死を思い、よりよく生きる

  癌患者が元気になられる様子を見ると、医者として何よりもうれしく思います。これは患者自身のうちにあるスピリチュアル・パワーによるところが大きいのです。

  どなたも「死」というものをきっちり受け入れた瞬間から、逆に元気が出てくるのが特徴です。死から目を背けず、「何時でも死ねるぞ」と覚悟をきめて真正面から

  死と向き合うようになると、患者の表情はにわかに明るくなり、病状が好転する場合が多いのです。例え癌の腫瘍が消えなくても、1度じっくり死と対峙して

  死生観を確立した患者は、生に対する強い「執着」が消え、癌とうまく共存していける様になります。癌を異物として叩き潰そうと言う意識から、あるがままの

  状況を受け入れようという意識へと変わっていくのです。そうした患者は、死が間近に迫ってきても、もはや慌てることはありません。あらかじめ「死」を受け入れる

  態勢が患者側に整っていれば、癌は決して怖い病気ではなくなるのです。他の病気も同様です。ところが、西洋医学では、死はすべての終わりであり、ある種の

  「敗北」ととらえます。ですから、多くの医者は余命が見えてきた段階で、医療を放棄してしまいます。「あと3ヶ月の生命です。緩和ケアに移った方がいいですね」

  となるわけです。すると、患者の方は見捨てられたという気持ちと、余命を宣告されたショックで癌と闘う力(免疫力)や、癌を克服する力(自然治癒力)が一気に

  ()えてしまいます。その後は余命3ヶ月という十字架を背負わされたまま、なす術もなく、死への恐怖に怯えながら絶望的な気持ちで最期の貴重な日々を

  送ることになってしまうのです。最近は、緩和ケアの技術がかなり進んでいるので、末期癌で回復が難しい場合でも、肉体的な痛みや苦しみはいくらでもコントロール

  できます。問題は、「死ぬのが怖い」といったスピリチュアルな面の苦しみを、患者自身がどう乗り越えられるかという点です。死を受け入れることは、決して容易なこと

  ではありません。この時、大きな支えになるのが、ホリステイック医学です。これは、病気を治すだけでなく、「生死病老」の全てのステージに関与します。西洋医学の

  様に「死」を終わりとして考えず、死の先にある「死後の世界」まで丸ごとサポートするのが大きな特徴です。ホリステイック医学は、決して万病を治す特効薬を用意して

  いるわけではありません。患者自身が持っている「命」のエネルギーを最大限に引き出すお手伝いをするだけで、その「命」のエネルギーが結果的に病気を克服する

  力になるか、安らかな気持ちで死への旅立つ原動力となるかは、人によって異なります。その人にとって最も自然で、最も好ましい状態へ向かっていくことになります。

  これはとても意味のあることです。日本は世界1の長寿国ですが、寿命にも「頃合い」があり、現在の日本では、死ぬタイミングを失した状態で、本人が不本意なまま

  生きている方がたくさんいらっしゃるからです。本当に死にたい人までが無理やり生かされている老人病院の実態があります。10人の大部屋で、呼吸器をつけられ、

   点滴の管を外さないように、ベッドに手を縛れて、片隅に、精気のない顔をしたお年寄りの姿があります。死は終わりではなく、宇宙レベルの「命」の循環の通過点に

  すぎません。命あるものは必ずいつか死を迎えます。ですから、病気の人のみならず、健康なな人も、折に触れて自分の死に思いを()せ、人生に限りがあることを

  意識して、1日1日を大切に過ごすことが大切です。それが結果的に、より充実した人生、より良い生き方につながるのです。「生」が与えられている間は、その時間を

  大切に生き、「死に頃」が来たら、潔く、冷静に、安らかに逝ける準備を日頃からしておくことです。その指南書となれば喜ばしいことです。

死と向き合って元気に生きる 帯津療法の実際と気功のすすめ
手術なしで病気が治る時代が来る 代替医療の種類と効果
いい「場」はどんな特効薬より効く!? 帯津療法のQ&A

 


  ◎死と向き合って元気に生きる

死を見据えて、より良く生きる 死と向き合って元気に生きる
「何時でも死ねるぞ」と覚悟を決める 死んでも自分はある、死んだら自分に還る