食の安全 裏側の話

  ✤調味料

味噌
醤油 化学調味料
トマトケチャップ
味淋 マヨネーズ
砂糖

  ✲味噌

  大豆はそのままでは消化がよくないことから、煮たり、蒸したり、発酵させたりとアジアの国々では昔から、知恵を働かせて様々な大豆加工品が

  作られてきました。熊野古道の山中に近露という味噌山菜加工場があり、そこの様子から、まず工場の中には大豆を煮る大釜があり、麦はせいろで

  蒸して、種麹をふりかけ、木箱に入れて麹室で寝かせます。できあがった麹と1晩煮込んだ大豆と塩を混ぜて樽に仕込むのです。

  後は1年程置いておけば美味しい味噌になります。味噌は米から作るのが普通で「米味噌」と言います。蒸し米に麹をつけ、煮た大豆と米麹を

  合わせて醸造します。米麹の代わりに麦麹を使うのが麦味噌で、どちらかというと辛口の田舎風になるようです。味噌にはたくさんの種類があり、

  麹の種類と量によって大きく分けられます。麹の量が多いほど、甘口の味噌で、醸造期間も短くなります。関西でお正月の雑煮に使う白味噌等は

  殆どが米麹で、醸造期間も1ヵ月かかりません。田舎味噌は麹より大豆が多く、塩分も多くしますので辛口で味の強い味噌になるがその分

  醸造期間も長くなります。また、寒い間は殆ど醸造が進まないのでどの時期に仕込んでも結局1年くらいかかってしまうのです。

  少し麹の割合が多い「信州味噌」系では、春に仕込んで秋にはできているのが普通だそうです。また、醸造期間中に温度を上げてやれば

  、醸造期間はもっと短くなります。困ったのは市販の味噌と違って加熱殺菌してないので、袋に詰めると発酵が進んでガスが発生し爆発するのです。

  1番良いのは冷蔵で輸送することです。作っている現場では、樽の口にカビが生えてくるが別に問題はないが保険所はうるさいようです。

  商品として販売する以上、衛生面の責任は大きいので、今では当然のことでカビは取り除いて食べましょう。

                      

  ✲

  和歌山から田辺に至る途中に由良町という町があり、興国寺という寺があります。虚無僧の総本山として知られている禅宗の寺です。

  実はここが日本の味噌・醤油の発祥地とされています。中国から学んだ「径山きんざん寺味噌」という野菜の漬物を混ぜて仕込んだ味噌、

  「め味噌」とも呼ばれています。今の醤油は、日本酒の醸造法に影響を受け、原料も大豆の他に小麦を使います。大豆もそのままではなく、

  「脱脂加工大豆」と言って大豆油を取った「大豆粕」を使います。大豆から油をとり、残った粕の蛋白質を醤油のうま味成分であるアミノ酸の

  原料にするのです。これは合理的な方法ですが、最近は大豆をそのまま使う「丸大豆しょうゆ」が人気があるようです。丸大豆の方が

  良さそうに思えるが高価で、しかも油が出て、表面に浮いてきて醤油もろみが空気に触れられなくなる為、醸造に時間がかかります。

  醤油の醸造期間は味噌と同じくらい1年程だが、丸大豆では1年以上かかり、しかも出来上がった醤油から油分を取り除く手間、取り除いた

  油の処理の手間とコストで大変なのです。醤油のうま味はアミノ酸の量によって左右されます。普通は簡単に「全窒素量」で測ります。

  アミノ酸は必ずアミノ基を持ち、アミノ基は窒素を含むので、窒素の量を測ればうま味成分であるアミノ酸の量を知ることができるのです。

  通常、アミノ酸の量は脱脂加工大豆から作った物の方が多くなるようです。しかし、丸大豆の方は油脂由来の成分からくる風味があるので、

  味を比べると好みが分かれるところです。付け醤油なら、丸大豆、調理に使うには脱脂加工大豆の方が使いやすいのでは?

  これらの醤油は本醸造醤油と呼ばれておりますが、本醸造でない醤油が幅を利かせていた時代もあり「新式醸造」と呼ばれ、蛋白質を

  化学的に分解した「アミノ酸液」を使ったレベルの低い物もあったのです。

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  酢の醸造には酢酸菌が活躍します。酢酸菌はアルコールを酸化して酢酸を作ります。酢は酒のなれの果てと言えます。

  酢のメーカーは酒作りの工程を持っているので、いつも税務署がチェックしている?とか、酢に加工する前の酒の段階で出荷するのを防ぐ為です。

  酢の種類は原料によって、米酢、リンゴ酢、麦芽酢など呼び分けられている。ワインから作った酢だけはワインビネガーといい、粕酢というのは

  酒粕から作った酢で、酒粕に残ったアルコールを利用しています。一般的な酢に穀物酢というのがあります。これは米以外の小麦、コーン、酒粕

  等を使った酢で、穀物が原料であると名乗っています。酢の酸っぱさはアルコールから作られる酢酸によるものですから,酢の味は

  元の酒の味が生かされており、たくさんの種類がある酢を、料理によって使い分けることができれば、腕も1流と言うことにになるでしょう。

  これらの酢は醸造酢という分類になるが、対して合成酢というのは、醸造ではなく化学的に合成して作った酢酸を水で薄め、味をつけた物です。

  但し、今では店頭では見かけません。高級な酢以外は原料の中にアルコールを含むものが多いのです。

  酢の蔵元に行くと酒や醤油の蔵元とよく似ています。酢酸発酵の工程で、いろいろの醸造法があり、一番早いのが、原料になる酒に空気を  

  吹込みながら流下させると酒は酢に変わっているのです。酢酸菌はアルコール発酵する酵母などと違い、酸素を要求する好気性菌です。

  酸素さえ十分あれば、どんどん酢酸発酵は進みます。これに対して「静置発酵」というのがあり、黒酢がそれです。仕込まれた原料はカメの中で

  アルコール発酵します。アルコール発酵には酸素を必要とせず、この発酵は液の全体で起こり、その後酢酸菌が出て酢酸発酵が始まります。

  このとき酸素が必要で、従って液の表面だけ、アルコールが酢酸に変わり、できた酢酸はアルコールより比重が重いので 、ゆっくりと

  カメの底に沈み、浮かんできたアルコールがまた酢酸に変わるというわけです。こうして半年以上の長い期間を経て、酢が出来上がるのです。

  この間、酢酸発酵以外の反応も起こるので、色の濃い酢になるのが普通です。これが俗にいう黒酢です。黒豚や黒砂糖、黒ゴマの如く、

  白より良いと思っている人が多いようです。静置発酵による酢は奥深い味があり、酸素供給の普通の酢も、醸造後熟成され、味が良くなります。

  一般的にはこれが使われています。中国の醤油は黒酢で、味は濃く、殆ど醤油です。酸味が強いので中華料理に合います。