◆毎日の食事

毎日の食事が健康の基本 食品衛生の注意点
高齢者の食生活の注意点 食事の質を上げる7つのポイント
高齢者の食事の調理の注意点 1日の栄養素量
     
毎日の食事が健康の基本です

  毎日、栄養素と水分が必要なわけ

  人間が心身共に健康でいきいきと過ごすには、何といっても十分な食事が必要です。私達が歩いたり、仕事をするときなど、体を動かす為には、

  エネルギーを必要とします。何もしないで寝ている時でも、呼吸をしたり体温を保持するなど、たえずエネルギーを消費しているので、

  食物を規則正しくとって、エネルギーを補う必要があります。

  人間の体は、食物を介して体内に取り入れた、炭水化物、脂質、蛋白質、ビタミン、ミネラルなど栄養素と呼ばれる物質と水分で作られています。

  心臓や肝臓、胃、腸などの臓器や、筋肉、骨、血液は、生まれてから死ぬまで同じものではありません。体の組織は、寿命となったものは壊れ、

  新たに作り替えられることが常に行われています。 それらの材料となるものも、食べ物に含まれる栄養素なのです。

  カロテンなどのビタミンや、カルシウムなどのミネラルは、毎日の必要量は少なくて良いのですが、これらが不足すると、炭水化物、脂質、

  蛋白質などの栄養素が体の役に立つことができなかったり、骨や歯が弱くなる、貧血になるなど、健康を損なう原因となります。

  そして、これらの微量栄養素の必要量は、高齢者でも若い人と同じくらいの量が必要となります。 

  このような理由で、高齢者といえども、病気を予防し、健康であり続けるには、食事の質・量ともに、バランスよくとる必要があります。

  水分を十分にとる習慣をつけよう

  暑い夏になると熱中症で倒れる人のニュースを聞きますが、そのうちの多くは高齢者が占めています。何故高齢者に熱中症が多いのか?

  人間に含まれている水は新生児では体重の70〜80%

  成人で約55〜60%、高齢者では約50%となっています。

  このため、高齢者は、日常の運動や外気の乾燥などによっても、脱水状態を起こしやすい

  状態にあるといえます。

  


  また、老化は乾燥のプロセスであるともいわれています。加齢による体内の水分調節の変化を簡単に説明すると、まず、口渇中枢機能が

  低下して、喉の渇きを感じにくくなり、水分の摂取が減ります。一方、腎臓の機能低下によって体外に排出される水分の量が増えます。

  つまり、水分を摂取量が減り排泄量が増えるため、体内の水分バランスがとりにくくなり、その結果、自覚の無い脱水症状が起きてしまいます。

  さらに、体内の水分量が少ないため、1度、暑熱環境下で体温が上がってしまうと、なかなかもとの体温に戻らなくなってしまうことがよくあります。

  このように、高齢になればなるほど、喉の渇きが実感しにくくなると共に、頻尿や尿失禁を気にして水分の摂取を避ける傾向があります。

  60才を過ぎたらご自身で喉の渇きを感じないときでも、食事時間の合間でも水分をとる習慣をつけましょう。また、寝たきりの方に対して、

  脱水を防ぐ為、周囲の注意と援助が必要です。気がついたらいつでも水分の補給をする。それでも決して多過ぎることはないのです。

     
高齢者の食生活で注意すること
    食事で注意するポイントとは?

