気になる症状と病気
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✣頭と顔の異常
✶頭痛
✦繰り返し起こる頭痛
頭を締め付けられるような鈍痛が続く → 緊張型頭痛
月に1〜4回程度の頭痛、頭痛の前に目の前がチラチラしたり、ギザギザの光が見えたりする → 片頭痛
年に1〜2回、1〜2ヵ月間、ほぼ毎日 明け方の決まった時間に片目の奥に激しい頭痛が1〜2時間続く → 群発頭痛
痙攣、意識を失う等などの症状の後に頭に鈍痛がある → てんかん後頭痛
脈が速くなる、動悸、呼吸困難、発汗、手が震える、顔面が蒼白になる、吐き気・嘔吐、めまい、脱力感、疲労感、血糖値が高い → 褐色細胞腫
片側の顔の下のほうに短く鋭い痛みがある。触れたり笑ったりすると痛い → 三叉神経痛
その他 → 発熱、ストレス、睡眠不足、人混み、環境化学物質、高血圧、心臓病や高血圧の血管拡張薬など
✦だんだんひどくなる頭痛
高熱、痙攣、錯乱、意識がもうろうとする・なくなる → 髄膜炎
吐き気・嘔吐、片側の麻痺、歩くとふらつく、早朝に頭痛がひどい → 脳腫瘍
手足の片側が麻痺、時には物忘れがひどくなる、性格が変わる → 慢性硬膜下血腫
立った姿勢で後頭部が激しく痛むが、横になると楽になる → 低髄圧による頭痛
その他 → 発熱など
✦急な激しい頭痛
↱ → 意識がなくなった → くも膜下出血
吐き気 →∣ ↘ 脳静脈洞血栓症
嘔吐 ∣ ↗
↳ → 痙攣 → もやもや病
∣ ↓ ↘ 高血圧性脳症
∣ ↳ めまい、手足の麻痺やしびれ、物が二重に見える、ろれつが回らない → 脳出血
↳ → 眼の痛み、視力の低下 → 緑内障
その他 → 三叉神経痛、帯状疱疹後の神経痛、パニック障害、他の脳血管障害など
✶顔の異常
頭からあご、口の中が痛む。一回の痛みは鋭く、何回も起る → 三叉神経痛、帯状疱疹後の神経痛
顔の片側が緩んで、表情が出せない、片側からよだれが出る → 顔面神経麻痺
片側の目の周りの筋肉がピクピクし、顔の片側全体がピクピクすることもある → 顔面痙攣
緊張型頭痛:慢性頭痛の1つ。「ヘアバンドをしている」「きつい帽子をかぶっている」といった頭を締め付けられるような痛みがほぼ毎日起こり、1〜2時間或いは
神経内科 1日中、痛みや頭が重い感じが続く。肩こりや首筋のこりを伴うことが殆どで、めまいや目の疲れ、体のだるさや疲労感があることも。50代になると増える。
ストレスによる血管や筋肉の収縮が原因の頭痛全般を広く指す。ストレスには肉体的、精神的、細胞ストレス(細胞が刺激され起る)の3種がある。
片頭痛:慢性頭痛の1つ。月に1〜4回程度、「ズキンズキン」「ガンガン」「ドクドク」と脈打つような頭痛が、4〜5時間、長ければ3日ほど続く。吐き気や嘔吐を伴うことが
神経内科 多く、また階段の上り下りなどの動作だけで痛みが増す。頭痛の直前に目の前がチラチラしたり、ギザギザの光が見えたりする。仕事が一段落したとか、
ストレスから解放された時、休みが取れた時に起こるケースも多い。音や光、振動、寒さにも過敏になり、体の向きを変えるだけでも痛みが増す。
群発頭痛:慢性頭痛の1つ。特に片側の眼の奥が、えぐられる感じがするほど激しく痛む。涙が出る、充血する、目が細くなる、瞳孔が小さくなるといった症状が出る。
神経内科 前兆として痛みが起こる側の首筋のコリを感じる人も。群発頭痛が起こっている間にアルコールを飲むと痛みがひどくなる。20〜40代の男性に多い。
てんかん後頭痛:脳の神経細胞が異常に興奮して起こるてんかん発作の後、頭痛が起こることがある。大人では頭の怪我や脳腫瘍、脳血管障害がてんかんの原因と
全身の発作時は救急車神経内科 なる場合が多い光や音、運動などによって誘発されることもある。
褐色細胞腫:それほど激しくない頭痛を繰り返すほか、脈が速くなる、動悸、呼吸困難、発汗、手が震える、顔面が蒼白になる、吐き気・嘔吐、めまいなど高血圧に伴う
内分泌内科か循環器内科 症状が出て、その後脱力や疲労を感じることもある。血糖値が高くなり、尿にも糖が出る。脳出血、肺水種、心不全などに注意が必要。
髄膜炎:ウイルスや細菌が脳を覆う髄膜(くも膜と軟膜)に感染し、炎症を起こす。ウイルス性のものは炎症が髄膜だけで治まることが多く、それほど心配はない。しかし、
激しい頭痛 細菌性のものは、脳に細菌が入ったり、髄膜の周囲の血管を傷つけたりすると命に関わり、また後遺症が残ることがあるので、早い治療が必要になる。
なら救急車 一般には区別がつかないので、救急車で病院へ。38〜39℃の高熱が出るのが特徴で、風邪よりもずっと激しい頭痛があり、特に後頭部が痛む。
脳に炎症が広がると、痙攣、錯乱、意識の混濁、意識がなくなえるなどの症状も出る。前者で頭痛がひどい場合には鎮痛剤や消炎鎮痛薬を服薬し、
