お腹の不調を治す新常識

  異常はないのにお腹が不調ー急増する過敏症腸症候群■エリートに多い病気「過敏症腸症候群」世界中で、そして日本でも少なくても10人に1人が苦しんでいる病気があります

  「過敏症腸症候群(IBS)という腸の病気で、社会的に地位が高かったり、高収入だったり、高学歴の都会暮らしの人達に多いと言われている疾患です。この病気は実は地球規模

  の健康問題となっていて、アジア全体では全人口の9.6%を占め、日本人でも14%の人々が悩んでいると言われます。症状は、お腹のゴロゴロ、張り、痛み、下痢、または便秘・・・等

  お馴染みのもの。大腸内視鏡などの検査を行ってみると、目に見える異常がありません。それでも、下痢、腹痛、お腹の張りなどの症状に悩まされるーこれが過敏性症候群です。

  消化器科を受診する31%がこの過敏性腸症候群の患者さんとも言われるほど、近年ではこの症状に悩む人が急増しています。もし、貴方もお腹の調子が長い間よくならないのな

  ら、この病気を疑ってみる必要があるかもしれません。左ページの3つの条件に当てはまるようでしたら、貴方も過敏性腸症候群の可能性があるでしょう。この過敏性症候群は、

 主にストレスや幼少期のトラウマなどに原因があると考えられてきました。何故なら、感受性が強くストレスを受けやすい10~30代

 などの若い人に多く、入学・入社・異動の時期に、特に発症しやすいのが特徴とされていたからです。又、特に都市部に住む人に
 
 多く、世界的な都市化の波によるストレスやPM2.5などの環境汚染物質が、腸の炎症を悪化させるためだとも考えられています。

 お腹の不調はストレスだけが原因ではない しかし、ストレスだけが原因だと言う説には、疑いが出てきました。「お腹がなんとなく

 痛いのは、たぶんストレスですね」などと、お医者さんから言われたことはありませんか?検査を沢山してみても、異常はない。

 だから原因はストレスや心的なもので、気にしなければなんてことないですよ・・・と。もちろん、ストレスがお腹の不調に繋がること

 もありますが、いつも精神的なことが原因だと言うのでは、納得がいきませんよね。これから、その本当の原因を述べていきます

 ある種の食べ物たちが、貴方の腸に悪さをしているのです。

 「腸内細菌健康法」の知られざる落とし穴 ■腸内細菌そのものは悪くない 「腸内細菌を増やして腸を元気にしよう!」という

 謳い文句は、街中でも良く見かけます。ざっくり言えば、腸内細菌の種類を増やせば腸の活動が活発になって免疫力が上がり

 腸が健康になるから、食物繊維やヨーグルト、発酵食品等をできるだけ沢山の種類食べようと言うのが、その主旨です。腸内
 
 細菌そのmののは、健康な腸の中では、種類が多様であればあるほど確かに良い働きをします。最近でも腸内細菌の新たな

 働きが発見され、腸内細菌は大腸をただ綺麗にするだけではなく、腸の粘膜の健康維持に欠かさずことの出来ない代謝産物

 (短鎖脂肪酸)を作っていることも分かってきました。その代表的な代謝産物が「乳酸」「酪酸」「酢酸」「プロピオン酸」の4つです。

  ・乳酸・・・腸の粘膜細胞のエネルギー源となって、腸の細胞が増えるのを助ける  ・酪酸・・・腸の粘膜細胞のエネルギー源となるだけではなく、遺伝子発現にも影響し、炎症反応

  の調整に重要な働きをしたり、免疫細胞が成長するのを助け、免疫力を強くする  ・酢酸・・・代表的な短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸等)の1つで、腸の細胞を増やしたり、腸の細胞の

  バリア機能を高めることで、感染症を予防する  ・プロピオン酸・・・食欲のコントロールを司り、体重の増加を抑え、内臓脂肪量を低下させ、脂肪肝を改善させる他、インスリンの

