老化か病気の見極め方

  ◎消化器・泌尿器の不調→胃もたれすることが多くなった

尿漏れするようになった 便に異常を感じる
残尿感がとれない 食事量が減って、便秘がちになった
尿の勢いが弱くなった 下痢がちになった
夜、トイレに起きる 胃もたれしやすくなった

  ○尿漏れするようになった→病気:骨盤底筋運動を行ってください

  残念ながら、加齢に伴い尿漏れが増えるのは男女共通の悩みでしょう。尿意が来てからトイレに立っても、間に合わない人が増えています。よくあるのが

  笑ったりくしゃみをした瞬間に少し出てしまうようなケースで、これを腹圧性尿失禁と言います。原因は加齢に伴い骨盤低筋が緩んだせいです。この筋肉は

  尿道を締める働きの他に、骨盤内の臓器がずり落ちてこないように支える役目もあります。ですから、こういう失禁が始まると骨盤内の臓器は垂れ下がり

  気味になっていることになります。こういう方には骨盤低筋運動が有効なので、お勧めします。動作はいたって単純で、肛門をキュッと締める運動です。

  唯、女性の場合、尿道が短いし、男性に比べて括約筋が弱くなりやすいので、手術で少し尿道を持ち上げるという選択肢もあります。又、急に強い尿意を

  感じると、もう我慢できずに出てしまう切迫性尿失禁というトラブルもあります。加齢に伴うホルモンの変化や手術の影響で膀胱が過敏になると、こう言う

  失禁が増えると言われています。切迫性尿失禁の原因として近年話題になっているのが過活動膀胱です。これに悩む方が急増しているようで、40歳以上

  の実に8人に1人が該当するという調査報告もあります。つまり、患者総数は驚くなかれ800万人以上に上り、約半数に切迫性尿失禁の経験がありました。

  その原因は未解明だが、心因性の患者も多いようです。そのような方は水音を聞いただけでも強い尿意に襲われると言います。こういう悩みを持つ方は

  膀胱訓練を行って、少々の尿なら我慢できるように鍛えていくとよいでしょう。これは骨盤低筋運動と一緒に行うのがお勧めです。尿意が訪れても直ぐに

  トイレに立たず、骨盤低筋をぎゅっと締めて、5分くらい我慢します。この我慢の時間を少しずつ延ばしていき、1日にトイレに行く回数を少なくするよう努力を

  すると、本来伸縮性に富む膀胱は少しずつ容量が増えていきます。また、過活動膀胱に効果のある薬もあります。我慢して「隠れた問題」とせず、泌尿器科

  受診しましょう。

  ○残尿感がとれない→病気:検査を受けてください

  弾性ならば前立腺に異常が起きている可能性があります。前立腺が腫れ上がれば、そこを通過している尿路を圧迫して、狭めているせいで尿が出にく

  かったり、出きらないことは考えられます。また、直腸癌があっても、うまく尿を出しきれなくなることがあります。排尿時には内括約筋と外括約筋が協調

  しないとスムーズに進まないが、近接部に癌があると、その調整がうまくいかなくなり、まだ尿が残っているのに出口を閉ざしてしまうのは考えられます。

  大腸癌の70〜80%は膀胱のすぐ近くの直腸で起きます。その癌が成長すれば尿路に影響することは十分に考えられます。女性の場合、子宮筋腫が大きく

  なれば、残尿感が出るかもしれません。唯、女性多い泌尿器疾患は、やはり膀胱炎でしょう。”膀胱炎は癖になる”というような仮説を耳にします。

  「外尿道口が感染しやすい状態になっている」「外陰部は外からの感染源に接触しやすい」など原因は色々考えられるが、その一つが常在菌です。

  温水洗浄式トイレは衛生管理に良いが頻繁な使用や過度の洗浄は自浄作用のある洗い流してしまうので、常在菌による菌叢のバランスが崩れるという

  指摘もされています。膀胱炎の患者の尿を調べても、どの菌が悪さをしているか分りにくいことがあります。健常者の尿の中にも種々雑多な常在菌が

  多数存在しているから。実は尿路にも常在菌が存在するという点では腸内と同じような状態になっているんです。口の中についても同じ、外界と接する

  箇所はどこも似たような状態になっています。膀胱炎の予防には衛生面への注意もさることながら、ある程度の尿量を保つことも大事です。問題のある

  菌が膀胱内に侵入しても、量があれば排尿時に勢いよく洗い流しやすくなるからです。

  ○尿の勢いが弱くなった→病気:検査を受けてください

  加齢に伴い、腹圧が弱くなったせいかもしれないが、尿の勢いが弱くなったり、出にくくなる、こような排尿障害の背後には、男性なら前立腺肥大や

  前立腺癌が隠れていることがあります。但し、尿がちゃんと出ているから前立腺に異常なしとは言えないのです。あやふやな自己判断をせず、医療機関で

  腫瘍マーカーの検査(PSAという数値を見る)も受けておきましょう。これは前立腺の上皮細胞が分泌する蛋白質、前立腺特異抗原の量を見る検査です。

  50歳を過ぎた男性は、年に一回ぐらいはこの検査を受けた方がいいでしょう。触診では肛門から指を入れて、腫れがあるかないかを診ます。

  前立腺に腫れ以外の問題があると違った症状がでます。例えば、炎症がある場合、排尿時痛を伴う場合があります。炎症が広がって精嚢(せいのう)に炎症が及ぶ

  と特に痛みます。この時は深い位置が痛む感じになります。前立腺について診察を受ける時は、男性ホルモンの状態について調べてもらうチャンスだと

  思います。男性ホルモンの分泌は年々減ってくるが、その減り方や減ったことによる影響には個人差があるので、検査を受けておくと安心です。

  男性ホルモンの低下によってうつ状態になることもあります。このような場合、男性ホルモンの補充療法は有力な治療ですが、専門医による事前の入念な

  診察と開始後の管理が必要です。