✤「イメージする心」で高まる免疫力

  免疫力は腸内細菌でその70%が作られると前述しましたが、それを高める方法は規則正しい生活をする、ポジテイブの思考をする、楽しい生活をする、など何でもない

  ようなことが実は免疫力を高めることにつながるのです。アトピーで悩んでいる子供たちへの治療でも気持ちを明るくするような楽しい生活を勧めています。

  免疫系細胞は、神経系や内分泌系の細胞群と共にネットワークを形成して発達してきたのですが、現代社会は、社会が複雑化しストレス社会になりこれらの密接な連鎖を

  断ち切る方向に誘導している様に思われます。精神的ストレスが原因で起る疾患が増えてきました。この種のストレスは自律神経系や視床下部・脳下垂体に影響を及ぼし、

  アドレナリンやコルチゾールなどのストレスホルモンを放出して、免疫力を低下させ、いろいろな疾患を増大させているのです。

  人間の大腸には500種以上、100兆個、細菌の全重量は約1.5kgにも達しているのです。これらの細菌は酸素のない原始地球と同じ環境で生きているのです。

  脳は腸と密接に関連しているので、原始社会に棲んでいる細菌類が皮肉なことに「現代社会のストレス」にさらされているというわけです。心と体が関連しているからです。

  癌細胞を攻撃する免疫細胞にNK(ナチュラルキラー)細胞というのがあるが、これは癌を攻撃するばかりでなく、体の防御のために最も早期に出動し、反応する免疫細胞

  です。NK細胞は1人の体内に少なくとも50億個以上、多い人で1000億個も持っていて、日々発生する癌細胞を探し出しては攻撃し、破壊してくれているのです。

  免疫担当細胞には抗体を産生するB細胞や抗体産生を調節するT細胞などがあるが、これらは基本的に強く、加齢の影響もあまり受けません。しかし、NK細胞は年齢、

  精神的ストレス、食べ物などに影響され易いのです。つまり、NK細胞は私達の生活の中で強くなったり、弱くなったりするのです。1日のうちで朝9時前後と夕方の5時頃  

  で高く、夜の9時頃になると低くなります。寝ている時はさらに低くなり、風邪をひくのは大抵寝ている時なのです。このようにNK細胞には日内リズムがあります。このリズム

  を崩すような不規則な生活をしていると、NK細胞活性が低下し、風邪にかかりやすくなったり、癌になり易くなったりするというわけです。時差が健康に及ぼすのです。

  NK細胞が多いほど風邪にかかりにくく、風邪をひいている日数も少なくなるというデータがある。それでは、どのようなライフスタイルがNK細胞活性を高めるのでしょうか?

  ✧楽しい気分が続くような運動、キツイ運動は逆に活性を低下させる。従って、ただ歩く、ウオーキングというような運動が有効です。その効果は10年後発癌率が半分に。

  ✧自然に触れること、美しい花を見たり、匂いをかいだり、森林浴をしたり、可愛い動物に触れたりという原始的な感受性を高めることです。

  生きがいのある楽しく生き生きとした生活はNK細胞活性ばかりでなく、免疫全般の機能を高め、反対にストレスが多く、嫌々物事に向かったり、暗い心でいると免疫系の

  活性を失うようになります。今アンチエイジングの研究が世界各地で盛んに行なわれているが、どこの研究でも「現代文明が老化を促進する」という点で一致している。

  そして、「ほどほどの運動、生きがいのある生活、抗酸化作用のある植物性食品の摂取」などが勧められています。これらの生活習慣はNK細胞活性を上昇させている。

  特に悲しみのストレスはNK細胞活性や免疫機能を低下させ、老化を導き、ポジテイブな思考、良いイメージ思考は上昇させ若がえさせる。老年期になったら楽しくゆったり

  過ごすことを心掛け、お酒も多少飲んで、陽気に楽しく暮らしている人の方がストレスが少なく、いろいろ悲しいことがあっても、それに打ち勝つ対処術を心得ている人が

  NK細胞活性を高く保ち、若さを維持できることにつながるのです。禁酒禁煙、血糖値、血圧も正常組と生活に何の制限もせず、好き勝手に生きたグループを10年間

  観察したところ節制組の死亡率が高かったという実験データがある。何の制約もなく楽しく陽気に生きている人の方がNK細胞活性を高く保つことができたということでしょう。

  ✶では逆に笑ったり楽しいことをすると免疫力は高まるのか?「笑いは体内のジョギングである」とも言われ、NK細胞の生成と活性化を促し、感染症の予防だけでなく、

  癌の治療にも効果がある。笑いにも種類があり、快の笑い(本能充足、期待充足、優越・・・)、社交上の笑い(協調、防御・攻撃・・・)、緊張緩和の笑い等があり 

  快の笑いは副交感神経が刺激され、交感神経が低下した状態、つまりリラックスした状態になります。ところが、防御や攻撃の笑いとなると、交感神経が緊張している

  状態になります。つまり「笑い」でも、その種類によって体に及ぼす影響、とくに免疫力に及ぼす影響が異なることが考えられるのです。赤ちゃんがおっぱいを欲しがって泣くと、  

