知りたかった食品成分の機能とエビデンス

                                                                アルギニン

  食品中の蛋白質を構成する20種類のアミノ酸のうち、9種類は体の中で合成できない為、必須アミノ酸と呼ばれます。アルギニンは必須

  アミノ酸に含まれない物の、ヒスチジンと同様に乳幼児では合成が非常に少なく、栄養学的に必須であることから準必須アミノ酸と呼ぶ。  

  アルギニンは体内のアミノ酸代謝により発生する有毒なアンモニアを尿素に処理する働き、クエン酸回路、クレアチン酸の合成、ポリアミンの

   合成にも関与しています。アルギニンが最近注目されるようになった理由の1つとして一酸化窒素(NO)の多彩な機能が判明してきたことです。

  NOは様々な細胞においてアルギニンと酸素を基質として、NO合成酵素(NOS)により産生されます。NOは常温下では気体として存在し、

  細胞膜を自由に通過して細胞内外の情報伝達に関与する極めてユニークな情報伝達物資です。狭心症治療薬のニトログリセリンや勃起不全

  治療薬のシルデナフィルの作用機序にも関与している。NOSには3つのタイプが存在・神経型(神経細胞に存在し神経伝達に関与している)、

  ・誘導型(マクロファージなどに存在し細胞障害作用に関与して生体防御反応している)、・内皮細胞型(血管内皮細胞に存在し、血管を拡張させ、

  血圧を低下させる作用があります)します。

  また最近、アルギニンはn-3系脂肪酸、核酸、グルタミン酸と共に免疫強化経腸栄養剤の成分として添加され、周術期(術前・術後)に使用する

  と過剰な炎症反応と免疫能の低下を抑制し、術後感染症の発生を低下させると共に、重篤な病後において回復時間を短縮する。

  さらに、アルギニンは診断用薬としての用途もあり、アルギニンの成長ホルモン分泌刺激作用を利用して、下垂体機能異常の検査に使います。

  健康な人が経口で適量摂取する場合には、殆どの人に安全ですが、稀に、腹痛、下痢をもたらす場合があるので容量を正しく守る必要がある。

  血清の尿素窒素やクレアチンの濃度上昇、アレルギー反応や気道の炎症、喘息の気道炎症をの悪化を引き起こす可能性があるので、これらの

  疾患を持つ方は注意が必要です。妊婦、授乳婦の安全性に対する信頼度の高いデータは現在ないので、使用は避けましょう。

  医薬品との相互作用が報告されているので、使用に際しては注意が必要な場合があります。

  ニトログリセリン、イソソルヒドなど、心臓への血流を増大させる医薬品と併用すると、めまいや立ちくらみを起こす恐れがあります。

  高血圧治療薬と併用すると血圧が下がりすぎる可能性があり、めまいなどの副作用をもたらす可能性があるので注意が必要です。

  アルギニンは非必須アミノ酸であり食品にも多く含まれ、機能もあるが、必ずしも「マルチ」な機能をもったアミノ酸ではないようです。

食品中のアルギニン量(mg)

 食品名

蛋白質  (g/100g) 可食部100g当り 蛋白質   1g当り 鶏卵・全卵 12.3 780 63
ゴマ 19.8 2,700 138 イカ・生 15.6 950 61
カシューナッツ 19.6 2,300 117 マダイ(生) 19 1,100 58
アーモンド 18.6 2,100 113 イワシ・マイワシ・生 19.2 1,100 57
車えび(生) 20.5 1,900 93 本マグロ・生・赤身 28.3 1,500 53
凍り豆腐 50.2 4,200 84 ほうれん草・生 3.3 150 45
精白米 6.8 550 81 小麦・中力粉 9 350 39
大豆(国産) 35.3 2,800 79 プロセスチーズ 22.7 820 36
鶏・もも・皮なし 18 1,200 67 さつまいも 1.2 41 34
豚・ロース・脂身なし 19.7 1,300 66 牛乳 2.9 93 32
牛・サーロイン・脂身なし 18.4 1,200 65

キャベツ・生

1.4 43 31