後者の場合は細菌に合った抗生物質の大量注射が必要になる。
脳腫瘍:腫瘍が大きくなるに従って、脳が圧迫されて頭痛がだんだん激しくなる。吐き気・嘔吐・腫瘍のできた部分によって、視力の低下、片側の麻痺、ろれつが回らない、
神経内科か脳神経外科 行動に異常などが現れる。
慢性硬膜下血腫:頭を打った際に脳を守る外側の膜(硬膜)の静脈が切れ、その下のくも膜との間に血がたまっていく。1〜2ヵ月後に血の塊が脳を圧迫して痛みを起こす。
神経内科か 車に乗る時に頭をぶっつけたといった、こぶもできないような軽い打撃でも起ることがある。高齢になると、痴呆や脳血栓などと間違えられることもある。
脳神経外科 だんだん頭痛が激しくなり、手足の片側が麻痺、時には精神症状が出る。治療は手術で血の塊を取る。
低髄圧による頭痛:脳を満たす髄液が漏れて少なくなり、立つと脳内の髄液が下がって、激しい頭痛が起こる。横になると痛みは治まる。髄液のもれやビタミン類の不足など
神経内科 が原因と考えられている。腰椎から髄液の圧を調べ、診断がついたら、髄液が漏れなくなるまで2〜3週間の安静にしておく。
くも膜下出血:脳を守る3つの膜(外側から硬膜、くも膜、軟膜)のうち、くも膜と軟膜の間に出血が起こったもの。脳の血管のこぶが(動脈瘤)の破裂が直接の原因で、過労や
救急車 高血圧が引き金になるほか、脳血管に先天的に異常がある場合も多い。再発や死亡の危険性が高い。後頭部を中心にバットで殴られたような、急な激しい
頭痛が起こる。続いて吐き気と嘔吐があり、場合によっては首筋が硬くなったり、意識がなくなったりする。治療は開頭手術で血の塊を除くのが一般的。
脳出血:脳の内側の血管が破裂し、血の塊が血管や神経を圧迫して、様々な症状を引き起こす。血の塊の周りの血液の循環が落ち、むくんだ状態になる。動脈と枝分かれ
救急車 する部分の細い血管に出血することが多い。高血圧や高脂血症の人は特に注意が必要。入浴、排便、セックスなどの血圧が上がる時に起こりやすい。
脳静脈洞血栓症:脳の大きな静脈(脳静脈洞)が詰まって血流が悪くなる。脳静脈が完全に詰まるとうっ血のため、出血することも。副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎など鼻や
神経内科 脳の炎症や腫瘍がきっかけとなることが多いが、原因がわからないケースも少なくない。頭痛や嘔吐が続き、痙攣、意識を失う、両足が動かしにくい、ろれつ
救急車 が回らない、物が見えにくいなどの症状を伴うこともある。治療はむくみを取る薬で脳の圧力が高まるのを防ぐ。出血前なら血液を固めないような薬を飲む。
もやもや病:首から頭にかけて走る内頸動脈の末端がだんだん狭くなったり詰まったりする難病で、日本人にとくに多い。30才以上では脳出血で発病がわかる場合が殆んど。
救急車 突然の激しい頭痛、吐き気や嘔吐、痙攣、意識不明など。治療は他の動脈をつなぐなどして脳の血流を良くする。脳動脈瘤の場合は血の塊を取り除く。
高血圧性脳症(循環器内科):脳出血やくも膜下出血などと良く似ていて、急な頭痛、吐き気や嘔吐、痙攣、意識不明など、しばらくして、血圧が下がると治まる。
三叉神経痛:三叉神経は
神経内科 周囲の血管に圧迫されて起るものもある。第1枝は鼻より上にあり、痛みは少ない。第2枝は下まぶた、ほお、口の中、上あごの歯や歯肉、大3枝は側頭部、
耳、舌、下あごの歯や歯肉。いずれも痛むのは片側の特定の部位で、1回の痛みは鋭く、数秒から数十秒で、繰り返し起こる。軽く触れたりつねったりといった
刺激や、笑う、話す、食べるという顔の筋肉の運動で痛むことが多い。治療は抗てんかん薬が効く。過敏な場合は麻酔薬などで神経の伝達をブロックする。
帯状疱疹後の神経痛:帯状疱疹の後に三叉神経がヘルぺスウイルスに冒されて、三叉神経と同じような痛みが出る。これは第1枝が痛む。坐骨神経痛や肋間神経痛
神経内科 として下半身や胸が痛むことも。治療は鎮痛薬や抗うつ薬などを飲み、注射やレーザーによる神経ブロックや鍼治療などを行う。
顔面神経麻痺:顔面神経に支配されている顔面の筋肉がうまく動かなくなる。原因は様々でアレルギーや寒さによる場合や「ベル麻痺」「ハント麻痺」などがある。
神経内科 顔の片側が緩んで、額や鼻の周りに
副腎皮質ホルモンやビタミンB12 薬、末梢の循環を改善する薬などが使われる。マッサージや低周波による刺激、顔を動かす練習も有効。
顔面痙攣:後頭部にある細い動脈が顔面神経に圧迫されるのが原因になることがある。片側の目の周りの筋肉がピクピクし、やがて顔の片側全体に広がる。
神経内科か 治療は薬で駄目なら手術で顔面神経と細い動脈の癒着を外すことも検討する。ボツリヌス菌を目の周りの筋肉に注射して収縮する神経を麻痺させることも。
脳外科