食の安全 裏側の話

    

食材編 調味料編

 

  ✤食材編

野菜 牛乳
牛肉
ミカン
バナナ エビ
ハム 加工食品
卵・鶏肉

  ✲野菜

  ✣農薬と肥料の問題

  新鮮で無農薬栽培の産直販売が人気のようですが、土地改良から始まり有機栽培(有機JAS認証を受けた栽培方法)での農産物で無農薬は不可能。

  農薬は農業の進歩にとって、肥料とともに重大な成果をもたらしました。宮沢賢治の時代に今の農薬が使えたなら、娘が売られていくこともなかったでしょう。

  農薬が人類にもたらしたものは惨劇ではなく、恩恵でした。人口が大々的に増加した20世紀、その人口を支えたのは肥料・農薬・品種改良の3つの力を

  総合的に使いこなした農業の進歩でした。過去には危険な農薬もあったが、今ではずいぶんな改良されています。全く無害とは言えないが、適切な量を

  守って利益と不利益を計算した場合、圧倒的に利益が大きいということで満足すれば、すでに農薬の安全性は問題のないレベルになっているのです。

  しかし、そういう判断はなかなか世の中に広まっていきません。中国からの輸入食品もこうした心理からきています。ありもしない「農薬の害」を強調することで

  利益を得ようとしている人がいるのです。世の中でさも「無農薬」という触れ込みで売られている野菜の、かなりの部分がインチキです。

  そこで栽培の基準を決めてそれに従っているかどうかを検証可能な方法で証明しようというのがJAS(日本農林規格)法で定まられた「有機栽培」です。

  この制度がスタートしてから、弊害の多い「無農薬」表示は禁止されています。だから今「無農薬」というラベルが貼ってある野菜は100%インチキです。 

  農業の現場から言うと「無農薬栽培は不可能」ということです。なのに無農薬とか有機栽培と言う野菜が出回っているのは、農薬でない農薬を使っている。

  からです。有機栽培は厳しい基準があるが、使える農薬のリストがあり、農薬を使っているので無農薬ではありません。日本の有機栽培の基準が

  日本の現場に合った基準がいまだないのが現状です。天敵などの生物農薬、酢などの特定農薬は使用できます。「無農薬」ということが、病気や害虫に

  対して何もしないという意味ではないのです。農薬でない農薬というのは、農薬の登録はないが、農薬と同じ目的で使用されるもので、医薬品に対する

  健康食品のような関係にあります。例えば木を燃やした煙でいぶしたリ、加熱、乾燥すると共に、煙に含まれる成分が染み込んで、保存性をよくする「燻製」です。

  これは有害のホルマリンが働いているそうです。保存性を高めることがわずかな有害物質を含むよりも大切ですから、素晴らしい調理方法だったのです。

  つまり、有機栽培は無農薬栽培を目指したものではなく、無制限に農薬を使えるのではなく、使える農薬を限定し、何をどう使ったのかの証拠を残して栽培

  しています。有機栽培=無農薬は誤解です。許可されている農薬は全て、1定以上の安全性が保証されています。普通の作物より、より安全とそれなりの

  代価を払って有機栽培農産物というのが目標のようです。有機というと、実は農薬使用の有無よりも肥料の種類を区別する概念なのです。

  肥料には有機肥料と無機肥料があり、無機は有害と言う思い込みがあり、実は肥料の本質は無機の成分で、窒素、リン酸、カリウムが3大要素です。

  これらは全て無機の成分として植物に吸収されます。もとが有機肥料であっても同じことなのです。無機肥料を与えたからと言って、作物が有害になる

  ことは絶対にない。無機肥料を食物の安全面から避難するのは間違っています。それではなぜ、有機肥料の大切さが叫ばれるのでしょうか?

