知りたかった食品成分の機能とエビデンス

                                                                CPP(カゼイン、ホスホ、ペプチド)

  CPPは、牛乳の主要タンパク質カゼインから酵素分解して得られる成分です。腸管でのカルシウムの吸収性を高める働きのあることからトクホなどで活用されています。

  牛乳には約3%のタンパク質が含まれているが、そのうち約81%がカゼインで、残りの約19%が乳清(ホエー)と呼ばれています。

  食品に添加されているCPPは、工業的に作られています。製造法は溶解したカゼインにトリプトシンを作用させ、加熱処理したあと酸沈殿で不純物を除き、カルシウムと

  エタノール処理で沈殿を回収、これを乾燥しCPPとして利用されます。このCPPは、高純度で臭いや味が殆どないため、飲料や食品に加えられて利用されています。

  工業的に作られる以外にも一部の乳製品にはCPPが含まれていると考えられています。カゼインを含む乳製品を摂取することで、我々の消化管内でもカゼインから

  CPPが生成されていると考えられます。また、ヨーグルトやチーズなどの発行乳製品は、微生物の生成するタンパク質分解酵素の作用でCPPが生成されているようです。

  CPPは、いわゆる高リン酸ペプチドという構造を生かした作用が注目されています。

  @牛乳がカルシウム吸収に効果があり、CPPが発見されたことから分かるように、CPPの生体での働きはカルシウム吸収促進です。そのメカニズムは私達が摂取した

   カルシウムは胃内で一旦可溶化されるが、小腸で不溶性のリン酸カルシウムとなり、吸収されにくくなると言われてます。CPPは、このカルシウムとリン酸の不溶化を

  妨げることで、消化管でのカルシウム吸収を促進すると考えられています。カルシウム吸収率の低い人はCPPにより1.5〜2倍程度にカルしオウム吸収率は上昇するが、

  もともとカルシウム吸収率が高い人はCPPの効果が殆ど見られない。そこでトクホ(特定保健用食品)としてカルシウムを摂取するのに適した食品として開発された。

  ACPP-ACPとは、CPPと結晶構造をとらない非晶のリン酸カルシウムの複合体です。これはカルシウム吸収促進とは異なり、歯の脱灰を抑制し、再石灰化を促進する

  といわれ、トクホとしても製品化されています。う触(むし歯)は、口腔内の細菌が酸を分泌し、歯の表面のエナメル質表面を溶解していくことから始まります。

  CPP-ACPは、可溶性のリン酸カルシウムを歯の表面に運び、そこでカルシウムやリン酸イオンが再びエナメル質の中に浸透し、初期段階のう触を治すように働く。

  CPPは経口摂取によるカルシウム吸収促進や歯を丈夫で健康にする作用は認められているが、CPP-ACPはカルシウム複合体ですが、CPP単独ではカルシウムの

  摂取は望めないため、これらの製品には別途カルシウムが添加されていることに留意してください。牛乳或いは乳製品にアレルギーのある人の使用は注意が必要です。 

  CPPを多く含む食品は抗生物質や骨粗鬆症治療薬などのカルシウムで薬剤吸収が抑制されるものについては注意が必要です。

  カゼインペプチドとは降圧ペプチドを想定していて、効果については、高血圧、高コレステロール血症、不安、疲労感、てんかん、腸障害、癌予防及びストレスの軽減に

  関しては科学的なデータは不十分です。妊娠、授乳中の女性は避けるように明記されており、降圧剤使用中の場合は、血圧が下がり過ぎる恐れがある。

  CPP-ACPは、う触予防の目的でトクホのガムとして利用されています。口腔内で、直接、食品が歯のエナメル質の脱灰・再石灰化に関与するわけですから、出来るだけ

  長時間、CPP-ACPがエナメル質と接する方が効果が高いわけですので、「牛乳を飲むときは、噛むようにして飲め」と言う言葉は理にかなっています。