病気が長引く人、回復が早い人

  ○胃炎の人が塩分を摂り過ぎると、胃癌の発生率は3倍に増える
 
  ●東アジア型ピロリ菌は胃潰瘍、胃癌を招く・・・胃癌は、世界中の患者のうち、なんとその60%が、中国、日本、韓国の3カ国に集中し、「東アジアの風土病」とまで呼ばれています。現在、毎年

  10万人以上の日本人が胃癌にかかっており、そのうち5万人が命を奪われています。それに対して、胃癌はアメリカでは非常にまれな病気なのです。癌は感染しないと思っているかもしれないが、

  胃癌はピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)による「感染症」です。日本を含む東アジアで胃癌が多いのは、毒性の強い東アジア型ピロリ菌に感染しているためです。欧米人が感染する欧米型

  ピロリ菌には、あまり毒性がありません。ところが、東アジアに蔓延しているピロリ菌は、胃癌、胃潰瘍、12指腸潰瘍などを引き起こしやすいcagA遺伝子を持っています。因みに、同じ日本でも、

  本州では東アジア型ピロリ菌に感染している人が多いのに対して、沖縄県で見られるピロリ菌は欧米型。沖縄県は、日本でも胃癌が少ない県として知られています。

  ●両親、祖父母の口移しがピロリ菌の感染源・・・胃癌は感染症です。もし中学卒業時を目処に全員胃癌検査を受け、ピロリ菌がいたらその時点で除菌してしまえば、将来の胃癌はほぼ100%を

  防ぐことができます。ピロリ菌感染は、これまで日本人が先代から受け継いできた負の遺産です。何故ならピロリ菌は親から子へ「口移し」で感染するからです。ピロリ菌は、日本に上下水道が

  発達していなかった当時、井戸水や川などの汚染された水から感染していました。昔は畑の肥やしに人糞なども使っていたから、よく洗っていない野菜などからも感染していたのです。

  現在の日本の衛生状況は大きく改善され、その結果、今の川や井戸水でピロリ菌の遺伝子検査(PCR検査)をしてもピロリ菌は検出されなくなりました。残る日本人のピロリ菌の感染経路

  としては、1番が親から子への伝播なのです。胃癌を撲滅するためには、小さい子に親が噛んだ物を与えるという風習を禁止しなければなりません。親だけに留まらず、祖父母の世代からの

  感染も要注意です。おばあちゃんがピロリ菌に感染していると、孫のピロリ菌感染はぐっと高まります。両親、祖父母の両世代が感染源とならないように、注意する必要があります。

  ●何故東北地方には胃癌が多いのか?・・・また、ピロリ菌と共に注意したいのが塩分です。ピロリ菌に感染していない人が塩分を多めに摂ったところで、高血圧にはなっても胃癌にはなりません。

  しかしピロリ菌に感染している人が高塩分食を摂っていると、感染していない人に比べて3倍も胃癌になりやすいのです。一昔前は「米を食べると癌になりやすい」と噂されることがありました。

  米の産地である秋田、岩手、山形、新潟などで、胃癌になる人がとても多かったのです。後にこれは、ピロリ菌と塩分との関係だということが分かりました。米とは無関係だったのです。

  米どころである東北地方の人達は、漬物や塩漬けした魚などを多く食します。ピロリ菌感染と食塩の摂り過ぎによって、胃癌が発症しやすくなるのです。ピロリ菌感染を防ぎ、または除菌し、

  塩分を控えれば、、胃癌はぐっと減らすことができます。ピロリ菌を除菌すると、胃癌の発生は1/3まで減ることが分かっています。

  ○胃炎を改善するブロッコリーは癌にも効く。

  ●胃炎を軽んじる医者とは距離を置くべき・・・胃は全身の臓器と関連し、癌にも影響しているのです。もう、たかが胃炎と考えられていた古い医学を、捨てなければいけません。

  胃炎が体を駄目にすることがここまで分かっているにもかかわらず、胃炎を放置する医師が多くいます。

  ある病院で自分には慢性胃炎があることを医師に告げたところ、半ば怒鳴り気味に「慢性胃炎なんて

  誰にでもあるんだよ!とそんなものあってもどうって事はない」と長々と述べたという例がある。

  この医師は慢性胃炎に関する世界中の医学論文を全く読んでいなかったのでしょう。まだまだ、

  胃炎を軽んじる不勉強な医師が沢山います。よく知りもしないのに、いい加減な説明をする医師とは

  距離を置くべきです。これからの時代は、自分で主治医を選ぶ目を持つことが、健康長寿には欠かせません。






  ●ピロリ菌は3000円で検査できる・・・胃炎の要因はピロリ菌という細菌で、ピロリ菌に感染すると100%慢性胃炎を起こすが、しかし、殆どが無症状なので自分で調べないと分からないのです。

  胃炎は、多くは5歳未満、遅くとも11歳ぐらいから始まります。日本人の6割が胃炎だといわれているから、多くの人が何十年間も無自覚で胃炎を放置しているのです。症状が出ている場合は、

  かなり胃炎が進行していると見ていいでしょう。慢性胃炎を長く放置していると、やがて胃癌を引き起こすのです。自分が慢性胃炎かどうか、ピロリ菌に感染しているかどうかを知るには検査

  するしかありません。簡単な血液検査なら3000円程度で行えます。もし感染していたら、直ちに除菌すべきです。2013年2月から、ピロリ菌感染による慢性胃炎に保険適用が可能になりました。

  除菌は抗生物質を1週間ほど飲んで行います。唯、ピロリ菌の除菌は、全員がこの方法で成功するわけではなく、これまでの1回目の成功率は70%程度。2回目の除菌で90%が成功します。

  1回目と2回目の除菌の間隔を半年以上あけると、成功率は下がります。1回目で失敗して完全に除菌できなかったとしても、ピロリ菌は弱り、菌の数は減っているから、6ヶ月以内に間髪を入れず

  2回目を行うのがお勧めです。また、最近は新型のタケキャップという医薬を使った除菌で、1回で92.6%の成功率を示す除菌法も出ています。まずは先生に相談しましょう。

  ●胃にやさしいキャベツは癌も抑える・・・ブロッコリーには様々なアンチエイジング効果があるが、胃炎を招くピロリ菌を死滅させる働きもあります。ブロッコリーに豊富に含まれる「スルフォラファン」

  という成分が、ピロリ菌が引き起こす胃炎を改善してくれるのです。日本人の2人に1人は、ピロリ菌に感染しています。やがて胃癌につながるかもしれない胃炎にならない為にも、ブロッコリーを

  摂るようにしましょう。ブロッコリーは、アメリカ国立癌研究所が発表している、癌を予防する食品リスト(上表)デザイナーフーズ・ピラミッドにも挙げられており、胃癌以外の癌にも予防効果があります。

  胃に良い食品は、癌の予防にもいいのです(キャベツ、ブロッコリーなど)。胃を整えることは癌を抑え、全身の健康を整えることにもつながります。ひいては、様々な病気をはねつけ、病気になっても

  またすぐに回復するレジリエンスを身につけることになるのです。