健康診断が怖い人の為に!

 

 7.多忙も閑も、どちらも免疫力低下

  頑張り過ぎは体に良くない、しかし、力を抜いた生活も、長期間続くと体調不良のもとになる。休息と活動の程よいバランスを心がけ、免疫力アップにつなげよう。

  ウイルスや細菌などに接しても、私たちはそう簡単には病気にはならない。それは血液中の「白血球」が、これら外敵から体を守っていてくれるからだ。人体に備わった

  自己防衛機能の根幹を担う、白血球。その主成分には、細菌などの大きな異物を食い殺す「顆粒球」と、ウイルスなど粒子の小さい異物を攻撃する「リンパ球」がある。

  顆粒球は細菌を貪食し、酸化物質である活性酸素を吐き出して死ぬ。傷口から出るうみは、これら顆粒球の死骸だ。一方、ウイルスを認識して、再び病気に罹らない

  ように抗体を作り、「免疫」を成立させるのがリンパ球だ。リンパ球には様々な種類があり、体内で毎日数千個産まれる癌細胞を殺すのもあり、従来の免疫学の中心であった。

  白血球の自律神経支配の法則で、免疫力と自律神経の密接な関係を明確にし、た。自律神経とは、心臓を動かしたり、無意識下で内臓の働きを制御する神経経路のこと。

  これには活動期に優位になる「交感神経」と、休息時に優位になる「副交感神経」の2系統がある。両者はシーソーのように、一方が優位になればもう一方が抑制される

  関係を保ちながら、体の働きを調節している。実はこの自律神経の動きに支配される形で、白血球中の顆粒球とリンパ球の比率も変化する。

  自律神経が正しく働けば、白血球は顆粒球60%とリンパ球35%の比率になる。良く活動し、良く休んで、この白血球のバランスを大きく崩さないことが、病気にならない秘訣です。

  病は自律神経の偏りから生まれ、つまり生き方の偏りが原因なのです。自律神経の一つ「交感神経」は、昼間の活動期に優位に働き、血管を収縮させ脈拍や呼吸数を上げ、

  活力を上げる。かたや「副交感神経」は夜に優位になり、血管を広げて脈拍や呼吸を緩め、分泌や排泄を促し、体が休めるように働く。交感神経優位の状態ではリンパ球が

  増え、顆粒球が減る。こうした自律神経のバランスは、昼夜だけでなく、気圧や季節の変化によっても微妙に変わるが、生活習慣による変動が最も大きい。

  例えば夜は副交感神経が働いて休息モードになるのに、夜遅くまで活動していると交感神経緊張が解けなくなる。心身のストレスを抱えていたり、薬を飲み続けたりする

  のも同様で、顆粒球の割合をぐっと増やしてしまう。顆粒球は大量の活性酸素を放出する。顆粒球は強い酸化力で粘膜を破壊するので、顆粒球が増えると潰瘍や癌に

  罹りやすくなる。加えて、交感神経が緊張すると癌細胞を殺してくれるリンパ球も減るので、癌細胞の増殖を抑えにくい。また交感神経が緊張すると血管が収縮して血流障害が

  起こり、高血圧や膝痛、腰痛、肩こりに悩まされるようになる。活性酸素とコレステロールが結びついて、酸化コレステロールが増えるため、動脈硬化、脳出血、心筋梗塞

  などのリスクも高まる。

  

  病気の8割は、働き過ぎの交感神経緊張が原因で、これから脱するには生活を副交感神経優位に変えねばならない。

  副交感神経刺激法(左図)

  一方、副交感神経が優位になり過ぎても問題が起こる。まずリンパ球が過多になるので花粉やハウスダストなどに

  過剰に反応するようになり、種々のアレルギーを発症する。また気力がえ、うつ病にも罹りやすくなる。

   食欲も増進するので肥満になり、動作も鈍くなり、ストレスとなり、やがて交感神経が慢性的に緊張するようになる。

  そして、最後は、交感神経緊張が原因の病気に罹る。

  

  

                                               

  副交感神経が過度に優位な人は、交感神経を適度に刺激して、生活にメリハリをつけ、活力を

  取り戻すこと(右図)。

  活動をした後は休むこと。逆もまたしかり。長い間どちらかに固定された生活をすると、人は病に

  罹るのです。

  高気圧の日に盲腸の手術が多いのは、高気圧の時は、自律神経の支配下にある脈拍が上がる。

  これに伴い交感神経が優位になり顆粒球が増え活性酸素が炎症を悪化させるから。これは

  自律神経と免疫に相関関係はないという医学の常識を覆した。同時に病に罹る原因も見えた。

  病は自律神経の偏り、つまり生き方の偏りから生まれる。病に罹ったら人生観を見直し、生き方を

  正す。そうすれば癌さえも自然に治るはず。

  体調不良を感じたら、薬を飲む前にまず自律神経の偏りを疑い、生活の見直しを図るべき。

  生活の見直しは、50代以降特に重要。体調不良が本格的な病となるかどうか、その境目が

  この時期。ストレスを断ち切れば、症状はやがて治まる。定年退職は働き過ぎを止め、交感神経

  緊張を解くチャンス。60才は免疫革命を起こす好機なのです。

  無理せず楽し過ぎず。流れに抵抗せず。怒るより笑う。そんな生き方が、免疫力を守るのです。

 

           ✣クリニック紹介ではないため、クリニックの連絡先はありません。       新潟大学大学院医歯学総合研究科教授