病気が長引く人、回復が早い人

  ○アルコールを飲まなくても肥満だけで癌になる

  ●糖尿病の死因の第1位は癌・・・肥満による肝臓癌が増えています。肥満の人は肥満でない人に比べて、5倍の危険度で肝臓癌になりやすいのです。消化器系の癌ができる部位には、肝臓、

  膵臓、胃、食道、大腸、胆のうなどがあるが、これらは全て肥満と関係があります。痩せてくるのは、がんが末期になってからです。特に糖尿病の死因の統計をとり、癌を合計すると、トップです。

  糖尿病というと狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの血管の病気(虚血性心疾患、脳血管障害)で亡くなるケースが多いという印象があります。しかし、糖尿病を患っていて、更に肝臓癌、膵臓癌、

  肺癌、胃癌などの癌で亡くなった人の数を合計すると、血管の病気で亡くなった人よりずっと多いのです。中でも消化器系の癌は多く、肝臓癌が増えています。糖尿病の患者だけでなく、最近では

  脂肪肝の患者が激増しています。脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が溜まった状態のことを指します。この脂肪肝があると、肝臓癌になりやすいことが分かってきました。これまで肝臓癌といえば、

  B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなどの肝炎ウイルスに感染していない限りなるものではないという認識でした。ところが脂肪肝も肝臓癌の発症に影響があるのです。

  アルコールを飲まないのに、肝臓に炎症が起こり、GOT(AST),GPT(ALT)という肝機能の数値が上昇してくるタイプの病気があります。この病気は、太っている人に多く、脂肪肝が引き金になって

  炎症が始まります。病名は「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH).」NASHを患った5~20%の人が肝硬変に進み、やがて肝臓癌を発症します。肥満から肝硬変になり、ゆくゆくは肝臓癌になる

  のです。現在の日本や米国のような飽食の国では、子供にもNASHが見られます。高カロリーのコンビニ食やファーストフードは、その一因になっています。

  ●肥満の腸内細菌には「2次胆汁酸」を作る細菌が多い・・・太っていると肝臓癌になる原因のひとつに、腸内細菌の存在があります。痩せている人と太ってる人とでは、腸内細菌の内容が異なり

  ます。太ったマウスの腸内細菌のを、痩せたマウスに移植する研究があり、腸内細菌を移植されただけで、痩せたマウスは太り始めました。そのマウスの腸内細菌を調べてみると、胆汁を分解して

  有害な「2次胆汁酸」を作る細菌が増えていることが分かってきたのです。「2次胆汁酸」こそ、肝臓に有害な肝臓癌を作る元凶なのです。腸の中で、腸内細菌が作り出した2次胆汁酸が、血管を

  通って肝臓まで運ばれます。これが肝臓癌を発生させます。

  ●タマネギのケルセチンが脂肪肝を改善・・・現在、2次胆汁酸に対する抗体を作り、薬として飲めるようにしようとする研究が行われています。使える薬としては、胆石を溶かしたり、肝炎の治療薬

  として使われているウルソという薬があります。古くから使われていて安価で安全。有害な2次胆汁酸を排泄できることが分かっています。薬以外でも、普段の食生活の中でも予防できます。

  それは、タマネギを沢山摂ることです。タメネギに含まれているケルセチンという成分が、脂肪肝を改善する可能性が高いと考えられています。

  ●1日手の平1杯の素焼きナッツを摂る・・・米国肝臓学会の治療ガイドラインでは、NASH治療の第1選択薬はビタミンEです。ビタミンEは子供のNASHにも良く効きます。ビタミンEの多い食事も

  心がけましょう。おやつやお酒のつまみには、ビタミンEが豊富なナッツがおすすめです。ナッツは他にもアンチエイジングに重要な食べ物であることが分かって来ました。世界的に権威のある

  医学誌イングランドジャーナルでは、ナッツを頻繁に食べる人は総死亡率が低いことが報告されています。ナッツ好きの人は、癌、心臓病、呼吸器疾患にかかりにくいのです。アーモンド、

  ヘーゼルナッツはビタミンEが特に豊富です。くるみはナッツの中でもオメガ3系の脂肪酸が多く、その一種のα-リノレン酸が血液をサラサラにして、脳梗塞や心筋梗塞を予防します。

  カシューナッツは亜鉛が豊富で疲れを軽くします。ナッツ類のカロリーを気にする人もいるが、ナッツを食べる頻度が高いほど、BMIが低く、糖尿病の発症が減り、大腸癌が減ることが報告されて

  います。量は1日手の平1杯程度。塩分の少ない素焼きのナッツがお勧めです。