✤私達の身体を支配する偉大な自律神経

生命を支配している自律神経 自律神経から治療法が見えてくる

    生命を支配している自律神経

  人間の60兆個もある細胞間の連絡を取り、調節しているのは、自律神経です。脳がすべてを支配しているように思いがちですが違います。

  脳の指令を受けなくても、心臓や消化管は自動的に動いているでしょう。脳の影響は受けるが、自律神経は自律しているのです。

  酸素や栄養が全ての細胞に届かないと生命体の維持は不可能です。その調節と循環の指示を全細胞に出しているのが自律神経です。

  運んでいるのが血液で、餌を酸素で燃焼させ、エネルギーを作っている部位が細胞の中のミトコンドリアです。生命維持は血液の循環で

  なされ、循環を調節しているのが血管を取り巻き全身に行き渡っている交感神経です。副交感神経は首と腰からしか出ていません。 

  首のそれは心臓や胃などの上半身の働き、腰からのそれは骨盤内の働き、つまり消化液の分泌や排便の指示を出しているのです。

  身体の働きは全て自律神経の支配のもとにあります。血圧、血糖、、呼吸、心臓などの循環器や胃などの消化管の働きは自律神経によって

  調節されています。その他、汗や唾液などの分泌、尿の排泄、体温など、体内の状態や生きている環境をたちどころに読み取って指示を

  出しています。これらの多岐にわたる身体の働きを、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスで調節しています。自律神経は、体内の

