健康長寿力チェックノート

 

  ✲二つのケンシンで健康確認

  現在は予防医学の時代。年齢を重ねると病気になる確率は高くなる。二つのケンシンで自分の健康は自分で守ろう。病気のサインを見逃すな!

  ✶定年後の健康診断は自己責任→高年期になって、自分が本当に健康であるかどうかを見極めるには、客観的な評価が必要です。自己判断は思い込みが強くて危険ですし、

  他の人たちを納得させられません。あなたは病気ではありません、とデータを揃えて決定を下すのは、日本では「2つのケンシン」、即ち、「健診」「検診」ということになります。

  発音は同じでも、中身は違います。前者は健康診断の略で、後者は単独の日本語です。日本は国民皆保険ですから、生まれた直後から健診に守られて育ち、一生を送ります。 

  まず、日本で生をうけると、母子保健法に基ずき、居住している自治体の行う新生児健診から乳児健診、三才児健診などを受けて、成長します。学校に入ると、文部科学省の

  管理による学校保健法によって、「学校健診」を受けることが義務ずけられており、小・中学の義務教育だけでなく、高校から大学でも引き続き適用されます。学校を卒業して

  就職すると、今度は厚労省の管理による労働安全衛生法などによって、「職域健診」を受けることになり、これは「職場健診」ともいわれ、費用は原則として雇用主が負担します。     

  そして定年退職すると、自営業の人や一般の主婦と同じように、「地域健診」の対象になります。法律は老人衛生法の適用となり、年齢は40才以上です。地域健診の

  正式名称は「基本健康診査」です。略して「基本診査」とか、「住民健診」「自治体健診」などとも呼ばれています。これを受けるか否かは、本人の意志次第です。

  地域健診でのチェック項目は自治体によって違うが、一般的に身体測定、血圧測定、血液検査、尿検査、胸部]線間接撮影を必須検査とし、他に、心電図、眼底検査などを

  選択検査としているところが多いようです。費用も無料のところもあり、有料のところもあり、金額は自治体によって大きく違います。2008年四月から職場健診と地域健診の

  必須検査に、新しく「特定検診」が加わりました。これは通称“メタボ健診”と呼ばれ、メタボりック・シンドロームかどうかの診断を行います。地域健診を特定健診で代用する

  自治体も多いようです。

  ✶健診と検診の違いは?→どこかに体に異常がないかと総合的に調べるのが健康診断、これに対し、体の特定の部位に病気がないかと調べるのが、もう1つの検診になります。

  肺癌検診、乳癌検診、糖尿病検診といった風に使われます。例えば内臓のどこかに異常があるのではないかと疑い、内科医の診断を受けると、これは内科検診になります。

  内科と特定しているので、健診ではなくなります。眼科でも耳鼻咽喉科でも特定の診療科で調べてもらうと、それは検診になります。しかし、人間ドックに行って、ただの

  健康診断だけを受ける人はまずいないと思います。大抵の人は気になって、癌の検査も受けることでしょう。この場合、癌の検査費用はオプションとなり追加料金となる

  ところが多いようです。そうすると、前段は健診、後段はオプションの検診ということになります。人間ドックは最初「短期入院精密身体検査」と呼ばれていました。

  ではメタボ健診は、メタボ検診ではと疑問を持つ方もいるでしょう。理屈ではそれが正しい筈ですが、特定健診が加わり、しかもメタボ検診は正式名でなく通称なので、

  従ってこれに限っては、メタボ健診でよろしいということになります。現役のサラリーマンですと、定期的に嫌でも職域健診が回ってきます。最近は商店の人達も組合ごとに

  定期健診を受けるようになってきました。問題は個人営業の人や専業主婦、フリーターと呼ばれる若者達と、職場を去った定年後の男性です。特に定年後の男性は、

  自治体で行っている二つのケンシンを受けるか、人間ドックを受診すればいいのですが、健康に自信のある人の多くは、ソッポを向いたままです。住民健診の受診率は、

  全国平均で約40%で、半数以上が受けていません。自治体で行う消化器の癌検診では、胃癌のバリウム検査、大腸癌の検便の受診率は50%以下です。

    ✶国によって違うウエストサイズの測定基準→2008年4月に始まったメタボ健診は、対象は40〜74才で、まずウエストサイズの測定を受けます。男性85cm、女性90cm

