病気が長引く人、回復が早い人

  ○アルツハイマー型認知症予防には日中でも照明を明るくしておく

  ●こんな高齢者施設いると認知症がひどくなる・・・部屋は、できるだけ明るいほうがいいのです。日中でも照明が明るい部屋にいると、認知症になりずらくなります。特に入院施設や高齢者

  施設を選ぶ時は、室内の証明に注目してください。こうした施設を訪れると「薄暗いなあ」と思うことがあるでしょう。電気代節約の為に照明を極力落としているところが少なくありません。

  こうした施設に入居している方の、光を浴びる量(光暴露量)はきわめて小さいことが分かっています。そしてこの状態が長く続くと、認知症が悪化するというデータがあります。光の量が

  脳内の伝達物質の分泌のしかたに大きく関係しているからです。照明が明るいほど、脳内のホルモンである「メラトニン」や「ドーパミン」などの脳内伝達物質が良く出るようになります。

  これらのホルモンが不足すると認知症が悪化したり、元気が出なくなってしまいます。

  ●光は若者よりお年寄りにもっと必要・・・なかでも、最も光と関わりがあるのがメラトニンです。メラトニンは、脳の松果体という部分から分泌されるホルモンです。昼間は殆ど分泌されませんが

  夕方以降暗くなってくると分泌量が増え、覚醒から睡眠へ体の状態を切り替えます。光が朝、網膜に当たると、視床交叉という部分に刺激が伝わり、その14時間後に松果体からメラトニンが

  出るようにセットされます。メラトニンは、老化の原因となる活性酸素を消去する「若返りのホルモン」の働きもあります。介護施設の照明を明るく改善したところ、入所していた高齢者のメラトニン

  やドーパミンの分泌が増え、認知症が改善したという医学論文があります。介護施設に2500ルクスの明るい部屋を作り、午前2時間、午後2時間、4週間、その部屋でデイケアを行いました。

  するとたった1ヶ月で、メラトニンの分泌量が若い人と同じくらいのレベルまで改善したのです。高齢になればなるほど、昼間であっても、照明のより明るい部屋で過ごすほうがいいということが

  分かります。アルツハイマー型認知症の患者さんは、物忘れだけでなく、夜間に眠れなくて騒いだりすることがあります。これは睡眠のリズムを司るメラトニンの分泌量が減少したり、分泌の

  タイミングが崩れてしまうためです。このようなアルツハイマー型認知症の患者さんに、光を当てる治療を行うと、メラトニンの分泌が安定し、2週間で寝起きのリズムが整います。日中、部屋の

  中であっても、照明を明るくしたほうが、脳は錆びつかずに活性化し、アンチエイジングになるという事実を示しています。

  ○朝起きたらカーテンをあけ、1日15分は日光を浴びる

  ●白内障の手術にはアンチエジング効果がある・・・加齢の問題で光を感受しにくくなり、結果的に日が当たらないのと同じ状態になることがあります。40才を超えると、目の水晶体というレンズが

  加齢と共に曇り、光が目の網膜に届きずらくなります。これが白内障の始まりです。白内障になると、光が網膜に届かなくなり、脳内伝達物質の分泌指令を出す支障交叉にも、光刺激が及ばなく

  なります。すると元気ややる気に関わる脳内神経伝達物「ドーパミン」や「セロトニン」、叉前述の「メラトニン」も作られなくなります。白内障によってものが見えにくくなるストレスのためだけでなく、

  こうした光刺激の欠乏から抑うつ的な状態になったり、老け込んだりしてしまうのです。白内障の手術は、アンチエイジング手術でもあります。何故なら、早い年齢で白内障手術を受けた人の

  ほうが、運動量が増え、脳が活性化します。光が目に入るようになり、メラトニンが増え睡眠障害なども改善し、結果的に寿命が延びることが分かっているからです。

  ●光を浴びないと数年で老け込んでしまう・・・東北地方や山陰地方など、冬の日照時間の短い地方では冬場にうつ状態になる人が増えます。これも暗くなることで、「メラトニン」や「ドーパミン」

  が出なくなるのが原因です。うつ病の患者を診察すると、日中カーテンを閉め切りにして暗い部屋で生活している人が多いことに気ずきます。朝起きたら、どんなに憂鬱な日であっても、まずカーテン

  を全開にし、光を浴びてください。日光に当たらないと、インフルエンザや風邪にもかかりやすくなります。体内で作られる、活性型ビタミンD2が減ってしまうためです。ビタミンD2は、カテリシジンという

  抗ウイルス作用のあるタンパク質を活性化し、人を感染症から予防する働きをしているのです。1日最低15分は太陽光に当たらないと、体に不可欠なビタミンDが作られないと言われています。

  日照時間が減る冬場は、うつ予防だけでなく、風邪予防の為にも日光に当たることが大切です。明かりは、毎日の暮らしの中の「ちょっとしたこと」です。しかし、このちょっとしたことを改善、工夫

  するとレジリエンスが高まり、大きく大きく人生の行く末が変わっていきます。貴方の部屋の照明は、薄暗くありませんか?もったいないからと極力明かりをつけずに暮らしていると、数年後には、

  実年齢以上に老け込んでしまうかもしれません。日本人の持つ「もったいない」という気持ち、質素倹約は美徳ではあるが、健康のためには「必要なものにはお金をかける」というメリハリも必要です。

  老いた親にまずプレゼントするなら、明るい照明なのです。