知りたかった食品成分の機能とエビデンス

                                                                 コラーゲンペプチド

    コラーゲンは、体の皮膚や骨、腱、血管などをつくるたんぱく質として欠かせない成分といわれ、美肌を気にする女性などを中心に人気があるが、本当でしょうか?

  コラーゲンペプチドは、特定の単一の分子ではなく、様々な動物組織から抽出したコラーゲン(ゼラチン)を食品添加物として使用可能な植物由来プロテアーゼや

  微生物の酵素、或いはある種の微生物由来の酵素を固定化して、加水分解したものです。動物の結合組織中にあるコラーゲン(スパーへリックス構造)は、強固な

  線維で水に不溶ですが、豚の骨や皮、或いは魚のうろこや皮などを加熱抽出するとコラーゲンが変性し、ゼラチン(ランダムコイル構造)化します。ゼラチンは、

  分子量も大きく、冷えるとゼリー化する性質があるため、ぜりーやマシュマロなど様々な調理や食品に利用されています。このゼラチンを工業的にタンパク質分解酵素で

  処理したものがコラーゲンペプチドと呼ばれるものです。これはゲル化能をもたない低分子で、また様々な分子断片の混合物で、遊離アミノ酸やオリゴペプチドも含みます。

  サムゲタンや豚骨スープ等、動物の肉、骨、皮を長時間煮込んだスープなどには、ゼラチン化したコラーゲンが多く含まれると考えられます。一方、部分分解され、

  低分子化されたコラーゲンペプチドがどの程度含まれているかは不明です。現時点では、一般的な食品や調理でコラーゲンペプチドを多く摂取できることは期待できません。

  がしかし、発酵食品(鰹節やくさや)や、酢を使用して長時間過熱した調理では、ゼラチンの部分分解が生じている可能性も考えられます。漢方薬の「黄明膠おうめいきょう」「阿膠あきょう」は

    牛やロバの皮から作られるゼラチンで、止血、創傷治癒や関節痛緩和に用いられてきました。作用メカニズムにコラーゲンペプチドが関与しているのでしょうか?

  コラーゲンは、動物の真皮、腱、軟骨、骨などに多く存在する細胞外基質タンパク質の1つです。基本的には、コラーゲンは、我々動物の結合組織の構造を保つために

  必要な構成分子として、重要なたんぱく質と考えられています。食品由来のコラーゲン或いはゼラチンは、その一次構造から消化・吸収性が低いとされ、また、コラーゲン  

  分子のアミノ酸組成は偏っていて、必須アミノ酸のトリプトファンが含まれず、タンパク質栄養としては高く評価できません。そこでゼラチンを酵素処理し低分子化した

  コラーゲンペプチドの特異的な生理機能が注目されているわけです。一方、コラーゲン分子と類似したアミノ酸配列をもつタンパク質として、アデイポネクチン、マクロファージ

  スカペンジャー受容体2、BMPなどが知られています。このことからコラーゲンは構造タンパク質としてだけではなく、何らかの細胞機能を調節する調節分子或いは情報分子

  としても機能する可能性が考えられています。コラーゲンペプチドの作用として、論文レベルで、特定配列のジペプシドやトリペプチドが線維芽細胞や白血球の運動性を

  活性化するなどの報告があります。コラーゲンは各組織で生合成され、また分解もされます。一方、元来体内のコラーゲンの代謝は比較的ゆっくりで、しかも加齢により

  代謝回転速度が衰えた場合、コラーゲン分子は、酸化修飾を受けているといわれています。そこで、簡単にコラーゲンの原料をサプリメントとして補うという考えが生まれたのです。

  ⃃人での評価は、現時点で米国でのコラーゲンペプチドという項目はなく「鶏コラーゲンU」が取り扱われており、安全性での信頼のある効能データは得られていないので

  妊婦や授乳婦の摂取は避けるように記載され、ハープ、その他のサプリメント、薬物との相互作用についても不明です。関節リウマチや関節炎に20แg/日の使用で効くと

  記載されています。論文レベルでは、コラーゲンペプチドは乾燥肌や肌荒れ、関節リウマチ、変形性関節炎、骨密度、爪の維持などに有効性ありと示唆されています。 

  コラーゲンペプチドはサプリメントして摂取する場合、適切な経口摂取ではほぼ安全といわれているが、ゼラチンに関するアレルギーを有する場合は注意が必要です。

  また、妊娠中の安全性についても十分なデータがありません。現在「コラーゲン」の名前でサプリメントとして市販されているものに、本体が「ゼラチン」であるものと、ゼラチンを

  加水分解したコラーゲンペプチドが存在します。コラーゲンペプチドは、原材料の動物種、加水分解方法、精製方法の違いで、平均分子量や含まれるペプチドの種類が

  異なります。これら全てをコラーゲンとして評価するのではなく、きちっと分けた研究が必要です。これらを考慮して美肌効果や関節能力向上に関する信頼できるデータが重要です。