◆健康の知識編     
日本人の健康度の把握 健康寿命の延長を目指すを健康2
生活習慣病の危険因子と予防対策 歯の健康は、健康寿命の延長へ
疫学から見た長生きのヒント 医学から延ばす健康寿命
生活習慣を見つめな直す

日本人の健康度について把握しよう

  2005年 平均寿命  男性 78.53才   女性 85.49才     健康寿命  男性 72.3才   女性 77.7才    いずれも世界1

    平均寿命と健康寿命の差は6〜7年ありますが、この差を短縮する為、生活習慣病や寝たきりの防止が大切になります。

  どのような疾病が多いのか?  第1位  癌(約30%)   第2位  心疾患(約16%)   第3位  脳血管疾患(約12%)

    この3つの疾患で全体の60%を占めています。次いで 第4位  肺炎(約10%)   第5位  不慮の事故(約4%)   第6位  自殺(約3%)

    第7位  老衰(約2%)となっています。

  国民生活基礎調査 − 健康に関する調査が3年に1回行われています。

   有訴者率(病気や怪我などで自覚症状がある者の率) − 平成16年 31.7%  65才以上で国民の半数 自覚症状としては

   腰痛、肩こり、手足の関節が痛むなどです。

   通院者率(医療施設に通院、通所している者の率) −     同上 32.5%   同上 国民の6割以上 通院者の疾病として多いのは

   高血圧症、腰痛症、虫歯、糖尿病などです。

    健康上の問題で −

   日常生活動作や外出に影響がある者   65才以上  各10.5%

      仕事・家事・学業に影響がある者       同上     9.5%

   運動に影響がある者               同上     6.4% 

  患者調査 − 3年に1回行われている

   65才以上の方の約4%が何らかの疾病で入院し、同約11%が何らかの疾病で外来での治療を受けている。

  傷病別に見ると

   入院では精神及び行動の障害、循環器系の疾患、癌などの割合が高い

   外来では消化器系の疾患(歯の支持組織疾患も含む)、循環器系の疾患、内分泌、栄養及び代謝疾患(糖尿病など)などが高い。

     
生活習慣病の危険因子と予防対策とは?
  かっては、加齢に伴って増加する疾病を成人病と呼び、その防止のために早期発見・早期治療(二次予防と呼ぶ)を重視した

  対策が行われてきたが、加齢だけでなく、個人個人の日常の生活習慣が大きく関与することが明らかとなり生活習慣病と呼ぶように

  なりました。これらの疾患は、個々の持つ遺伝的要因や環境要因に子供の頃からの生活習慣が積み重なって起ってくるものです。

  遺伝的要因や環境要因を変えることは難しいが、生活習慣は自分自身で変えていくことが可能です。

  生活習慣病の予防の為には、二次予防だけでなく、健康の保持・増進(一次予防と呼んでいます)に主眼を置いた疾病予防対策を

  推進することが求められるようになっています。

  3大疾病の発症・進行に関連するとされている危険因子(リスク要因)とその予防対策について解説します。

  癌の予防対策

  日常の生活環境や職場の環境から発癌要因をできるだけ取り除き、また、発癌物質に対して生体の免疫機構が正常に働くような、

  健康な身体を作っておくことが大切です。癌との関係がよく知られている因子を下図にまとめておきます。

  

    環境・習慣的要因とは、太陽光線・大気汚染・職業・

  飲酒・運動不足を含んでいます。

 

  発癌の機構は完全には解明されておらず、発癌を阻止する

  ことは困難です。無自覚でも早期に発見して、外科的

  或いは放射線などによる治療を行うことが必要と

  思われます。

 

  

 

  循環器疾患の予防対策

  循環器疾患の一次予防として、危険因子を減少させることです。即ち、喫煙を止める、食塩の過剰摂取を避ける、運動を心掛ける、

  肥満を解消することなど、生活習慣の改善が重要です。二次予防としては早期発見・早期治療ですが、脳血管疾患のうち、

  脳出血では血管が破綻しやすい状況(総コレステロールの極端な低値など)との関連が見られますが、脳梗塞では心筋梗塞や

  狭心症といった、いわゆる虚血性心疾患と同様の動脈硬化性の変化、即ち血管が詰まりやすくなる状況が問題となります。

  近年の傾向からみても、動脈硬化への対策が生活習慣病の予防において、重要性が高いと考えられています。

  動脈硬化症の3大危険因子とは?

