✱「ウエスト85cm以上」は危険か?

  メタボリックシンドロームの判定基準のアナウンス効果は相当にありました。しかし、健康な人を「死の四重奏」などとおどかし、ストレスをかけている面もあるのです。

  

  肥満の度合いを示す体格指数(BMI)で、日本ではこの指数が18.5〜24.9までが正常とされ、厚労省は

  22〜23を推奨しているが、国内ではBMIが24〜25くらいの人の寿命が最も長いというデータがある。

  米国でも25〜29.9の過体重の人々の死亡率が最も低いというデータがあります。つまり、少し太り気味の人が

  最も長生きという結果です。日本の判定基準だと、この最も元気な人々を病人扱いにすることになる。

  厚労省は食べすぎの抑制と運動不足の解消で健康な人を増やし、医療費を減らせると考えています。

  厳しめの判定基準を設けることでそうした効果を高めようとする狙いがあるのかも知れませんが。

  しかし、それだと逆効果になるのです。

  血清総コレステロール値と死亡の危険率(mg/㎗)

  健康な人がメタボリック症候群を気にして、抗コレステロール剤を服用してコレステロール値を下げようとすると

  逆に死亡率が高まります。コレステロール値が正常(140〜220)より高い人の方がむしろ長生きしている。

  本来不要な病院通いが増えるので医療費は減るどころか逆に増えてくるのです。 

    メタボリック症候群については統計的な根拠に基ずいて、判定基準を再検討する必要があるでしょう。

  運動も強迫観念にとらわれてやり過ぎると免疫機能も低下し、適度を心がけるべきです。

  過剰なダイエットは体に悪く瘠せ過ぎは寿命が短い。物事は何事もほどほどが肝心です。

 

 ✱太り過ぎが心筋梗塞や脳卒中などの生活習慣病を誘発するのは事実です。これらの病気にならないようにするには、第一に「ほどほどの運動」をすることです。

  動脈硬化にかかわる悪玉コレステロールのLDLのことはよく知られているが、メタボリックシンドロームが進んで中性脂肪が増えると、LDLを小型化し血管内に入り込み

  易くし、酸化されやすいので動脈硬化や心筋梗塞を一層強く促進するのです。中性脂肪は陰の悪役です。リスク解消には適切なカロリー食と運動療法に尽きます。

  中性脂肪とは体脂肪のことで、体脂肪が血中に飛び込んだものです。だから、太っている人は中性脂肪が高いのです。若い時はリポタンパク・リパーゼという、中性脂肪を

  分解する酵素の働きが非常に活発なので、肥満でもそんなに中性脂肪は高くありません。しかし、年齢とともにリポタンパク・リパーゼの機能は落ちてきますので、中年に

  なって太ってくる人ほど中性脂肪が高いという現象が出てくるわけです。この中性脂肪が多くなると、善玉コレステロールであるHDLが下がるという、両者はシーソーみたいな

  関係にあり、これを解消するには「運動」することです。運動するとHDLが増えてきます。リポタンパク・リパーゼはインスリンに非常に依存している酵素で、インスリンの

  効きがいい状態ではリポタンパク・リパーゼの生成が増え、中性脂肪が分解されやすくなり、HDLが増えるというわけです。マラソンランナーは中性脂肪が低くて、HDLが

  たいへん高い。運動は食後にすることが重要で、食前にしてもあまり意味がありません。食後一時間ぐらいになると、血糖値が上がり、その後中性脂肪が上がります。

  その時間帯の運動が最も効果的です。30分の運動でも血糖値は下がります。一日置きの速歩でも効果があります。

  ✱最近、老化を先延ばしできる高齢者向けの予防プログラムが発表され、毎日10分間の簡単な運動を数回行うとともに、毎日10品目の食品群から万遍なく食事をとる

  内容で、運動と栄養指導を効果的に組み合わせている点が特徴で、栄養が悪ければ運動もできないし、運動しなければ食欲も出ないからです。(日米双方で)

  まず、10分間で出来る運動メニュー1週間分(体を柔軟にするストレッチと筋力強化を組み合わせた運動)と食生活では肉、魚、卵、牛乳、大豆、芋、海藻、果物、野菜、

  油の10品目を1日に摂ったかのチェック表からなり、日本でも65才以上の方1000人に実践してもらい、HDL、ヘモグロビン、血清アルブミン等すべての平均値が上昇した。

  しかし、日本では心筋梗塞や癌は増え続けているのです。米国では1994年から減り続けています。米国では70年代から国家的プロジェクトとして健康運動を進めている。

  日本でも2000年から「健康21」というプロジェクトを始めたがその結果は目標値のすべての項目が悪化した。運動不足も全く改善されていません。野菜不足も急速に

  進んでいます。緑黄色野菜の摂取量も目標値2120g/日から94gに減っています。何故、日本人は年々不健康になっていくのでしょうか?

  TVの健康番組の見過ぎが原因という医師がいる。TVが簡単に嘘の情報を流し、国民の多くがそのまま信じ、情報に戸惑い、振り回されてしまっているのです。

  TVの健康番組で多くの食品が健康に良いとブームになったが紅茶キノコ、カスピ海ヨーグルト(現在作っている人はいない)、ココア、ところてん、黒酢などありました。

  男性、女性の雑誌のほとんどすべてが健康に関する情報を流しているが必ずしも正しい知識と情報ではなく、日本人は今、一億総不健康時代になりました。

            

    

 

 

 

 

 

 

  運動時間が多い人ほどHDL値が高いことが統計的に証明されています。

  運動すると肝臓から糖が動員され、それがインスリンによって筋肉に取り込まれます。従って、糖尿病の人が運動すると、インスリンの作用が細胞レベルで十分働き、

  正常な糖の代謝を取り戻すことができるのです。運動するとインスリンに対する糖代謝量がトレーニングの経過に伴って次第に多くなる。(左図)

  運動量と心筋梗塞による死亡率の関係。  運動のやり過ぎが逆に死亡率を高めるというデータも得られた。(米・右図)