病気が長引く人、回復が早い人

  ○癌と診断されたら漢方薬・十全大補湯(ほとう)を服用する

  ●十全大補湯は癌の転移を抑える・・・もし貴方が癌と診断された時、手術や放射線療法、副作用の心配される抗癌剤を使って治療に臨みますか?中には一切の治療を拒否する方もいるでしょう。

  完全に癌と闘わないという選択肢もあるが、その前に癌と闘うのではなく「うまく付き合う方法」も視野に入れてみてください。うまく付き合うためにお勧めするのが「漢方薬」です。癌の転移を抑える

  効果のある漢方薬があります。それは「十全大補湯」です。十全大補湯は、もともと病後の体力低下やだるさ、食欲不振などに効果があり、長く使われてきた歴史のある漢方薬です。最近では、

  癌細胞を抑える効果があることが科学的に証明されています。一つ目の実験では、大腸癌細胞を肝臓に入る門脈という血管の中に移植したマウスを作ります。(肝転移モデルマウス)。このマウスに

  大腸癌細胞を移植する1週間前から十全大補湯を飲ませておくと、転移を抑えることができました。2つ目の実験では、メラノーマという癌細胞をマウスに投入します。布良ノーマとは、悪性黒色腫

  とも呼ばれ、皮膚にできるホクロとよく似た黒い色の癌です。このメラノーマの細胞をマウスの尻尾に注射するのです。すると、数週間で肺に転移し、癌細胞で灰が真っ黒になってしまいます。

  ところが、十全大補湯を餌に混ぜて与えていたマウスの肺はピンク色で、転移が極めて少なかったのです。

  ●ナチュラルキラー細胞が活性化し、癌細胞を抑える・・・この結果は実験マウスによるものだが、十全大補湯は実際に人に対する治療でもすばらしい結果が得られています。

  十全大補湯の効き目を良く調べてみると、、まずナチュラルキラー細胞(NK細胞)という癌細胞を攻撃する免疫細胞が活性化し、その結果癌細胞が抑えられるということが分かりました。

  癌細胞が転移していく時には、癌細胞が栄養を確保するための「血管新生」と呼ばれる、癌細胞を養う血管が増える現象が必要になります。癌の周囲に新しい血管ができていくのです。

  しかし十全大補湯はVEGFと呼ばれる血管新生が起きる時に必要な血管内皮細胞増殖因子(糖タンパク質)の産生を抑えたり、血管新生自体に必要なCD31と呼ばれる糖タンパク質の

  産生を抑えた、癌の転位を抑えるのです。以前から抗癌剤として使われている薬に「ベバシズマブ」という分子標的薬があります。これはVEGFを標的にした癌細胞の血管新生阻害剤です。

  十全大補湯は、こういった抗癌剤のような副作用はありません。また、癌特有の全身のだるさ、食欲不振なども軽減してくれる効果があります。癌治療には、こうした漢方薬で「癌と付き合う」方法も

  あります。癌治療は「治療するかしないか」という0か100かで決められるものではありません。その中間を選ぶ、中庸の道もあります。抗癌剤治療をしないからといって、癌特有のつらい症状を

  やわらげてくれる薬まで固辞し、我慢しなくてもいいのです。

  ●漢方薬がインターフェロンγやインターロイキン12を産出・・・他に「補中益気湯(えっきとう)」「人参養栄湯(ようえいとう)」などの漢方薬も癌に効果的です。補中益気湯にも、大腸癌の転移に対する予防効果が

  報告されています。十全大補湯同様に、ナチュラルキラー細胞という免疫細胞を活性化し、大腸癌の転移を抑える効果があるのです。人参養栄湯には、肺癌のリンパ節への転移を抑える

  効果があることが分かっています。これらの漢方薬には、ナチュラルキラー細胞やマクロファージといった免疫に関わる細胞を活性化し、インターフェロンγやインターロイキン12という腫瘍に

  対抗する物質(抗腫瘍性サイトカイン)を産出させ、癌転移を抑える働きがあります。それぞれの漢方薬が効くメカニズムは異なります。他の漢方薬、西洋医学での治療との併用もできます。

  様々な効能を持つ薬を、ハーモニーのように組み合わせることで、治療をより一層スムーズに進めていける可能性が高まります。

  ●漢方薬で癌と共存の可能性・・・今まで科学的に検証されることが少なかった「漢方薬が体に効くメカニズム」ですが、現代の分子生物学的なアプローチによって「科学のメス」が入り、いくつもの

  科学的根拠が得られるようになってきました。医者が患者の癌をどう治療するかアドバイスすることはできます。しかし、決断するのはあくまで患者自身です。漢方薬もひとつの選択肢なので、

  ぜひその際は考えてみてください。このような抗癌効果は、大腸癌や肺癌だけに留まりません。学会では次のような症例も報告されています。以下は十全補湯に関する人での効果報告です。

  1、胃癌が消えた:スキルス胃癌が見つかり、胃を全部摘出した中年男性がいます。癌は胃粘膜の最も下の層まで染み渡っていて、リンパ節にも転移していました。手術後UFTという抗癌剤を

  内服していたが、しばらくして肺に転移が見られました。この段階から十全大補湯の服用を始めます。3ヵ月後には肺の腫瘍は縮小し、消失。その後10年間は再発せずに過ごしています。

  2、肝臓癌と肺転移が消えた:C型肝炎、肝硬変があり、60代で肝細胞癌と診断された高齢男性がいます。肝動脈塞栓術(TAE)という動脈をふさいで肝臓の癌細胞に栄養を与えないようにする

  手術を繰り返し受けていたが、そのうち多発性の肺転移が見つかりました。しかし、副作用が大きくて抗癌剤は使えませんでした。そこで十全大補湯を服用し始めました。服用から2ヶ月経ち、肺に

  転移した癌細胞の集まりが小さくなり始めました。2年間延命でき、最後は肝細胞癌ではなく、肝硬変が原因で亡くなりました。しかし、解剖したところ、肺と肝臓には癌は全く残っていませんでした。

  肝細胞癌と転移性肺癌は消失していたのです。この2例を見ても分かるように、西洋医学での治療が絶たれても、諦める必要はありません。漢方薬を試してみる価値はあります。漢方薬によって

  癌と穏やかな共存を目指すことができるのです。