食の安全 裏側の話

 ✲酒

  ❈最近、人気が低下している日本酒ですが、代表的な日本酒は秋にできた新米で、冬に仕込むのが普通です。酒を搾る方法は、

  出来上がった「もろみ」を専用の袋に詰め、圧力をかけて搾ります。最初の内は圧力をかけなくても、自分の重みで白く濁った酒が出てきます。

  袋に酒粕が詰まってくると、それが濾過の役目をし、だんだん澄んだ酒が出てきます。濁っている酒も、タンクに入れてしばらくすると澄んできます。

  これが原酒で、変質を防ぐ為に加熱する「火入れ」をして、熟成させます。出荷の時に瓶に詰め、もう1度火入れするのが普通です。

  熟成の前の火入れをしないものを「生貯蔵用」、出荷時の火入れをしないものを「生詰酒」といいます。両方しないのが「生酒」です。

  日本酒の原料は米だが、普通に売られている日本酒には、米以外の原料も含まれています。日本では1960年代まで、ずっと米が不足して

  いました。酒は政府の貴重な財源でもあるので、うまくない米で、たくさんの酒ができる方法が研究され、そこで「水増し」した酒に、醸造用アルコール

  や、糖類を添加して、酒の量を増やす、「3倍醸造法」が一般的に行われるようになりました。こういう水増しの酒は、米が供給過剰になって

  も作られ続けてきました。最近、ようやく「純米酒」「吟醸酒」などの上質の酒も普及してきたが、人気の低下を防ぐには間に合いませんでした。

  純米酒は添加物を使わない酒で、吟醸酒というのは米の精白度合いを上げて醸造した酒です。米は内部ほど蛋白質が少なくでんぷんばかり

  になり、雑味のない酒ができるのだそうです。吟醸酒では貯蔵してるタンクを冷却して、冷蔵貯蔵するのが普通です。こうして香りの高い、

  冷やで飲んでおいしい酒を目指すのです。酒作りに向いた米というのは、こういう精白に耐え、できるだけ大粒の、しっかりした米が良いのです。

  但し、生産量に限りがあるので私達が食べているのと同じような品種の米を使ったものも多いのです。品評会では吟醸酒がもてはやされるが、

  実際には醸造用アルコールを加えた「本醸造酒」、「3倍醸造酒」も多く作られています。田舎に行くと、こういう酒の支持者が多いのだそうです。

  出荷時には原酒のまま出荷するのではなく、「加水」ということもされます。日本酒は蒸留していない酒としては例外的にアルコール度数が高く、

  20%近くに達します。そのまま飲むにはアルコール分が多過ぎるということで、出荷時に水で薄めてアルコール分を調整するのです。

  ❈山梨県を中心に、日本でもワインが作られています。ワイン工場に持ち込まれるブドウは、品種的に同じなのですが、手間がかかってない

  市場に出ないブドウです。酒は酵母によるアルコール発酵で糖がアルコールに変わることによってできます。米は糖類を含まないので、

  米のでんぷんをブドウ糖に分解するという工程が必要ですが、ワインではブドウの持っている糖分をそのまま使うので、醸造は非常に簡単です。

  その分、ブドウの品種や醸造の土地柄などに強く影響されるということです。日本酒が技術優位なのに対して、ワインは環境優位な酒といえる?

  ブドウに含まれる糖分と、できるアルコールとの割合は、糖分に対してだいたい半分のアルコールができる、ということだそうです。

  20%の糖分を含んだブドウからは、10%のアルコールを含むワインができるというわけです。日本では20%の糖分をもったブドウはできません。

  そこで、一般的に糖分を添加してから醸造することが行われています。糖分を添加して、アルコールに変えさせるのです。

  皮を取り除いたブドウで仕込むと白ワイン、一旦皮と一緒に発酵させると赤ワインができます。また、仕込みの時に亜硫酸塩を添加するのが

  普通です。無添加ワインは、この亜硫酸塩無添加ということです。特別美味しいとは言えないが、飲みやすいという評判です。

  唯、保存性に問題があって、白ワインでも、1年もすると色が濃くなって、味も変わってくるのが早いようです。亜硫酸塩は無毒で、フランスでは

  全然気にしていないようです。また、酒類はアルコールをたくさん含むので保存料を使わないのが普通ですが、保存料としてソルビン酸を

  添加しているワインもあります。(酢っぱくなるのを防ぐ?)ワインに関しては輸入ワインが圧倒的に多数を占めています。日本のブランドと

  なっているものでも、特に「国産原料使用」と断っていない限り、できたワインを輸入してきて、日本で瓶詰めしているのが殆どです。

  「国産ワイン使用」ととしているものも、国産と輸入ワインのブレンドで、量的には輸入ワインが主体になっています。これは値段が大きな理由です。

  ワイン専用種で作った輸入品には味も及ばない様です。この差は原料のブドウにあり、日本では生食用のブドウから作られているのです。

  ❈ドイツには「ビール純粋法」という法律があって、麦芽とホップ以外を原料にしたビールは禁止です。ワインへの加糖は認められている。

  フランスではその逆です。ドイツ人はフランスのビールを偽物呼ばわりし、フランス人はドイツのワイは偽物と呼んでいる。

  酒は民族の伝統文化なので、民族の誇りがあるようです。日本も米と米麹、醸造用アルコール以外は認めない日本酒を作ってはどうか?

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