  エネルギーを消費・蓄積する代謝エネルギーシステムと深く関わっていて、交感神経が優位になるとエネルギーを消費する体調、副交感神経が

  エネルギーの消費を抑えたり、蓄積する体調になります。自律神経は昼間は交感神経優位、夜は副交感神経優位の体調に自然と調節する

  ようになっています。自律神経は、私達が生きている場所の気圧、温度、湿度などの環境と身体内部の状況、精神状態を含めた条件に

  基ずいてどう対応すればいいか決めているのです。あらゆる情報を読み取って、その人の生き方に合わせてちょうどいい体調を作り出している

  わけです。これらの指示はそれぞれの器官の細胞を通して血液の循環に乗って伝わっています。血液の循環が悪いと、細胞は弱っていきます。

  そのとき血管に絡みついて指示を出しているのが交感神経です。つまり循環を調節し、各器官の細胞をつないでいるのが自律神経です。

  何処を切っても血が出るように、身体中の血管を通して、一つ一つの細胞に、過不足無く酸素と栄養を送っているのです。体温を維持し、

  活動できるのも、循環がきちんと行われているからです。しかも全ての細胞、各器官が循環を通して密接に結びついて働いています。

  腎臓が悪い、血圧が高いといって利尿剤や降圧剤を出す処方、こんな見事な自律神経を1つや2つの薬で思うようにしようと考えるのが愚かです。

  律神経から治療法が見えてくる

  身体を防御する仕組みの基本は白血球です。免疫と呼ばれている自己防御システムの中心的な働きをしています。ほぼ全ての臓器が

  自律神経の交感神経と副交感神経の元に動いていると分かっていたが、これまで血液中を循環している白血球のような動く血球細胞は、

  自律神経の支配を受けにくいと考えられていたが、白血球も支配を受けていることが判明した。正常な人の白血球は約60%の顆粒球と

  約35%のリンパ球、残りの5%がマクロファージという比率が平均値です。この比率(分画)が、活動時の交感神経が優位になっている体調では

  顆粒球が増え、リンパ球が減少します。その逆に休息して副交感神経が優位になっている体調では、顆粒球が減少してリンパ球が増えています。

  リンパ球は副交感神経の刺激で活性化し、交感神経の刺激を受けると抑制され、顆粒球はその逆です。白血球も自律神経に支配されている。

  顆粒球とリンパ球は共に身体を防御する血液細胞ですが、働き方が違います。顆粒球は細菌などの大きな粒子の異物を丸ごと飲み込んで

  加水分解酵素と活性酸素を使って分解し、処理していきます。その闘いぶりは化膿性の炎症を起して治癒するという形になって現れます。

  傷口や手術後の化膿がそれです。目に見えないけれど、腸の粘膜の炎症や胃の潰瘍は、ほぼ常在菌と顆粒球が闘っているので炎症を起して

  いるのです。リンパ球より顆粒球が多いのは、私達の身体に侵入してくる異物や細菌が非常に多いためです。闘いに備えているのです。

  交感神経が優位になる昼間、顆粒球の比率が高くなるが、これも活動すると、外気に触れたり、手足を怪我して細菌が侵入する危険性が多い

  からです。私達の意思に関係なく、自律神経は見事な防御体制を敷いています。身体を最前線で守っているのは顆粒球ですが、その網を

  くぐって侵入してくる細菌よりさらに小さくて、危険な異物があります。ウイルス、細菌の出す毒素、異種蛋白質、空中から入ってくるいろいろな

  危険な微粒子、花粉、微細な異物などです。それらを処理しているのが、リンパ球です。リンパ球は異物(抗原)を飲み込むのではなく、

  接着分子(抗体)で抗原を凝集し処理しています。リンパ球の闘いは、1度対決した抗原を記憶していて2度目の時は病気を起こさないうちに

  防ぐ、免疫の働きを持っています。最近よく言われる「免疫力」はリンパ球の働きです。リンパ球は、副交感神経が優位になる夜間や休息・食事を

  摂っている時比率が高くなり、活発になります。つまり免疫機能が高まります。夜間は体内の細胞が入れ替わる時間帯ですから、壊れた

  細胞や老化した細胞をリンパ球はマクロファージと協力して処理しています。多くの人が一夜にして百万個の癌細胞ができるといわれているが、

  それらもリンパ球が除去しています。そのため、癌にならなくて済んでいるのです。免疫抑制剤やステロイドを長く使っていると発癌しやすく

  なる理由は、この働きを抑えているからです。細菌が入ってきたらすぐに駆けつけて闘う顆粒球と違って、リンパ球は普段休んでいて、

  微細な異物を察知してから細胞分裂して闘う体制を整えています。これが闘う為の潜伏期間で3〜5日間が必要です。

  リンパ球には異物を認識する多くの細胞があり、癌を攻撃するNK(ナチュラルキラー)細胞、胸腺外分化T細胞、T細胞、B細胞があります。  

  免疫というと、ウイルスのように外から侵入してくる異物に対応する働きと考えられていました。つまり、自己と非自己を見分ける働きです。

  しかし、早い時期に進化して生まれた、古いリンパ液、NK細胞と胸腺外分化T細胞は、自己を認識しながら、体内に異常があった時に働きます。

  外から侵入してくる異物に対応するだけでなく、癌細胞、老化細胞などを攻撃する働きは、体内の異常を察知して反応しているのです。

  古いリンパ球にこのような働きがあるという事実から考えると、そもそも免疫は、外からの異物を認識するために生まれたのではなく、

  体内に異常があったときに働く機能を基本に進化してきたと見るのが、本来だろうと思います。

  生物が水棲から陸棲になった時、陸の方が明らかに異物が多いので、それに対応して進化したT細胞・B細胞という新しいリンパ球が生まれた

  と考えられます。T細胞は胸腺、B細胞は骨髄から作られるが、胸腺も骨髄も陸棲になって進化した臓器です。ところが、免疫学は、

  外からの侵入した異物を認識する、新しい免疫系のT細胞・B細胞ばかり研究していたので、古いNK細胞や胸腺外分化T細胞の働きを

  過小評価していたのです。このところ、ようやく白血球の基本細胞のマクロファージが顆粒球とリンパ球に指示を出しているとわかりました、

  古いリンパ球にも注目するようになったが、大本では自律神経が白血球を支配しているという当りの研究は、まだ殆ど手がつけられていません。

  これでは体内の異常から発症する癌を始め、難病の治療の道筋が見えてこないのは当然です。