知りたかった食品成分の機能とエビデンス

                                                               グロビン蛋白分解物

  グロビン蛋白分解物は、食後血清中性脂肪の上昇を抑える働きがあることから、トクホの関与成分として認められている。食後の血清中性脂肪が上昇しにくい、体に脂肪が

  つきにくい食品成分としては、ジアシルグリセロール、中鎖脂肪酸(MCT)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などが知られています。

  グロビン蛋白質は、ヘムと結合してヘモグロビンを構成し、赤血球の成分となることはよく知られているが、グロビン蛋白分解物はどうでしょうか?

  食品中の中性脂肪は、ほとんどがグリセロールに3つの脂肪酸が結合したトリアシルグリセロールとして存在します。中性脂肪はそのままの状態では水に溶けにくい性質、

  即ち、小腸から吸収されにくい性質を持っています。そこで肝臓から分泌される胆汁中の胆汁酸によって乳化作用を受け、複合ミセルを形成して水に溶ける状態になります。

  複合ミセルに溶け込んだ中性脂肪は、膵臓から分泌される酵素リパーゼの作用によって脂肪酸のエステル結合が切断され、脂肪酸が切り離されます。これにより

  アシルグリセロールと脂肪酸が生成されます。両者は小腸の細胞に吸収されたのち再度中性脂肪に再合成されるが、この状態では水に溶けにくく血液中を運搬できないので、

  水に溶けるタンパク質と結合した複合体(カイロミクロン)を形成し、輸送されます。

  グロビン蛋白分解物は、豚などの家畜から取り出されたカイロミクロン(廜畜赤血球)に含まれるグロビン蛋白をプロテアーゼ(蛋白分解酵素)で加水分解して得られたペプチドです。

  グロビン蛋白分解物は、脂肪の消化のために分泌されるリパーゼの活性を抑制する作用が判明しています。食後に摂取すると脂肪が分解されにくくなり、吸収が抑えられる

  ため、食後の血中中性脂肪値を上昇させにくいものです。ジアシルグリセロールは、小腸において吸収されたとき、小腸の細胞内で中性脂肪に再合成されにくい性質を

  持っているので、中性脂肪の運搬体であるカイロミクロンの合成や、カイロミクロンが運ばれていくリンパ管への移行が遅くなり、食後の血清中性脂肪濃度を上昇させにくい。

  他の代表的なトクホの血清中性脂肪を低下させるメカニズムは? ✧中鎖脂肪酸は、胆汁酸とミセルを形成しなくてもリパーゼの作用を受けやすいだけでなく、小腸細胞内で

  カイロミクロンを合成しなくても門脈を通じて、直接肝臓に運ばれエネルギーになります。このため脂肪はつきにくいと考えられています。

  ✧魚油に多いEPAやDHAは、遺伝子発現に作用して肝臓における脂肪酸合成を低下させる作用と、肝臓における脂肪酸の酸化が亢進するものによると考えられています。

  グロビン蛋白分解物は、脂質の消化に関わる酵素リパーゼに作用することから、食事の際に食べ物と一緒に飲用する必要があります。また脂質の消化の阻害作用が

  効果を発揮するメカニズムであることから、脂質の消化が十分に行われないことによって、飲み過ぎや体質・体調によりお腹が緩くなる可能性があるので、1日摂取目安量を

  正しく守って飲むことが必要です。

  ✲中性脂肪値が高くなる原因

   ✦単純にエネルギーが過剰である場合・・・過剰なエネルギーは、体内で最も少量でエネルギー値の高い脂肪に変換されます。また、アルコール過飲、過食(夕食)

   運動不足、肥満も高中性脂肪血症の原因です。血液中の中性脂肪を低下させるために脂肪を控えて、代わりに炭水化物をたくさん摂ると結果的に血清中性脂肪値を上げます。

   脂質、糖質、たんぱく質は、いずれも消化・吸収を経て脂肪酸、単糖類、アミノ酸となり、このあと異化作用を受けて、すべてがアセチルCoAを生産します。

   そして、アセチルCoAはクエン酸回路で酸化され、さらには酸化的リン酸経路によりエネルギーを産生します。エネルギーがあまり必要でない状態では、クエン酸回路に

   おける酸化は抑制されるため、アセチルCoAが蓄積されます。これを原料に、パルミチン酸などの脂肪酸が合成されます。糖質が脂質に変換されるということの理解が大事です。