健康長寿力チェックノート

 

    ✲旧歴への誘い

  月の動きを基準にした旧暦こそ本来の人間のリズム。旧暦に合わせた早寝早起きが、前向きの充実した人生を送るキーワードになる。

  ✶今も旧暦を友にする漁師や釣り人→明治5年旧暦から新暦に切り替えられました。月の動きを基準した陰暦、正確には太陰太陽暦から、太陽1本の太陽暦への転換です。

  昭和30年前後には一般の家庭では日めぐりカレンダーが普通で、旧暦の日付けも、今日は大安とか仏滅とか友引とかいう付帯情報がついていました。ところが、海を仕事場と

  する漁師や釣り人の間では、消え去ろうとしている旧暦が今でも引き継がれています。大潮は、太陽と月と地球が一直線に並ぶ旧暦の朔日(新月)と十五夜(満月)の頃に起きます。

  潮の干満に、太陽よりもはるかに小さい月のほうが影響力を強く持つのは、月が地球の近くに存在するからで、それほど月や海は、私たちの身近にありました。特に大潮

  の時には、魚の食いが格段によく、そのため漁師は現在でも旧暦と共に生活をしているといえます。人間の体を表す漢字に月の字が多く使われている、脳、肺、骨、胃、

  肝、脾、胴、脚、脛などです。”生理”の医学的呼称は「月経」です。このように月の周期と一致する生理的現象が少なからず見られます。満月のときに犯罪が増加する、

  手術時に出血が多いなど月齢と関係する種々の現象があります。旧暦のもう1つの特徴は、新年が立春の頃から始まることです。草花など自然の営みは、新暦よりも、

  1ヵ月遅れの旧暦のほうが現状にマッチしています。新暦の1月7日の春の七草では、セリやナズナはまだ姿を見せていません。3月3日の桃の節句では、桃の花は

  咲いていません。7月7日の七夕は、梅雨の真っ最中で、織姫と彦星のデートは見れません。このように、旧歴は私たちの生活にも体のリズムにもかかわっています。

  ✶生体リズムと病気の関係→最近、早寝早起きが注目を浴びています。頭がよく働き、仕事の能率が上がるからです。さらに、ストレス解消になり、うつ病対策にも有効と

  いわれています。このような生活パターンは、人間の動物として自然の摂理にかなっているように見えます。夜明けの日の光を浴びると、人間はメラトニンという睡眠促進

  ホルモンの分泌が抑制され、満足感、高揚感を与えてくれるセロトニンというホルモンが増加してきます。朝の光の効果は人間の持つ体内時計と密接にかかわっている。

  近年、生体リズムと病気の関係も明らかになっており、気管支喘息は肺機能が低下する明け方に多く起きる、起床後の血圧・脈拍の上昇が心筋梗塞や脳卒中の引き金になる、

  胃潰瘍は深夜の空腹時に悪化するなどです。それに準じて、薬の服用法も「時間薬理学」の観点から決められるようになりました。例えば、胃潰瘍の薬は夜間に効果があるように

  投与する、降圧薬は就寝時に服用するなどです。加えて、体内時計が乱れると、癌のリスクも高まります。最近注目されているのは、認知症との関連です。これも体内時計の

  乱れに起因しており、光刺激でリセットすると、症状が改善することが数多く報告されている。客観的にみると、中高年者は、うつ病の多発世代であり、認知症の気配も

  漂い始めてくる年代です。そうした点からも、これからは早寝早起きが、前向きの充実した人生を送るキーワードになるように思われます。「早起きは3文の徳」と言われた。

  ✶2つの時代を行き来する下町散策→最近、「谷根千やねせん」巡りというのが人気になっている。東京の台東区谷中、文京区根津、千駄木のことで、神社仏閣、霊園、

  文人の住居跡に坂、石畳、路地があって、情諸たっぷりの下町です。そこは明治の面影を色濃く残し、江戸の香りも漂っています。その周辺から浅草界隈まで足を伸ばすと、

  江戸の頃から引き継がれた年中行事が盛りだくさんです。1年は初詣でに続いて。正月の門松やお飾りを焼く浅草・鳥越神社の「とんど焼き」で始まり、春は根津神社の

  「つつじ祭り」、浅間神社の「植木市」、夏は入谷鬼子母神の「朝顔市」、浅草寺の「ほおずき市」、暮れには、おおとり神社と長国寺の「酉の市」、浅草寺の「羽子板市」で幕を閉じます。