  60才代の高血圧症の方は、約50%にものぼり、脳卒中による寝たきりを生じる原因となっています。高齢者の方への食事の注意点。

  @一度に大食いせず、いつも腹八分目を ー 食べ過ぎは高血圧を悪化させます。3度の食事を規則正しく、腹八分目を守りましょう。

  A糖分の多い食品はとり過ぎないように − 糖分の過剰摂取が続くと、肥満、動脈硬化を促進します。大事な栄養素が不足します。

  B食塩の多い食品は摂り過ぎないように − 高血圧をもたらします。料理の味付けは薄味にし、食塩を多く含む調味料や漬物を控え目に

  Cカリウムやカルシウムなどのミネラルや、食物線維を十分にとろう − このミネラルは過剰なナトリウムを尿中に排泄させ、食物繊維は

  便と一緒に排泄させます。野菜や果物には、カリウムや食物繊維が多く含まれているので、毎食食べるように気を配りましょう。

  D栄養のバランスをとり、良質の蛋白質を十分に − 血管を丈夫に保つには良質の蛋白質が不可欠です。蛋白質の不足は血圧を高める

  という説もあります。また、鉄・銅・亜鉛などの金属のミネラル摂取も不足しがちになります。特に亜鉛は服薬により吸収が阻害されます。

  E肉はなるべく脂身の少ないところを − 動物性蛋白質は体を維持するのに必要ですが、脂肪は必要ありません。魚の脂肪は大切です。

  適度な飲酒と禁煙を心がける − 飲酒量や飲酒頻度の多いほど、高血圧者の割合が高く、禁酒や節酒によって血圧が下がる人も

  多い。一方、少量であれば、血管を拡張して血液の流れをよくしたり、ストレス解消などで血圧に好影響をもたらすことも分かっています。

  1日当たりの飲酒量は、アルコールに換算して20〜30gに抑えるように心がけましょう。

  ビールなら大瓶一本、日本酒なら1合、ウイスキーの水割りなら2杯、ワインならグラス2杯ぐらいがちょうどその量にあたります。

  一方、喫煙はニコチンなどの作用により、心拍数が増え、細い血管が収縮するなどして、血圧を一時的に上げます。慢性化かどうかは不明。

  喫煙は動脈硬化を促進し、強心症や心筋梗塞、脳卒中などを起こしやすくします。

     
高齢者の食事の調理法で注意すること
  高齢になって歯の数が少なくなると、咀嚼能力が落ちてしまいます。このため、あまり噛む必要がないものを好んで食べるようになり、

  栄養が偏ってしまったり、噛み砕きにくい野菜類を避ける傾向があるので、便秘がちになったりします。また、よく噛まないと、食べ物を

  よく噛み砕かずに飲み込み、さらに胃腸などの働きの低下によって、十分に消化できない為、下痢になることがあります。

   これらの症状になった時の高齢者の方の食事の調理法方を、次に上げておきます。  

  噛みやすい食事の調理方法

  1口大のサイズに切り、噛みやすい軟らかさに調理します

  野菜や芋類は、隠し包丁を入れて食べやすくします

  肉は薄切りをたたいて用い、ひき肉は2度びきにします。火加減は強火になり過ぎないように注意します

  はるさめなどの麺類は、細かく切って使用します

  魚は骨の少ない切り身を選びます。食べる前に骨・小骨を取り除き、身をほぐします。できるだけ形を整えて皿に盛り付けます

  果物は1口で食べられる状態で出します(隠し包丁を入れます)

  焼き海苔などは、口にへばりつきやすいので、細かく刻み、ご飯に混ぜるか、佃煮とします。粉末状の青のりをご飯や天ぷらの衣に

  混ぜたりして使うことも、味の変化を楽しめます

  酢の物はむせやすいので、酢は少量とし、だし汁で薄めます(甘味があったほうが良いでしょう)

  もちや汁粉など、喉に詰まらせやすいものは、白玉粉、いももち、そばがきなどの代用品を用います

  便秘になった時の食事の調理方法

  朝食前に冷たい牛乳を飲むと かなり効果があります。水分は、便を軟らかくする働きがあるので、不足しないように注意してください。

  便秘の場合は、腸に刺激を与えることが必要ですから、食物繊維が多い野菜、果物、海藻類などを多めに摂るようにしましょう。

  便秘だからといって食事の量を減らすと、さらに便秘が進んでしまいます。便秘であっても、消化吸収が低下しているわけではないので、

  今までどうりの食事の量をとりましょう。

  ビタミンB1を含む麦ご飯や小麦胚芽なども便秘に対して効果があります。また、蜂蜜、水あめなどの糖類も便を軟らかくする働きがあるので、

  上手に利用しましょう。

  下痢になった時の食事の調理方法

  下痢が激しい間は絶食し、番茶や果汁で水分を補給します。長い間でなければ、栄養素の不足を心配することはありません。

  天ぷらやフライなど、油ものは下痢が止まるまで控えます

  症状の回復を待って、半流動食、三分がゆ、五分がゆにし、下痢が止まったら全粥から常食に移り,量も少しずつ増やしていきます。

  副食としては、卵、白身の魚、じゃが芋などの食物繊維の少ないものを選び、すりつぶすなどして軟らかく調理して食べます。