  感受性を維持し、悪玉のコレステロールを低下させる効果がある。と少々専門的ですが、つまりは、腸内細菌はただ腸の中で生きているのではなく、こうした様々な代謝産物を作

  り、それらが血液中に循環することで、私達の体全体に大きな影響を与えています。ですから、腸内細菌を増やす健康法が、全て間違っていると言うわけではありません。

  ■誰にでも効果があるわけではない「腸内細菌健康法」 重要なのは、食事法の作用は、その人がもともと持っている腸内細菌の種類によって、効果が大幅に違ってくるということ

  腸にもともと不調のない人にとっては、一般的な腸内細菌健康法は効果的です。しかし、肝心の、過敏性腸症候群を含む腸の不調の症状で悩んでいる人達の腸内細菌を調べて

  みると、意外なことが判明して期ました。下痢や腹痛等の症状が強く、腸の不調が重症な人ほど、先に話した腸内細菌が作る代謝産物が過剰になっていることが分かったのです

  つまり、お腹の調子が悪い人は、もともと前述の代謝産物を過剰に作る腸内細菌が多いk所とが分かっています。本来、腸内細菌が腸内で生み出す乳酸や酢酸などの代謝産物

  は、適量であれば腸の健康に良い影響を及ぼします。しかし、過剰になれば、大腸内が酸性になって、下痢や腹痛などの症状を悪化させてしまうのです。過剰性腸症候群の人の

  腸内で乳酸を作る「ラクトパチラス」という細菌と酢酸とプロピオン酸を作る「バイヨネラ」という細菌が多いことが判明しています。そんなわけで、一般的に「腸に良い」という食品を

  食べるほど、逆に調子が悪くなってしまうと言う悪循環に陥ります。

  ■「トクホ」で却って腸の調子が悪くなる お腹の調子がいつも良くない人は、食事にもかなり気を使っていることが多いのですが、残念ながら、「一般的に腸に良い食事」をしても、

  病状は悪くなるばかりです。例えば、トクホ(特定保健食品)にも認定されているオリゴ糖。このオリゴ糖は、腸に腹痛や下痢や便秘等の症状がない人には、腸内細菌を増やして

  効果的に働きます。しかし過敏性腸症候群に代表されるようなお腹の不調がある人にとっては、却って症状を悪化させてしまうのです。ヨーグルトなどの乳製品や小麦をはじめと

  する食物繊維が多い食品も、腸に不調がある人には、実はNG。「体に良い」とされているものが、全ての人に良いわけではありません。又、良いものでも過剰になれば、悪さをす

  ると言うことです。
 
  ■お腹の調子が悪い人は、大腸の酸度が高い では何故、過敏性腸症候群の人で代謝産物が過剰になってしまうのでしょうか?最近、これまで内視鏡では観察できなかった小腸

  の内部が、「カプセル内視鏡」というもので見られるようになりました。このカプセル内視鏡を使って、過敏性腸症候群の患者さんの小腸や大腸の腸液の性質を調べたところ、ある

  ことが判明しました。過敏性腸症候群の患者さんの腸は、健康な人と比べて大腸の中の酸度が高かったのです。そして、大腸の酸度が高い人ほど、大腸の動きが麻痺し、そのた  
  めにお腹の中でガスが動かなくなり、お腹が張ったり腹痛が起きてしまうことが分かりました。つまり、食物繊維やオリゴ糖の多い食品を食べると、お腹に不調のある人の腸の中

  では、腸内細菌が過度に働いて過剰な発酵が起こり、過剰な代謝産物(短鎖脂肪酸)が作られることで大腸内が酸性になって麻痺してしまうため、更なるお腹の痛みが生じてしま

  う、ということなのです。では、一体どんな食事法が、「今、お腹の不調に困っている人」の腸の症状を改善してくれるのでしょうか?その切り札が、「低FODMAP食」です。