健康診断が怖い人の為に!
                                                                          

 

  .程々の不衛生が病気を遠ざける

  不衛生なものを徹底排除し、潔癖社会を突き進む日本はアレルギー患者が急増中。一方、決して衛生的と言えない発展途上国の人々は、逞しく、生き生きと生活している。

  その違いは、寄生虫にあるという。80年代心筋梗塞や脳梗塞などの引き金になるといわれ、欧米で問題となったメタボリックシンドローム、日本でも05年独自の診断基準が

  定められたが、成人男性85cm以上で、高脂血症、高血圧、高血糖値のうち2つを抱えている人、今、予備軍を含めて患者は全国に2000万人いるといわれる。

  ウエスト85cmの基準は厳しすぎる、米国は103cmだというのに、これだと日本の中高年の半分が引っ掛かります。20代と60代が同じ基準というのも変だし・・・。

  免疫学見地からしても、やや肥満の人や高コレステロールの人の方が免疫力が高く、死亡率も低いのです。外地で元気に活躍している在留邦人は皆メタボリック基準を

  超えている人です。寄生虫との共生生活、「ウンコをした川の水で洗濯・炊事する」途上国での暮らしを通して見える日本の行き過ぎた規制社会に、警鐘を鳴らす医師。

  異物排除、規制強化の方にばかり行く。少々の雑菌では死なないようにしようという発想のない日本は、社会全体の免疫力も落ちている。規制や情報に過剰反応する

  日本人はノビノビしていない、規制に無縁な途上国の人達はノビノビ元気で、自殺する人も食中毒で死ぬ人もいない。汚さも、太るのも程々に心がけていれば、病気にならない。

  除菌、抗菌グッズが日本中に蔓延しだしたのが90年代、だがそんな潔癖社会を哄笑こうしょうするするかのように、90年代は病原性大腸菌O157やサルモネラ菌による食中毒が

  多発し、そのた度に死者が出ている。O157は弱い菌で、雑菌だらけの汚い台所では生きられない。だから台所は適度に汚い方がいいのです。腸内に別の大腸菌が

  棲んでいれば、O157は定着できず排除される。これまた適度に不潔な生活をして腸に大腸菌を育てておいた方が、食中毒には効果的という。バイ菌や寄生虫が体内に

  宿っていた頃の日本人は、心身共に強かった。汚物や異物を排除しない、ウンコの流れる川で遊ぶのびやかな途上国の子供達は、ことごとく回虫に感染しているが、

  アレルギーや喘息がない。腸管感染症もほとんどない。日本人も回虫をお腹に持ってる頃はアレルギーなんて無かった。寄生虫のフンの中にはアレルギーを抑える物質が

  あることを発見し、海外では高い評価を受けたが日本では評価は0だった。アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー性鼻炎が日本に登場したのは70年前後。

  まさに日本から寄生虫がいなくなった時期と同じ(下図)。

  日本人が清潔な暮らしにこだわり始めた時期と重なる。つまり、アレルギーはバイ菌を殺し過ぎたことと関係する。

  人の体内には、寄生虫や雑菌が入った時に活躍する免疫担当細胞が存在するが、身辺の細菌や寄生虫をことごとく

  排除するうち、これら免疫細胞は役割を失い、新たな目標物を探し始める。それが花粉であり、ダニの死骸だ。

  本来は目標物でない筈のこうした物質に対し、免疫細胞はせっせと抗体、つまり、異物を攻撃する“武器”を作る。

  この抗体が結果的にアレルギーを引き起こす。しかし、寄生虫がいるとアレルギーにならずに済む。その仕組みは?

  例えば、サナダ虫がお腹に入ってくると、免疫細胞は異物を排除しようと抗体を作る。しかし、サナダ虫は腸に棲み

  続けようとして、排泄物の中に大量の糖たんぱくを放出する。この物質が放出されると、攻撃力のない特殊な抗体が

  大量に生み出される。この不思議な抗体はサナダ虫を排除しようとする抗体を無力化するとともに、その他の

  アレルギー反応も抑える力を持っているのである。この糖たんぱくが増えると癌細胞を殺す免疫細胞の働きを鈍らし、

  癌が増殖する。ところが寄生虫はうまい具合に、癌細胞を殺す免疫系のバランスをとる物質もまた、放出している。

  生命の進化の過程で人は寄生虫をお腹の中に宿し、寄生虫は人のアレルギーを抑えるという見事な共生関係を築いてきた。

  細菌も寄生虫も悪者ばかりじゃなく、宿主である人間を守ってくれるものもあるのです。こうした共生関係を壊し、文明の名のもとに潔癖社会を求め続ければ、

  人間はやがてしっぺ返しをくらう。我々の体を構成する細胞は1万年前と変わってない。どこか1万年前と同じ部分を残しておかないといけない。潔癖すぎる生活は、

  人間の細胞にとって異常な環境。バイ菌とも程々仲良くすれば、現代人は元気になる。サナダ虫は鮭を中間宿主にするが、寄生者が川で卵入りのウンコをしない限り、

  鮭に宿れない。だから日本の鮭にもうサナダ虫はいない。  

                                                                                ✣クリニック紹介ではないため、クリニックの連絡先はありません。   東京医科歯科大学名誉教授