  以上あると血圧、血糖、高脂血症の検査に回され、基準値を2つ以上オーバーすると「該当者」、1つだと「予備軍」と判定され、保健指導を受けることになります。

  この決定に反対の声も渦巻きました。大半は腹囲の測定値で「男性に厳し過ぎ、女性に甘過ぎる」という反論です。その根拠は2004年の国民健康栄養調査の結果で

  40才以上の男性は、2人に1人が85cm以上のウエストをしていることが明らかになり、90cm以上の女性は5人に1人です。「元気に働いている男性が、少しウエストが

  大きいだけで、何故病人扱いされるのか」という疑念の指摘です。これに対し、国側の弁明は「男性に厳しいのは、自分の腹囲と、年齢と共に発症しやすくなる生活習慣病に

  強い関心を持ってほしいから、女性は動脈硬化に伴う病気の発症が少ないので、その現状から判断した」ということでした。外国での男性はほぼ90cm以上です。    

  人間は少し太めの方が長生きするというデータもあります。しかし、国からメタボのサイは投げられました。

  後戻りすることはないでしょう。年齢が重なると病気になる確率は間違いなく高くなるが、定年になった人が

  メタボ健診を含む2つのケンシンを受けなくても、呼び出されないし、ぺナルティも科せられません。あくまでも

  本人の自由です。自分の健康は自分で守る予防医学の時代であることを重ねて強調しておきます。

  ✲「かかりつけ医」もっていますか

  かかりつけ医は、健康相談などが気軽にでき、適切な専門医や、病院の紹介をしてもらえる。定期的に診てもらうことで、病気の早期発見に。これからは、かかりつけ医による

  健康管理が必須に!

  ✶先輩で、仲人で、船長、という役割→「かかりつけ医」という言葉はかなり定着してきたが、それでも正確に理解している方は少ないようです。いちばん混同されて受け取られて

  いるのは「主治医」です。交通事故で入院した時に世話になって、その医師と親密な人間関係ができて、何でも病気の相談に乗ってもらえる。基本的には、その医師は

  たまたま怪我をした時の主治医であって、かかりつけ医ではありません。昔と違って最近は診療科が細分化されているので、大病院に行くと診察を受ける科によって

  主治医は違うはずです。全ての病気に精通している医師は、まずいません。かかりつけ医とは、日本医師会が提唱して生まれた言葉ですが、自分の住んでいる近くの

  場所で開業し、普段から診療を受けたり、健康上の相談をしたりしている医師のことです。診療科を特別に指定はしていませんが、イメージ的には内科医と考えて、まず

  差し支えないでしょう。日本人は大病院志向であること、その大病院には患者が殺到し「3時間待ち3分診療」が当たり前になっていること、などの反省から生まれた制度です。

  かかりつけ医とは「あなたの健康の相談ができる先輩」「あなたと専門医を結びつける仲人」「あなたの家族の健康の舵取りをする船長」というキャッチフレーズで、その役割を、

