食の安全 裏側の話

    ✲エビ

  エビには養殖ものと天然ものがあります。海老の世界では天然ものは小さな物が殆どで、1匹ずつ料理に使うようなものは養殖物が殆どです。

  最も一般的な物はブラックタイガーというエビです。これも養殖もので、基本的には海の生き物ですが、海水より塩分の少ない水で育てるとよく育つので、

  殆どが海岸に池を作って養殖しています。海の水を引き込んで、塩分の薄い状態で飼育するのです。エビの養殖は、昔は非常に問題が多く、

  病気が頻発するので薬品漬けになっているという批判を聞きました。台湾などで初期に行われてた養殖は、殆どが駄目になってしまい、新しい養殖地が

  世界中に開発されていきました。インドネシアでは河口にある自然の池を利用して、養殖されており、養殖が悪いのではなく、方法が問題という認識です。

  ニューカレドニアからも輸入されており、此処では、海岸の岬に作られ、外海に面したほうから海水を取り入れ、内海の方に流れ込みます。

  エビの養殖で何時も問題になるのは、餌のやり過ぎで養殖池の汚染です。毎日養殖池の底を調べて、食べ残しのないように管理されています。

  内海の生物やマングローブ林が流れ出る栄養分で大きくなっているそうです。養殖池で働く若者、海で漁労する人、様々ですが産業を育てるといことでは

  一致しているようで、仏領なのでフランス人の専門家が居て、環境を汚さず、永続的に養殖できるシステムを作っているということです。

  エビ、カニの類はすぐに黒く変色する傾向があり、それを防ぐために亜硫酸塩を使います。産地で大きなブロックにして冷凍したエビを日本で小分けして

  販売します。この国内での加工時に使うことが多いのですが、産地でも使っているようです。フランスのワインにも亜硫酸塩は使われているとのことです。

  加工場では米国で開発された食品の衛生管理の手法(HACCP)が採用されており、日本より優れた設備となっている。日本でも加工食品分野では

  取り組まれているが、生鮮加工では零細業者が殆どなので、あまり進んでいません。畜産や魚介の生鮮分野では、欧米の水準には及びません。

  まだまだ生産量は少ないが製品は最高級という評価です。日本は世界最大の食品輸入国です。特に魚介類の分野では世界中から集まっています。

  日本と比べて優れているのは、自然環境や文化を大切にする考えと、HACCPの最新式工場を作る考えが同居していることです。合理主義が進んでいて

  感情的な賛成や反対はない。その点、日本人と合理主義というのは、いまだに解決していない感があります。

  ✲工食品

  正月と言えば「おせち料理」です。生協で扱う商品は、点数としては乾物類が多いのですが、金額で言うと、あまり大したことはありません。

  昆布や黒豆、田作り等はおせち料理には欠かせないですが主力商品という程ではありません。やはり花形は数の子です。

  数の子はニシンの卵です。昔は北海道のニシンで間に合っていたのですが、現在はほとんどがカナダ、アラスカからの輸入品です。

  ヨーロッパ産の大西洋ニシンの卵もあるが、少し食感が違うということで、主に加工用に使われています。数の子は春に取れたニシンの卵を

  塩漬けにして輸入されてきます。塩漬けというより飽和食塩水漬けで、冷凍庫で保管するのですが、凍っているわけではありません。

  この状態で輸入されてきたものを買い付け、加工します。輸入前から漂白した物もあるし、無漂白の物を加工時に漂白することもあります。

  この漂白は普通、過酸化水素水で行います。年末大量発注するので、残った数の子はそのままの状態で、次の年末まで保管なれます。

  保管経費を考えると、叩き売った方が良いのですが、正月を過ぎると売れません。今でも、正月前の早い時期に売られている物は、そうした

  持越し品が多いはずです。漂白品と無漂白品とは一目で分かるほど色が違い、無漂白の良い物は黄金色できれいです。唯、欠点は

  数の子には寄生虫がついています。漂白すると目立たなくなるが、塩漬けされているので死んでいて害はないが加工時に取り除かれます。

  冬のパック旅行でお馴染みの「カニ料理」も、カナダ、アラスカからの輸入冷凍品がよく使われています。エビ、カニ類は「黒変」ということが

  問題になります。冷凍中は良いが解凍後しばらくすると黒く変色します。これは色素の問題で害はないが、これを防止のため、加工時に

  亜硫酸塩を変色防止剤として使います。しかし、急速解凍(調理する前まで解凍せず、直前に流水にさらして解凍する)であれば、黒く変色

  する時間がないので、問題なく味も良い、但し鍋物で、時間が経つにつれ黒くなっていくので変色防止剤もやむを得ないのか?と思います。

  かまぼこも紅の合成着色料が問題になります。天然着色料ならということで「アカネ色素」という着色料が使われていたが発癌性が認められた。

  日本では天然の食品添加物は天然物だからという理由で、殆ど検査なしで許可されていたのです。今では、順次検査を受けて許可を得た物

  だけが使われている。天然物は大丈夫というのは根拠のない思い込みだったのです。香辛料のウコンはどこの国で問題なしとされているが、

  食品添加物として使用するときだけ、規制される仕組みになっているのです。健康被害が出ても警告は出るが禁止はされていません。

  伝統的に食べられている食品は、ある程度害があっても規制はないのです。その代表がアルコールです。

  正月前のかまぼこは、年末に向けて、作り溜めをしたかまぼこを冷凍して、出荷時に出荷日付けをもとに、賞味期限を表示し、出荷していきます。

  クリスマスケーキなども同じ方法をとっているので、お馴染の手法です。生産と売れ行きのバランスの為にやむを得ないのですが、数の子や

  海老、カニなど殆どの冷凍魚介類もこういうことはあります。製造年月日はその原料の生産日ではなく、最終の加工日になります。

  賞味期限はその製造年月日を元に付けられています。その為、原産地で最終包装までしてしまったものは、国内での加工がない分、

  品質的には優れているが、製造年月日ひいては賞味期限は古いように思われてしまいます。今は賞味期限表示になったので、正月いっぱい

  あれば問題ないと理解されるようになりました。以前、製造年月日表示だった時は、新しければ新しほど良いという理解が一般的だったので、

  ちゃんとした工場で生産され、温度管理された商品より、スーパーのバックヤードで加工・パック詰めされた商品の方が製造年月日表示では

  圧倒的に有利になります。また、工場においても、夜中過ぎ、日付けが変わってから生産を始めたり、前日から翌日の日付けをつけて、

  生産するというフライングも見受けられました。日付けが変わってからの生産では、出荷時間に間にあわず、前倒して、時計も早めてしまう

  ということです。また、半製品として保管しておいて、出荷する日に日付けを付けるという方法も使われます。最終製品ができた日が

  製造年月日ですから、出荷日が製造日になるという仕掛けです。これらを考えると賞味期限表示の方が正直のように思えます。

  賞味期限表示にはメーカーの判断と責任が発生します。期限内の事故はメーカーの責任と割り切れるので消費者にとっては良いのでは?