お腹の不調を治す新常識

 FODMAPを食べるとお腹が痛くなるワケ? では、お腹に悪さをしてしまうFODMAPの特徴について、ここで簡単に説明しておきましょう。

  ・「オリゴ糖」(O):ガラクトオリゴ糖とフルクタンの2種があり、ガラクトオリゴ糖はレンズ豆やひよこ豆などの豆類に含まれ、フルクタンは小麦やタマネギなどに含まれています。

  ・「二糖類」(D):乳糖(ラクトース)が代表的で、牛乳やヨーグルトなどの高乳糖食に含まれています。 ・「単糖類」(M):フルクトース(果糖)に代表される糖類で、果物、蜂蜜などに

  含まれています。 ・「ポリオール類」(P):ソルビトールやキシリトールなどに代表される糖類で、マッシュルームやカリフラワーなどに含まれています。

  このFODMAPに総称される4つの糖質の特徴は、発酵性(F)で、小腸での吸収がとても困難だということ。中には、全く吸収できない人もいます。■FODMAPを吸収する力には、

  個人差があるのです。 発酵性オリゴ糖(O)に関して言えば、実は私達の誰もが消化できません。つまり、人間は、そもそもオリゴ糖を分解する酵素を持っていないのです。

  同じように、日本人の7割以上は、成人になると乳糖(ラクトース)を分解する酵素ラクターゼを失い、乳糖不耐性の状態ーつまり牛乳やトーグルトに含まれる乳糖を消化できない

  体になります。果糖(フルクトース)も吸収が非常に難しく、ゆっくりです。果糖不耐症といって、やはりもともと消化酵素を持っていない人もかなりいます。ポリオール(P)は、小腸の

  内膜を通過しにくい形をしていて、特にガムの中に含まれるキシリトールなどのポリオールは分子量がとても大きいので、完全に消化できる人はほぼいないでしょう。

  ■オリゴ糖やヨーグルトで便が出るは勘違い とは言え、オリゴ糖などはいわゆる「特定保健用食品(トクホ)」にもなっていて、実際、摂取することで便秘が改善したという方もいらっ

  しゃるでしょう。ずっと出なかった便が沢山出たから効果があったはず、と信じている方もいるかもしれません。しかし、それは、「効果」ではなく「副作用」とも呼べる現象です。

  どういうことかと言うと、もともと私達人間は、発酵性オリゴ糖を分解する酵素を持ち合わせていません。ですからオリゴ糖を食べても小腸では吸収できず、小腸内でその濃度が

  急激に高まります。人間の体は濃いものを薄めようとする性質を持っていますから、腸内のオリゴ糖の濃度を薄めようとして水分を血管内から小腸に大量に送り込み、その結果、

  水浸しになった腸は下痢を起こします。つまり、発酵性オリゴ糖やヨーグルトで便秘が解消したというのは、実はお腹の調子が治ったのではなく、「下痢」というもう一つ別の副作用

  が起こったとうことなのです。もともとお腹の調子が悪くない人はそれでいいでしょう。確かに便が出てうれしいかもしれませんが、もともとお腹の調子の悪い人では、実は腸の

  中は大荒れになり、根本的な解決にはならず、むしろ逆効果となるのです。ヨーグルトや牛乳の中の乳糖も同じです。ヨーグルトを食べたり、牛乳を飲んで便が出た、というのは

  やHがり効果ではなく、副作用と呼べるものです。お腹の調子がもともと良い人にとっては、さほど大きな問題にならないかもしれませんが、過敏性腸症候群のようなお腹の弱い

  人にとっては、さらに症状を悪化させてしまいます。

  「低FODMAP食」は、理想的な糖質制限! ■糖質の食べ方をラクにコントロール 日頃からお腹に不調がある人は、糖質の摂り方をコントロールするだけで、弱ったお腹の

  調子がぐんと良くなります。その糖質制限を理想的なかたちで叶えてくれるのが、「低FODMAP食」です。FODMAPとは、発酵性(F)の糖質である「オリゴ糖類(O)」「二糖類」(D)

  「単糖類」(M)「ポリオール類(P)の4種類の糖質の頭文字を並べたものでしたね。つまり、腸に悪影響を与えて、お腹の調子を崩す原因となっている4つの糖質を控える食事です。

  ■高FODMAP食品を避けるだけでも効果あり 実際、過敏性腸症候群など、普段からお腹の不調に苦しんでいる人達がこの食事法を取り入れると、見違えるほど元気になります。

  オーストラリアや米国などで推奨されている低FODMAP食事法は、まず3週間、FODMAPの高い食品を全て避けます。その後、食事日誌をつけながら徐々にFODMAPの高い食品

  の摂取を一つずつ再開していき、その過程でお腹の調子を悪くしている原因食品を特定していくというものです。(詳しくは後に)厳密に実践するのは難しいかもしれませんが、

  意識して高FODMAPの食品を減らすだけでも、症状が改善することが分かっています。又、必要な栄養素は全て別のもので摂ることができるので安心してください。

  ★コラム: 「ライザップ」に通うとお腹も治る? ・炭水化物制限が効く 短期間に減量を成功した芸能人を起用したテレビCMで一世を風靡した「ライザップ」というジム、良く知られ

  ている。私のクリニックにもライザップに通う患者さんがいます。過敏性腸症候群の患者さんの殆どですが、「ライザップに通っていたら、何故かお腹の症状も治った]という方が多

  いのです。これは、ライザップで指導されている「炭水化物制限ダイエット」という食事制限と関係があります。炭水化物を制限すると、過敏性腸症候群などのお腹の不調の原因と

  なっている4つの糖質(FODMAP)も自ずと除去された食事になるために、お腹の調子の悪さが改善したということです。実際、炭水化物を1日20gに制限すると、下痢で困っている

  下痢型の過敏性腸症候群の患者さんの症状が改善し、腹痛も治まっていくという論文もあります。・食物繊維は逆効果 ですから、お腹のつらい症状で悩んでいる人に、[食物繊

  維が豊富な炭水化物を摂りましょう」というアドバイスはNG。却って患者さんを苦しめる結果になってしまうのです。普段お腹の不調が全くない人と、常日頃お腹のつらい症状で悩

  んでいる人では、食物繊維を含む炭水化物に対する考え方は真逆だということです。ライザップが照明するように、お腹に不調がある人は、普段から炭水化物を控えると、お腹に

  も体型にも効果が出るでしょう。