  医師会は説明していました。かかりつけ医とホームドクターの違いがあるのか疑問を持たれる方が多いが、ホームドクターには、一家ぐるみの健康指南役という響きが強く

  あるが、最近はあまり使われなくなりました。病気が細分化され、年齢も性も違う家族全員を、1人の医師が診ることは不可能に近くなってきたからだと思われます。

  ✶どうして地元の開業医が必要か→何故医師会が地元にこだわるかというと、患者サイドにも数々のメリットがあるからです。高度の治療が必要になると、しかるべき病院の

  専門医が求められます。その場合、地元医師の紹介状があるとスムーズに進みますし、初診料も安くなります。どうして専門医の紹介がスムーズに進むかと言うと、

  かかりつけ医の多くは地元の中核病院と、いわゆる「病診連携」を結んでいるからです。かかりつけ医とは、名称的には殆どが医院とかクリニックの名前になっていますが、

  医療法では「診療所」となります。ですから病院と診療所のネットワークが病診連携ということになります。もう1つ、「診診連携」という言葉もあります。かかりつけ医は

  万能ではないので、患者から病気の相談を受けた場合、自分の専門でないと判断すれば、ネットワークを結んでいる別のかかりつけ医を紹介し、そこから中核病院につなげる

  システムのことです。さらに、かかりつけ医のメリットとして強調できるのは、中高年になると脳卒中などの発作は、圧倒的に自宅が多く、外では緊張していて倒れるケースは

  少なく、帰宅してホッと気を緩めたときに発症するのです。ところが家族があわてて救急車を呼んでも、大病院の救急べッドは満床で断られ、たら回しにされるうちに

  死亡する悲劇が各地で相次いでいます。お年寄りの交通事故や転倒事故などの多発で、救急ベッドは満床で、また慢性的な医師不足から、救急医などのスタッフの

  補充がつかず、受付を断る病院も増えているのが実情です。しかし、病気で倒れた場合、親しいかかりつけ医がいれば、往診を頼み、応急処置を頼むことができます。

  そして、病名が特定されると、救急ベッドではなく、病診連携を結んでいる病院の一般ベッドに緊急移送も可能になります。

  ✶脳卒中は発症から3時間以内の診療が鍵→脳卒中には血管が詰まる脳梗塞と、血管が破れる脳出血とがあるが、脳梗塞ですと、3時間以内の治療が“社会復帰の鍵”

  と言われています。発症して3時間以内であれば、血栓を溶かす新薬の「t-PA」が効力を発揮して血流が再開されるからです。後遺症がなく、元どおりに社会復帰できる

  確率は従来の1.5倍に上がっています。日本人の死因で長く1位を占めていた脳卒中は、現在でこそ、癌、心臓病に続いて3位ですが、発生患者数は決して減っていません。

  医療の進歩で以前なら助からなかった命が救われているだけで、実際には多数の人が後遺症との闘いを続けています。昔は倒れると絶対安静でしたが、今は一刻も早く

  専門医のいる病院へ届けるようにと変わりました。厚労省は医療費削減の観点から高齢者には在宅医療を奨励しているが、そうなると、訪問医療をしてくれる地元の

  かかりつけ医が必要になります、更に、介護ケアを希望するなら、かかりつけ医の認定が不可欠です。評判の悪い後期高齢者医療制度の中には75歳以上のお年寄りが

  かかりつけ医を選ぶ高齢者担当医制度も盛り込まれています。

  ✶探し方の基本は、地元の口コミ情報→どうやって、かかりつけ医を探すのかが、大きな問題です。地方ならともかく大都会では至難の業です。ずっと元気であった人が

  医師と接触がないのは当然ですが、定年になると居住自治体の国民保険証に変わり、地元で医師との接点が非常に多くなるので、心構えが必要です。探し方の基本は

  口コミにつきます。地元の情報に詳しい奥様方の意見をじっくりと聞くことです。いろいろの情報を総合して、信頼できる医師だと判断すれば、折を見て、かかりつけ医いになって

  ほし、と依頼するのが手っ取り早い方法です。断られることは、まずないでしょう。地域健診を受け、医師の人となりを自分で確かめる手段もあります。

  以前の医師像は、近寄りがたい存在でしたが、時代は変わって医師も地域の一住民になっています。地域での町内活動や防犯活動が盛んになり、接触する機会も増えました。