  それは良好な土壌を維持するには、有機物の投入が欠かせないからです。いくら作物が吸収するのが無機物だからと言って、無機肥料だけを投入して

  いたのでは、早晩土壌が疲弊して収穫が維持できなくなるのです。有機肥料を使わない農家はないはずです。有機肥料ばかりというのも効率を落とします。

  最近、生ゴミを堆肥にして使おうという動きがあるが、家庭で出るゴミは、一定せず、安定した堆肥を作るのは難しいのです。

  人間と家畜が一緒に暮らしてる地域では、家畜起源の病気が発生し、生産された肉も、一緒に暮らしている人間も危険にさらされているのです。

  農薬については、コストとリスクを下げる為、出来るだけ使用頻度を減らすのが良いのは確かです。具体的な農地の状況を把握し、農薬についても

  もっと調べて、よりよい使い方を実現してほしいものです。こうした農家の努力に対して、消費者はどうやって評価し、報いるか?その回答が「有機栽培」規格が

  登場したのだと理解するべきです。農家も努力し、消費者はそれを支援する事が求められているのです。有機栽培のラベルが付いていたら協力しましょう。  

  ✣中国野菜の農薬問題

  中国の食物は屋台や小さな店では非常に安く1〜2元(20〜30円)で食べられる。レストランで100元(1300円程度)も使えばかなりの御馳走です。

  町では農村から野菜や果物を売りに来た農民の直接販売で安い。中国では国全体としては高度成長の時期になっているが、国内の格差は大きく、

  都市と農村の貧富の差は拡大傾向にあります。中国では、国民は都市市民と農民の2種類に分けられ、農民が原則として都市に移住できません。

 最近は農民が出稼ぎで来て、ある程度定着しているが、都市の中の労働力になっているで、追い返されることはないが、正式な市民にはなれません。

  中国の国内では、農民の貧困問題が重大になっていて、農村に膨大な余剰人口を抱え、1人当たりの生産性の低さもあるが、農産物の価格の安さも

  原因一つのようです。農村の犠牲の上に、都市の市民が美味しい物を安く食べることができるようになているのです。日本では米の価格などを政治的に

  高くして農村の経済的格差を出来るだけ少なくしてきたが、中国の農民の人口が、今の半分くらいにならないと、豊かな農村は望めないでしょう。

  世界を見ると、農業に関わる人口の比率が小さい国ほど、食糧生産は多く、安定しているのです。日本もまだまだ農業人口が多過ぎる国で、日本の食料自給率

  の低さはこの辺に原因があります。農村の余剰人口を吸収するには、新たな産業でその人達が働けるようにしなければなりません。日本の高度成長期

  農村から都市へ人口の大移動が起こったが、それの10倍規模の移動が起こらねばならず、中国政府は高度成長政策をとらざるを得ません。

  その過程で貧富の差が拡大していき、問題解決の道が問題をより大きくしてしまうジレンマを抱えているわけです。中国でも農薬は普及してきています。

  ここ数年、中国国内でも農薬が検出されることが多く問題になっている。輸送方法の進歩で生野菜も輸入されるようになっている。そうした中で、

  中国産ほうれん草から基準値以上の農薬が検出され問題となりました。その背景には残留農薬の基準値の決め方の問題があり、日本ではほうれん草の

  基準値は0.01ppmで、中国では1ppmが基準値でり、100倍も違います。日本では問題となったが、中国では合格だったのです。中国の基準値が甘すぎる

  と思われがちですが、実はそうではなく、当時日本でも、白菜やキャベツは1ppmが基準値で、小松菜やブロッコリーは2ppmでしたから、日本のほうれん草の  

  基準値が低過ぎたのです。これは中国で使われている農薬が日本では使われてないので、わざと基準値を下げているのです。何故下げるのかというと

  使われていない野菜の基準値を下げておけば、使われている野菜の基準値を高めに設定しても、全体では安全な範囲に納まると主張出来るからです。 

  基準値の考え方は、いろいろな野菜に基準値までの薬が残留していても、全体としての摂取量は安全とされる量を超えないと、計算しているのです。

  ほうれん草が小松菜の犠牲になっていると考えれば分かりやすいと思います。実際には、基準値ギリギリ迄の残留が検出される野菜は殆どありません。

  安全面から言えば、問題となった中国産ほうれん草は食べても問題なかったレベルと考えても良いのです。すぐに実害があるような報道をしたマスコミの

  知識不足です。しかし、基準値は基準値ですから、輸出相手国の基準値を満たせなかったのですから中国側にも、もちろん責任があります。

  食糧の貿易では、こうした安全面の対策は輸入国の基準に合わせるのが常識です。たくさんの国へ輸出している国では、各国の基準を全てクリアしなければ

  ならないので、輸出国ほど厳しい基準で運用されることになります。殆ど輸出しない日本産の肉より、海外から輸入した肉の方が衛生面のレベルが高いと

  いうことがよくあるのです。その意味で、中国はまだ食糧輸出国の域に達していないとされても仕方ありません。最悪は北朝鮮からのマッタケに釘や鉛が

  混入されていたという話もよくあります。これは重量をごまかす詐欺の手口なのですがが、国際取引にはこうしたインチキがまかり通る国もある事実です。

  中国からの輸入される野菜の多くは、日本の商社が契約栽培させているもので、中国の農業が真の国際競争力を身につけるまでには、まだまだ問題を

  引き起こす可能性はあるが、いたずらに中国産だからと排斥するのではなく公正な競争のもとで、中国農業が真の力をつけることを期待しましょう。