病気の9割は自分で治せる

  もしもある日突然、日本中の高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満症、痛風、便秘症、頭痛、腰痛症、不眠症、自律神経失調症・・・等の患者が皆、病院で治療を受けなく

  なったら?自分で自分の病気を治すことに目覚め、必要以上に余計な薬も飲まない、検査も受けないという異変が起きれば、どうなるでしょうか。

  果たして患者は困るだろうか?果たして医者は困ることになるだろうか?実は、冒頭にあげた病気は、殆どが自らの努力で治すことができるもので、

  これらは「喜劇の病気」と呼ばれています。理由は、それらの疾患は悲劇のヒロインの病気には絶対なりえないからなのです。悲劇のヒロインが仮に”白血病”でなく

  生活習慣病の1つなら名作にならないでしょう。「喜劇の病気」は原則として自らの力で治せます。一方、「悲劇の病気」はそうはいきません。医者と患者が、密な

  信頼関係を築き、患者に合った治療法を探りながら、治癒を目指していく必要があります。まさに手作りの治療が不可欠なのです。また、日本には「おいしい患者」

  が実に多く存在し、3000万人以上と言われています。そして、困ったことに、日々増え続けているのです。おいしい患者とは、文句も言わずに定期的にずっと通院して

  くれ、そのうえ、黙って薬を飲み続け、検査を受け続けてくれる患者で、そうあれば、儲けも確実に見込めて、とても有難いのです。更に、重要なポイントとして、

  命にかかわることもなく、さりとて完全に治らないことが、重宝するのです。この2点がキーポイントで、命にかかわる患者を受け持つことは、やりがいを喚起するものの、

  医者にとってはやはり精神的負担が大きいものです。生真面目な医者であればるほど、その度合いは強いものです。命にかかわる患者に、全身全霊をかけて

  向き合ってあげたいという思いが強すぎるあまり、かえって自分自身を追い込み過ぎて燃え尽きてしまう医者も現実には多くいます。そういった生真面目過ぎて

  繊細な医者は、ある日突然、医者をやめたり、現場から身を引いたり、或いは自ら人生に幕を引いたりすることも少なくありません。こうした患者と向き合うことは、

  精神的負担も大きく、多大な時間を費やす覚悟も必要となるが、その割には、金銭的に報われないのが現状です。その点、命にかかわらない患者を診る場合は

  やりがいには疑問があるが、気楽に対応できるので、非常にありがたいのです。しかも、完全には治らないというのもおいしい点です。いくら気軽な病気でも

  直ぐに治ってしまってはリピーターになることがないので、おいしくありません。従って、命にかかわっては困るのですが、そうかと言って、すっきりと1回や2回の診療で

  完治してもらっても困るのです。要するに、相も変わらず顧客になってもらえる患者、すなわち「おいしい患者」が、ことのほかありがたい存在だということです。

  不安な現代医療の実態から、皆さんが自らが強くなって意味のない通院を止めることは、薬と検査漬けのマニュアル化された医療の現状を是正出来るのでは?

医療現場の今 自己治癒力を高めよう
病気の「常識」は「非常識 賢い医者の活用法
健康と病気の境 皆さんが日本の医療を変える

  ◎医療現場の今

3時間待ちの3分治療 病院の経営を支える「おいしい患者」
医者のジレンマ 創られていく「おいしい患者」
日本の医療は薄利多売 医者が避けるのは「命を救う仕事」
病気は3つのカテゴリーに分けられる 「勤務医」に疲れて「開業医」になる医者達
医者のやりがい、医者の割り切り

  ●3時間待ちの3分治療

  皆さんが開業医や、市中の病院の外来で見かける医者のイメージは、恐らく白衣を着て、手術や検査を行い、薬を処方するというものだと思いますが、やたらと

  慌ただしく忙しそうだという印象が強いのではないでしょうか。まさしくその通り、殆どの医者は実に忙しく慌ただしい毎日を送っています。仮に、1人の患者にじっくりと

  向き合って納得のいくまで関わってあげたいと思っていたとしても、時間の制約がその気持ちに水を差しますし、とにもかくにも物理的に極めて難しいのが実情です。

  ましてや、ゆっくりと物事の本質に考えをめぐらす余裕など毛頭ないというのが現状だと思います。だから、当然の帰結として、やむにやまれず「3時間待ちの3分診療」

  になってしまうのです。大学病院などの総合病院にやたらと患者が押し掛けてしまうため、3時間待って診察の順番が回ってきたのに、診察はわずか3分程度で

  終わってしまうという現状を皮肉った言葉です。たったの3分では、人をじっくり診ることができないのは当然です。まさに文字通り「見る」だけです。

  ところで、開業医、或いは市中病院の勤務医が1日に外来で診る患者の数はどれ位でしょう?およそ50〜60人位です。米国と比べると約5倍です。

  上記の図の如く、日本の医者は欧米(OECD平均は2421人)の医者に比べて、約3.5倍の患者を診察しているのです。しかも、外来患者1人当たりの診察料の平均が、

  欧米の約1/7程度と極端に低いのです。つまり、日本の医者が非常に多忙であることと、薄利多売の日本の医療構造が見て取れます。言い換えると、多数の患者を

  診なければやっていけないのです。1日に50人もの患者が押し掛けてくるとすれば、「診る」と言うよりも「さばく」というニュアンスに近いものになります。

  一方、日本の医者も欧米の医者も報酬はほぼ同じですから、結局は日本の医者は非常に忙しい思いをしているということになります。50人を診る実動は大変です。

  まずは笑顔で挨拶し、さっと要領よく話を聞いて、診察をして、検査のオーダーを出して、薬を処方します。最近は電子カルテになっているので、間違いなくコンピューターに

  入力しながら全ての過程を行わなければならず、患者を診たり、画面を見たりとおおわらわです。そしてにこやかに挨拶をして一連の診察手順を抜かりなく終えるのです。

  それを一日に50〜60回繰り返します。そのうえ、勤務医の場合は手術や検査や病棟での仕事もあり、開業医も往診や検査業務が毎日のようにあるので、

  時間の余裕など全くないのが実情です。患者1人1人のことを親身に(おもんばか)れと言われたら、誰だってギブアップしてしまいます。