    下町の穏やかな空気に浸って、現代と明治・江戸との2つの時間を行き来すると、私たちが本来持っている旧暦という遺伝子を目覚めさせてくれるような気がします。 

 

  ✲ストレスに押しつぶされない防御策

  生きている限りストレスは避けられない。適度なストレスは緊張感のある生活を送るために必要であり、人生を豊かにしてくれる。良いストレスを味方につけ活動力の引き金に!

  ✶ストレッサー山積みの現代社会→現代社会はストレス社会と呼ばれ、様々なストレスが存在し、その原因も多岐にわたります。ストレスとは、精神緊張・心労・苦痛など

  ごく普通に見られる要因によって引き起こされる生体機能の変化のことで、一般に精神的・肉体的に負担となる刺激や状況のことを言います。ゴムのボールがよく引き合いに

  出されるが、新品のゴムボールだと手で押してもはね返す弾力を持っているが、傷がついたり古びたリしていると歪みやへこみが元に戻りません。人間も同じで、体も心も

  元気で健康であれば、少々のストレスなら、跳ね飛ばすことができます。しかし、健康に不安があれば小さなストレスでもダメージは大きくなってしまいます。ストレスは

  受ける人の心身の状態によって大きく変わるといえます。ストレスを起こす要因は「ストレッサー」というが、社会構造が複雑化し、自我意識も強くなった現代は「ストレス社会」と

  呼ばれ、私たちの周辺にはストレサーが山積しています。今、焦点になっているのは、「社会的要因」です。分類法はまちまちで人間関係で心の負担は精神的ストレス、

  勤務先の配属や給与格差などは職業的ストレス、夫婦仲の悪さや子育てのトラブルは家庭的ストレス、騒音や大気汚染は環境的ストレス、最近はIT的ストレスで自分が

  振り回されている、といった訴えです。また、病気による病的要因、自然災害による自然的要因、過度の運動や疲労による肉体的要因などもあります。

  ストレスを受け続けると、胃が痛み、下痢にもなり、頭痛が起きる人もいます。気力を失って寝込むこともあれば、対人恐怖症に陥ることもあり、更に進むとうつ病になります。

  ストレスの害で、最悪の結末を迎えるのが自殺の道を選ぶことです。日本の自殺者は10年連続で3万人を超えています。60歳以上が第1位で次いで50代ですが、注目すべきは

  30代、40代の働き盛りに命を絶つ人が増加し、全体の30%に及んでいることです。動機は健康問題、経済・生活問題、家庭問題と続きます。つまり原因の多くは、

  病気、生活苦、家庭不和が占めている、一方、自殺未遂者はこれの20倍から30倍に達するという見方もあります。

  ✶多種多様の防御策→ではストレスを緩和・解消するにはどうすればいいか?残念ながらストレスをなくすことはできません。生きている限り多かれ少なかれストレスは

  続きます。大切なのは、自分のストレス状況と、その対処法を知っておくことです。原因は様々で、ストレスを感じる人によっても違うので、対処法も数多くあります。

  気分転換、運動する、休息をとるなどもあるが「癒し」がストレスを和らげる手段や行為として盛んに使われている。最近では森林浴や、音楽療法も人気を集めている。

  昔から心身の疲労を取り除くのは、睡眠と入浴が2本柱といわれてきました。ストレス解消策は、「STRESS」の字からSはスポーツ、Tはトラベル、Rはレクレーション、

  Eがイート(食事)、Sがスリープ、Sがスマイルという説もあります。同じストレスでも受け取る側によって良くもなり悪くもなるし、生きている限りはストレスは無くならないので、

  ストレスのない世の中も面白くもおかしくもありません。若いうちは血気盛んでも、中高年になれば、イライラやカッカするのを控えるのも、ストレス抑制策の1つです。

  有難うと言える人は長生きするともいわれます。心の余裕があり、悪いストレスに押しつぶされないからでしょう。