もっと知りたい! 食事と疾患の関係

                                               高脂血症と食事

  高脂血症は循環器疾患、特に心筋梗塞の危険因子であることが広く知られている。高コレステロール血症、高LDLコレステロール

  血症、低HDLコレステロール血症は心筋梗塞予防の観点から、特に注意が必要な高脂血症として挙げられる。

  米国で高脂血症の発症率を減少させ、心筋梗塞の発症及び死亡率を減少させることを目的とした食事目標が示されている。

  StepT StepU
総脂質 総エネルギー摂取量の30%以下
飽和脂肪酸 総エネルギー摂取量の10%以下 総エネルギー摂取量の7%以下
多価不飽和脂肪酸 総エネルギー摂取量の10%以上
一価不飽和脂肪酸 総エネルギー摂取量の10%〜15%
炭水化物 総エネルギー摂取量の50%〜60%
たんぱく質 総エネルギー摂取量の10%〜20%
コレステロール 300mg以下 200mg以下
総摂取カロリー 望ましい体重を維持する程度
食物繊維 食物繊維が豊富な、様々な食品をすすめる

                注:StepTを実施してLDLコレステロールが低下しなかった場合、StepUを実施する。

  StepT、Uともに、血清中の総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪が有意に低下し、体重の減少も認められている。

  飽和脂肪酸のエネルギー比が1%減少すると→血清総コレステロールは0.056o01/g(2.2r/㎗)

                       LDLコレステロールは0.05o01/g(1.5r/㎗)減少する

*脂質(脂肪酸)、コレステロール、水溶性食物繊維の各摂取量&体重の変化によって期待される血清総コレステロールの量的変化   

要因

血清総コレステロール(r/)の変化

脂質(脂肪酸)・コレステロール摂取量 =2.7x{儡FA(%E) -儕UFA(%E)/2} + 1.5x凵縺oコレステロール(mg/1000kcal)}
水溶性食物繊維摂取量 =-1.1x剞溶性食物繊維(g/日)
体重 =1.9x剔フ重(kg)

         注:%E=総エネルギーに占める割合(%)      mg/1000Kcal=エネルギー1000Kcal摂取当りの摂取量(mg) 

             凾ヘ変化(差)を表す。    SFA→飽和脂肪酸        PUFA→多価不飽和脂肪酸

 

                                例:高脂血症患者における体重と栄養摂取量の改善例

要素(単位) 要素(単位)
体重(kg) 65 60 卵(g/日) 75 40
エネルギー摂取量)kcal/日) 2,200 2,000 牛肉脂身部分(g/日) 20 5
牛乳(g/日) 普通乳200 低脂肪乳200 水溶性食物繊維(g/日) 2.9 5.0

                                  上記のデータから血清総コレステロールの期待される低下量=26.3mg/

                                       内訳:     脂質・コレステロール=13.5

                                                            水溶性食物繊維=3.3

                                                              体重減少 =9.5      低下

  上記の式からの数値と血清コレステロール値の変化には有意の相関はあるが個々人ではかなりのばらつきがある。

  上記の式には一価不飽和脂肪酸が入ってないが、一価不飽和脂肪酸が血清コレステロールに対して上昇・下降作用も

  有していないことを示している。

  日本人にとって、最も日常的に使う調理油であるサラダ油や調合油は飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸<0.5である。

  つまり、総エネルギー摂取量を変えなければ、調理油を摂取するほうが血清コレステロール値は低下する。

  多価不飽和脂肪酸は血清コレステロールを下げる方向に働く為、高脂血症=総脂質の取り過ぎという単純なものではない。

  

  

              飽和脂肪酸の豊富な食品が必ずしも寄与の高い食品ではない。

           注意すべきは寄与の高い食品であって、100g当り含有量の多い食品ではない。

              飽和脂肪酸→動物性脂肪→肉類と短絡的に考えてはいけない。

 肥満は高脂血症の明らかな危険因子であり、高脂血症予防ひいては心筋梗塞予防は肥満予防を抜きにしては進められない。