知りたかった食品成分の機能とエビデンス

                                                 栄養素と食品成分 (炭水化物系統) 

難消化性デキストリン マンノオリゴ糖

フラクトオリゴ糖

キシリトール キトサン

アルギン酸

マルチトール ラフィノース  
ヒアルロン酸 グルコサミン

脂質系

                                               

                                                                                         難消化性デキストリン

  これまでアミノ酸、ペプチドなど、タンパク質系統の食品成分についてみてきたが、今回からは糖質、炭水化物系の食品成分についてみていきます。

  まず始めに、整腸や血糖値コントロールを目的とするトクホや、食物繊維サプリメントの成分としてよく使われている難消化性デキストリンについて。

  2006年の国民健康・栄養調査の概要では、食物繊維の摂取量は平均約14gであり、日本人の食事摂取基準で示されている目標量約20gと比較しても、5g以上不足

  している状況である。そのような観点から、食物繊維サプリメントの利用が推奨され、その成分として難消化性デキストリンが注目されている。

  これは高分子の水溶性多糖類で、食物繊維、すなわち、人の消化酵素では消化できず、ほかの食品成分と相互作用を起こしながら一部はそのまま便として排泄され、

  また一部が腸内細菌によって資化され、発酵を受けて有機酸を生成する成分として、とくに腸疾患の予防や代謝性疾患の予防に役立っている成分です。

  食物繊維の生理作用は消化管機能の様々な場面にわたっているが、、生活習慣病予防の観点からみると、便秘や大腸憩室症、大腸がんなどの消化管関連疾患の予防と、

  高血糖、脂質異常症、糖尿病、動脈硬化症、心臓病、胆石症などの代謝性疾患の予防の二つに集約できる。水不溶性食物繊維においては消化管関連疾患に効果が高い

  と言え、水溶性のほうは消化管関連疾患の予防ばかりでなく、代謝性疾患においても効果が高いと言えます。難消化性デキストリンは水溶性ですが、粘性は高くない。

  以上の点から、トクホでは整腸効果と血糖上昇抑制効果の二つの食品の関与成分となっています。一方、低粘度からコレステロール抑制効果にはなっていない。

  水溶性食物繊維による食後血糖値上昇抑制効果のメカニズムは、摂取後、消化管内で粘性やゲル化などの物理化学的作用により、胃内滞留時間の延長や拡散阻害による

  グルコースなどの単糖の小腸吸収速度遅延によるものとされている。小腸での吸収遅延により血糖値の急上昇が抑えられ、その結果、インスリン分泌量を上昇させる

  必要がなくなり、インスリンの節約効果をもたらすものと考えられています。難消化性デキストリンも同様な効果をもたらすものと考えられます。また消化酵素を阻害する

  効果もあり、これによっても食後血糖値の上昇が抑制されると推察されます。

  難消化性デキストリンは、でんぷんを原料にして生成された物質であり、そのもとになっている焙焼デキストリンは、医薬品の賦形剤や食品添加物としても広く利用されている

  成分なので、その安全性は高いものと判断でき、食品に含まれる食物繊維と同等に考えてよい。したがって安全な摂取量は食事から摂取される食物繊維と合算して、

  日本人の食事摂取基準の摂取目安量(約25g程度)を超えないようにすることも重要です。

  難消化性デキストリンを用いた血糖値の気になる方のための食品の摂取方法においては、食事とともにこれらの成分を含有する食品・飲料を同時に摂取しなければ

  効果がないことに注意しなければならない。また糖尿病治療薬を服用している方やインスリン注射を実施している方の場合は、これらの食品の利用によって、場合によっては

  低血糖症状を起こす可能性があることについて十分な留意が必要です。