腸内細菌しか育たなくなります。こうした腸内細菌

  のバランスが崩れた状態を、専門的には「ディス・バイオーシス」と呼びますが、この状態になると、腸の粘膜のバリア機能が落ちて免疫力が低下してしまうのです

  ■悪い細菌に感染しやすくなる 腸の細菌と細胞の間には、「タイトジャンクション」と呼ばれる結合があって、細胞と細胞が手をつないでいます。手をつなぐことで

  悪い物が腸の粘膜の内側に進入できないように、いわば「とおせんぼ」をしているのです。そのため、腸の粘膜は常に沢山の細菌と接していますが、細胞どうしが

  しっかり手をつなぎ粘膜のバリア機能が正常であれば、腸の粘膜に細菌が侵入して悪さをすることはありません。しかし、腸内細菌の種類が減って「ディス・バイオ

  ーシス」になると、この手と手の結びつきが弱くなり、悪い細菌やその毒素の侵入を許してしまうのです。腸の免疫力を高め、健康に保つためには、多種多様な様

  々な物を食べて、腸内細菌の種類を豊富にしておくことが、とても大切なのです。お腹の調子が悪い人は、先の低下FODMAP食品の一覧表を見ながら、なるべく

  沢山の種類の低FODMAP食を食べるようにしましょう。そうすることで腸内細菌の多様性を保つことができます。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌をサプリメント

  で摂る時にも、1種類ではなく、複数の種類の善玉菌を摂った方が効果的です。そうすることで腸内細菌の多様性を保つこともでき、善玉菌による過敏性腸症候

  群の改善効果も期待されます。加えて、お腹がもともと弱い人は乳糖の多いヨーグルトや牛乳で善玉菌をとることは避けて、安全な錠剤で摂るようにしましょう。

  実はお医者さんが処方する薬の中にも乳糖が沢山含まれているものがあります。沢山薬を飲んでいる人は注意が必要です。

  腸の不調がアレルギーを引き起こすワケ ■病院でのアレルギー検査では分からない 最近、花粉症や喘息等のアレルギーで悩む人が増えています。特に、

  病院で検査をしても異常なしと結果が出るのに、蕁麻疹や痒みなどの症状が改善しない人が多くいます。こうした原因不明のアレルギーの原因が、実は腸の状態

  と深く関わっているのです。通常、病院で行われるアレルギー検査では、「IgE抗体」という抗体を調べています。スギ花粉やエビ等のアレルゲンに対して、その人

  がIgE抗体という異常な抗体を持っていると、「アレルギーがありますね」と診断されるわけです。このIgE抗体があると、エビを食べるとすぐに発疹ができたり、くしゃ

  みが出たり、息苦しくなったりする「即時型アレルギー」が起こります。しかし、最近の明らかになったのが「IgG抗体」という、別のアレルギー抗体です。このIgG抗体

  によるアレルギーは、「遅延型アレルギー」と呼ばれます。症状が現れるまでに数時間から数日間と時間がかかり、また反応が弱いため、なかなかアレルギーであ

  ると気ずかれにくいのが特徴です。この遅延型アレルギーを引き起こす原因となるのが、実は前項で述べた「食べ方」と関係しています。同じ物ばかりを繰り返し

  食べていると、腸に負担がかかり、IgG抗体が作られてしまうのです。■同じ物ばかり食べているとアレルギーになりやすい この遅延型アレルギーは、日本の病院

  で一般的に行われているアレルギー検査では、発見することができません。ですから私は、原因がわからないアレルギーの患者さんの血液を米国シアトルに送っ

  て「遅延型アレルギー」を検査していますが、本当に「まさか」という原因でアレルギーになっていたという事実を突きつけられることもしばしばです。例えば、東京の

  ある有名なパン屋さんの息子さんが原因不明のアレルギーで悩んでいたため、遅延型アレルギー検査をしました。すると、ご両親の経営しているパン屋さんのパ

  ンが原因だったと分かったのです。食生活がパンに偏っていたため、体内にIgG抗体ができてしまったわけです。このお子さんような患者さんには半年間、原因に

  なっている食品を食べないようにもらいます。その後、徐々に少量から再開すると、多くの場合、良い結果が得られます。くれぐれも、「同じ物ばかり食べる」食習慣

  は止めましょう。腸内細菌のバランスが崩れると免疫力が下がります。健康を害しやすくなるばかりか、不要なIgG抗体が生まれて、アレルギーという「免役力の

  無駄遺い」まで招いてしまうのです。