不眠症
昨今、不眠で悩まされる方が多くなってきました。不眠症の治療は、一般的に西洋医学では睡眠薬や精神安定剤を用います。しかし、不眠の症状は、様々な原因によって起こり、

症状の程度も人によって異なるため、薬を用いたからと言って、すべてに良い効果が現れるというわけではありません。効果が現れないと、どうしても薬を常用することになり、

量も増え、強い薬に変えたりするケースも少なくないのです。そのことが、やがて副作用を生む結果になり、患者さんに新たな苦痛を強いることになります。

こうしたことから、対処療法で全体を見落としがちな西洋医学に対し、東洋医学は心身全体の状態を整えながら、病気を根本から改善していこうとする考えですので、この治療法

との併用がよいのでは?ということで漢方の生薬(漢方薬の原材料になる動植物のこと)として、古くから病気の治療に用いられてきた合歓花(ごうかんか)(ネムノキの花)と金針菜(きんしんさい)

主成分にしてできている金合歓混合エキスがあがってきました。合歓花は漢方では「気」の流れを整える働きがあるとされている生薬です。気は、東洋医学では生命エネルギー

の1つであると説き、その流れが滞った状態を「気滞」といいい、この代表的な症状が、気分が不安定になって優うつ状態になる「うつ症状」です。

合歓花はうつ症状や不眠に効果があるとされ、昔から使われてきた生薬の1つです。一方、金針菜は、精神を鎮めてイライラを解消し、不眠にも効果がある生薬と言われています。

この混合エキスには抗ストレス作用を持っているメラトニン様物質が含まれている金針菜と、抗うつ抗不安作用を有するセロトニン物質が含まれているネムノキの花が、1つに調和され

たことによって機能性が高められ、広範囲にわたる不眠やうつ症状を改善するものと考えられます。その症状の改善や予防効果が認められた症例は多くあり、副作用もありません。

金針菜もネムノキも共に中医学辞典に載っている生薬の1つとして、基礎的研究がしっかりした科学的データがあり、長年にわたり漢方医学では実績がある植物です。

睡眠障害の中でも多い症状が、入眠困難や中途覚醒ですが、これらの不眠はうつ病と、さらに不安障害・パニック障害・注意欠陥障害などに深い関係があります。

うつ病の原因は、まだ十分わかっていませんが、遺伝や体質的な背景、心理的社会的要因のほかに、脳や神経機能との関与が強く指摘されています。それは、神経伝達物資である

セロトニンやノルアドレナリン、また脳内ホルモンの1つであるメラトニンなどの物質による調節障害が原因しているというようなことです。このような脳や神経機能の不調によって

起こる病気といえば、不眠・うつ・ヒステリー・不安神経症・パニック障害・摂食障害(過食、拒食)・自律神経失調症・老人性認知症などがあり、これらに予防・改善が期待されます。


                                   

✤なぜ眠れないのか?

現在、日本においては、5人に1人が不眠で悩んでいると言われます。日本は睡眠障害の先進国なのです。「1晩中ウトウトしている」「寝つきが悪く、寝るまで2~3時間かかる」「夜中に一旦

目が覚めるともう眠れない」などが、現代人の典型的な不眠症状のタイプです。眠れないことは人間の生体リズムからみても異常なことで、2日以上不眠が続けば早めの診断が必要です。

「そのうち眠れるだろうと」とタカをくくっていると、ずるずると睡眠障害の沼にはまり込み、やがて心身ともに重症になりかねません。今まで眠れていたのが眠れなくなったというのは、

生活上の様々なストレスに対する心身からの警告ですので、むやみに薬に頼るのは避けねばなりません。不眠になると、体にかなりの負担を強いる事になり、頭がボーっとする、血圧上昇、

肩こり、めまいなどの症状が現れ、疲労がたまってきます。睡眠不足は新陳代謝が悪くなり、免疫力が低下し、適応力が落ち、判断力もにぶり、心身ともに疲労が蓄積します。

✲睡眠の効用は疲れた脳や肉体をリフレッシュさせる効果が第一で、睡眠は身体の活動リズムと密接に関係し、調節とバランスを保っているのが、ホルモンと自律神経の二つです。

成長ホルモンは睡眠中に分泌が増加するホルモンの代表で、子供の成長に欠かせないが大人にとっても大切なホルモンで新陳代謝を活発にし、新旧の物質を入れ替え,張りのある肌を

作ります。また、糖や脂肪やタンパク質などの代謝を調整し、身体に必要な物質を合成して蓄え疲労回復したり、ホルモン分泌の調節をして、生体のリズムを整えているのです。

次に自律神経は、体の微妙なバランスを取る働きをしている神経のことで、脳と胃腸や心臓などの筋肉と結んで、脳の指令と内臓の情報を双方向にやり取りする働きをしています。

この自律神経には、交感神経と副交感神経があり、互いに相反する働きをしています。前者は闘争の神経ともいわれ、エネルギーを消費して、体を攻撃的な方向に向けるときに働く神経で、

後者はその逆で、エネルギーを蓄積し、体が安静な時に働く神経です。即ち、昼と夜にそれぞれ働く神経で、情報伝達物資、昼はノルアドレナリンと夜はアセチルコリンが分泌されます。

睡眠中は昼間より体温が0.1~0.3度下がります。体温が下がると血液の温度も下がり、脳のオーバーヒートを防ぐことになります。また睡眠は免疫機能を高めたり内臓機能を休めたりします。

✲不眠のタイプ・・・・・✧寝つきが悪い ✧寝入ってから途中二回以上目が覚め、その後なかなか眠れない ✧早朝覚醒型

   不眠の持続時間で見ると✧一過性の不眠(一次的な不眠) ✧短期の不眠(ストレスなどで1~3週間続く) ✧長期の不眠(1ヵ月以上)

✲不眠の原因・・・・・神経性不眠症(精神的ストレス):社会の変化に適応できない時のストレスで、交感神経が優位の状態が慢性化した状態。神経質な人に多く、緊張や不安で発症する。

    躁うつ病や神経症などの病気:神経症はノイローゼで主に心因性が原因。精神的衝撃、慢性的ストレスなどで極度の不安や精神緊張が起こる状態で不眠になりやすい。

                       うつ状態は眠りが浅く、中途覚醒が多く、また早く目覚めて朝まで悶々と考え込み絶望的な気持ちになる。

                       躁状態は心が高ぶって興奮して、1晩中眠らない。   統合失調症は思春期に多く被害妄想や幻聴などが現れ夜も眠れない。

    脳出血・脳梗塞・パーキンソン病・老人性認知章などのような脳に障害があっておきる疾患も不眠と深く関係しています。 病気の治療で使う薬の服用で不眠となることもある。

    不規則な生活習慣が睡眠リズムを狂わす、生活環境の変化、カフェインでの興奮、アルコールの大量飲酒、昼寝など、体内時計を狂わせて眠れなくなります。

✲不眠の治療・・・・・ストレスが原因ならそれの解消に努め、生活に問題があれば規則正しい生活に戻す努力をする。これらは自分自身の心がけで睡眠の確保が可能です。

            睡眠薬はそれなりの効果はあるが副作用も伴います。睡眠薬のやめ方には服用量を徐々に減らしていく漸減法と服用する間隔を延ばしていく隔日法があります。