何をどれだけ食べたらよいか?

  ○4大死因の解決策は「低栄養予防」

  ✦領域外のことは関知しない縦割り化した医学界・・・長生きの為には、全ての病気による死亡率を総合した総死亡率を低下させねばなりません。

  心筋梗塞を予防する為にメタボ改善を一生懸命となっても、肺炎で死亡する確率が上がっては何にもなりません。しかし、研究者も医者も行政も、日本人の

  4大死因(癌、肺炎、脳血管疾患、虚血性心疾患)の全体を低下させるにはどうしたら良いかということには触れようとしません。医学も縦割り化していて、

  他の領域のことには、口を出さない方が波風が立たないからです。血中コレステロールを動脈硬化との関係でのみ論じている学会は、コレステロールと

  動脈硬化との総死亡率、或いは癌死亡率との関係は存在しないかの様に装っていて、国の施作は、日本の疾病構造や死因と無関係に実施されています。

  2008年から義務付けられた「メタボ健診」は、その最たる例です。

  ✦肺炎より死亡率が低い虚血性心疾患の予防が優先されている・・・メジャーな生活習慣病の1つである虚血性心疾患は、日本においては死因の4位です。

  欧米と比べて4~5分の1の死亡率しかない日本で、その予防が第1義となっています。虚血性心疾患より肺炎の死亡率の方が1.6倍も多いのに、「メタボ健診」で

  痩せることに血道を上げ、その結果、肺炎死亡率が増えるという結果となっています。全ては、「日本人の食が欧米化している」という認識があるからです。

  しかし、日本人の食生活は、欧米より30%も摂取カロリーが低く、脂肪摂取量は半分以下、おまけに終戦直後並みの低カロリーです。若い年代に続き、

  中年も「メタボ健診」により低栄養化が進んでいます。現在の日本人が4大死因の死亡率を総合的に低下させる手立ては、低栄養の予防しかありません。

  ✦4大死因は全て「低栄養」が原因・・・日本人の死因第1位の癌は、その種類によって栄養との関係に多少違いがあります。栄養状態の悪い時に跋扈(ばっこ)するのは

  胃癌や子宮癌、逆の傾向を持つのは大腸癌や肺癌です。しかし、これまでの癌と血中コレステロールに関する研究は、血中コレステロール値の低い群で

  癌全体の死亡率が高いことを示しています。癌死亡全体に対しては、低栄養がその原因だと考えて間違いありません。死因の第2位の肺炎も、低栄養に起因します。

  また、低栄養とともに加齢がその原因であると考えられます。幸い、今のところ高齢者の栄養はそれほど悪化していないが、後期高齢者の数が前期高齢者の

  数を上回ると予測されている超高齢社会では、肺炎予防は極めて大きなテーマになるでしょう。死因の第3位を占める脳血管疾患の死因は、やや複雑です。

  脳の血管が破れる脳出血は、高血圧で瘠せ型、血中コレステロールとアルブミン(蛋白質)の値が低い人、食生活でいえば、米と塩中心で動物性蛋白質や

  脂肪が不足している人に多発します。脳の血管が詰まる脳梗塞には、2つのタイプがあり、1つは細い血管が高血圧と栄養不足のため(もろ)くなって起こる

  ラクナ梗塞、もう1つは太い動脈の内膜にコレステロールや血球成分がたまる(かゆ)状(アテローム)硬化タイプです。過度な食生活の欧米化が原因となります。

  問題は、どちらのタイプが日本の主流かということですが、これまでの調査では、日本人の場合、ラクナ梗塞はアテローム硬化による梗塞の4~6倍あることが

  わかっています。ですから、日本人の脳血管疾患の原因は、低栄養だということができます。死因の第4位の虚血性心疾患は、過剰栄養がその原因だと

  考えられていました。しかし、アメリカの研究で、高齢期においては血中のアルブミン値が低い群の方に虚血性心疾患死亡率が高いことがわかり、ここでも

  低栄養がその原因になっています。4大死因は、低栄養が深く関係しています。「食の欧米化は止めて粗食にしましょう」「メタボ健診を受けて痩せる努力を

  しましょう」という根拠のない「健康常識」をそのまま信じてしまうのは、非常に危険なことなのです。