  脳動脈硬化症と冠動脈硬化症で多少の違いはあるが、動脈硬化症の危険因子の多くは共通しています。動脈硬化症の危険因子のうち、

  3大危険因子とされるものに、喫煙、高血圧、高コレステロール血症があります。性別や年齢も関係ありますが、これらは改善できません。

  この他の危険因子としては、糖尿病、肥満、痛風(高尿酸血症も含む)、ストレス、遺伝、運動不足、A型性格行動パターンなどがあります。

  加齢による生理的な動脈硬化は一種の老化現象ですが、これに様々な危険因子が集積することにより、いわゆる動脈硬化症が起ります。 

  アンバランスな食生活、喫煙、ストレス、運動不足などが動脈硬化症を進行させます。

  注:A型性格行動パターン - 競争心が強い、責任感が強い、せっかち、などの性格で、血液型のA型が危険因子というわけではない。

           *不適当なライフスタイルと動脈硬化症のつくる悪循環について下記に示します。

    不適当なライフスタイル   →  危険因子    →    動脈硬化   →     合併症    →    転帰

       食品の偏り        高血圧、高脂血症      冠動脈硬化      虚血性心疾患       死亡

       運動不足          喫煙、糖尿病        脳動脈硬化         脳卒中         障害 

      ストレス過剰                    肥満、痛風                      腎動脈硬化                    腎不全     

                                       抹消動脈硬化             閉塞性動脈硬化症          

  これらの危険因子は単独で存在するよりも集積することで、より危険度が増加することが多くの研究で示されています。

  例えば喫煙、高血圧症、高コレステロール血症の3大危険因子の組み合わせでは、単独に比べ、3.6倍の虚血性心疾患の発生率が

  高まる、また、危険因子が単独の場合でも無いグループと比べ2倍以上の発生率となっている。3大危険因子の組み合わせでは

  危険因子の無いグループに比べ8倍ほど危険が高まるとことになります(米)。

  喫煙と動脈硬化の深い関係

 喫煙が虚血性疾患におよぼす大きな影響

  肺癌をはじめとするいくつかの悪性新生物と喫煙との関連については、すでによくご存知のことと思います。では、喫煙が動脈硬化を

  進展させることにより、様々な循環器疾病の危険因子となっていることはご存知だったでしょうか?

  喫煙者が非喫煙者の何倍ぐらいその疾患で死亡するかという指標(相対危険度といいます)を見てみると、1日1箱の喫煙では、

  虚血性心疾患や脳血管疾患において数倍といったところでしょうか。肺癌では、この相対危険度は5〜10倍ぐらいとされています。

  喫煙がそれぞれの疾患(及び死亡)を何倍くらいに増やすかという見方をするなら、肺癌に対する作用の方がより強力なのです。

  ところが肺癌という患者数と虚血性心疾患の患者数は後者がとても多いので、せいぜい数倍といっても、その数は大きなものになります。

  社会的な影響の大きさから見ると、喫煙が虚血性心疾患におよぼす影響は甚大といえます。

 

   

  喫煙習慣の長い者は、非喫煙者に比べ、およそ7倍も

  心疾患で死亡しやすいと言う事が示されています

 

  過去に喫煙習慣があったとしても、現在、禁煙を行っている

  者は、2倍前後とその割合が抑えられていることがわかります。

 

 

 

 

    喫煙が動脈硬化を引き起こすメカニズム

  喫煙の影響で、血管の内皮(管の内側の壁)が傷つきやすくなり、物質が染み込みやすくなります。このことにより、コレステロール

  などが血管に蓄積し、血小板などの血液が固まる為に必要な物質が必要以上に働いてしまうことなどが、喫煙による動脈硬化の

  進行の原因と考えられています。また、喫煙は脂質代謝にも影響をおよぼします。例えば、動脈硬化の進行を遅くする善玉のコレステロール

  を減少させ、悪玉のコレステロールの変性を促進することが知られています。このことは、特に、高コレステロール血症がある場合に

  喫煙が動脈硬化を顕著に進展させることの理由と考えられています。

  食生活・運動習慣が危険因子を減らす

  高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病、高尿酸血症などの危険因子は、どれも皆、食生活と密接に関連する要因です。特に消費エネルギー

  に対する摂取エネルギーの相対的過剰によってもたらされる肥満は、生活習慣病のほかの危険因子を助長することが知られています。

  複数の生活習慣病の重なりはメタボリックシンドロームと捉えられ、その背景は遺伝的要因や加齢なども関係していますが、

  食習慣や身体活動といった日常の生活習慣が深く関連することが知られているので、早期に生活習慣を改善することが重要です。

  高血圧予防の為には減塩、高脂血症で高コレステロール血症の予防には動物性脂肪やコレステロールを多く含む食品の制限

  高中性脂肪血症には脂肪摂取に対する注意のほかに、アルコール、甘い菓子類、果物などの糖質の摂取も、合わせて制限する

  ことが必要です。肥満は、他の危険因子とも密接に関連しますから、運動と減食による減量が必要です。

  さらに、ライフスタイルの改善として、禁煙、ストレスの解消、運動習慣の維持などが重要となってきます。