  お母さんからおっぱいをもらい満たされると、にっこり笑って気持ち良く眠ります。自分の生命が維持されたという認識によって、心地良い快感が生じ、微笑みが生まれたのです。

  また、笑いが感性のプログラムを活性化し、治癒力を高める。例えば、可愛がられない子供は発育が遅れ、身長や体重も伸びない。これは優しさという感性の情報が欠如する

  ことにより、心のプログラムが円滑に作動しなくなり、成長ホルモンの分泌や食物の消化・吸収がうまくいかなくなる。反対に優しくされると、子供の消化・吸収力がすすみ、

  成長ホルモンの分泌だけでなく、抗体産生などの免疫プログラムまでも活性化されるのです。同じように「笑う」という行為が神経・内分泌系から、免疫系へと続く心と体の

  プログラムを活性化して、免疫系の活性上昇を導くというわけです。「笑う」ことでNK細胞活性が上昇するというデータはたくさんあります。

    笑うことがなぜNK細胞の活性を導くか?

    大声で笑うと、横隔膜の上下運動と腹圧の増減によって内臓が刺激されます。とくに、小腸や大腸の

    蠕動運動が活発になり、その結果、血流も良くなり、脳の前頭葉に興奮が起き、それが間脳に伝わり、

    間脳が活発に活動を開始します。そうすると間脳は情報伝達物質であるPOMCというたんぱくを作り出し、

    それが無数の神経ペプチドに分解されるのです。この神経ペプチドは、まるで感情を持っているかのように

    情報の善し悪しを判断し、その判断によって自分の性質を変える力を持っているのです。

    「楽しく笑う」ことによって伝わる情報はβ−エンドルフィンやドーパミンなどの「善玉ペプチド」として血液や

    リンパ液を通じて全身に流れます。それがNK細胞の表面に付着して、NK細胞の働きを活発化するのです。

    これをペプチドシャワーと言います。それでは、「悲しい時やストレスがかかった時」ではどのような

    神経ペプチドが分泌されるのでしょうか?この場合の情報ペプチドは、アドレナリンやノルアドレナリンなど

    の「悪玉ペプチド」といわれるもので、NK細胞の活性を低下させるのです。

    ✱お酒を飲める人は飲んだ方が良い

  お酒を飲むとすぐに顔が赤くなって飲めなくなる人と、いくら飲んでも顔色の変らない人がいます。お酒に弱い人はアルコール分解後にできるアセトアルデヒドを無毒化する

  酵素(ALDH2)がない人です。お酒に強い人は、逆にこのALDH2という酵素を持っている人です。弱い人がお酒を飲むとNK細胞活性は必ず低下します。しかし、この酵素を

  持っている人がお酒を飲むと「飲まない場合よりもNK細胞活性が上昇する」のです。ただし、それはお酒の量が日本酒なら1.5合/日まで、大瓶ビール1.5本/日までで、

  それより多くなるとNK細胞活性が低下してきます。もう1つは嫌な人と飲むと最初からNK細胞活性は低下するのです。飲酒量と遺伝子変異との関係から、飲める人は

  飲まない時に比べて、少し飲んだ方がやはり遺伝子の異常が少ないことがわかったのですが、これも限度があります。日本酒1合/日ぐらいだと、明らかに遺伝子の異常の

  割合が少なかったのですが、2〜3合/日になると飲まない場合と同程度で、それ以上飲み続けると逆に遺伝子異常の割合が増加することがわかりました。

  遺伝子の異常は癌細胞の発生を誘発します、癌にならないためにも、お酒を飲める人は飲んだ方がいいのです。2〜3合/日で止める強い意志と楽しく飲むことです。

  お酒の飲み過ぎは肝硬変や膵炎を起こすことが知られています。高血圧もなり易い。これは事実です。しかし、ほどほどの量を飲むならかえって体に良いのです。

  適度のお酒は、有害なコレステロール、LDLの値が減り、逆に善玉コレステロールのHDLが増加し、動脈硬化の予防にも役立つことが知られています。

  飲酒も大切なのはバランスなのです。このことを考えれば、間違いなく「酒は百薬の長」となるはずです。