高齢者の栄養指導
                                             
 認知症の推移 高血圧の基本を学ぼう
認知症 高血圧発症の6つの生活習慣
酸化を防ぐ食生活 高血圧治療ガイドライン
高血圧の予防対策 和食献立で高血圧を予防

                                                                                                             

  高齢時代となって医療介護費の激増を心配する人が多く、認知症老人は20年後には313万人に増加すると予測されています。

  しかし、栄養に気をつければ明るい希望を持てることがわかりました。長寿日本一の長野県は予防に努力した結果、老人医療費が

  全国で最低であるだけでなく、元気老人の割合を示す高齢者就業率も全国日本一なのです。

  高齢社会の不安の為に財政危機に陥っていたスウェーデンも、、日本並みに多かった人口当たりの病床数を3分の1に削減して、

  繁栄を取り戻したのです。何故なら、健康長寿を実現すると最終臥床がしょう期間が大幅に短縮するからです。

  現在の健康ブームは、単品栄養主義や怪しげな健康食品の為に国民の健康は低下して、本当に健康によい野菜類、豆類、

  芋類、魚介類は減少し、肥満の増加、歩行数の減少、その結果、高血圧は60才人口の6割に達し、70才人口の約半数が

  毎日降圧剤を飲んでいます。

  そこで正しい栄養・食生活による生活習慣病の予防とそれに続く介護予防が大切になりました。

  脳卒中や糖尿病の結果、認知症や身体障害が起こると現在の医療では治せないからです。

 認知症や寝たきりを防ぐには食事の栄養バランスをとり、残存機能の許す限りできるだけ調理や筋力トレーニングを

  することが新しい介護予防の柱です。

         *加齢とともに増加する認知症、高血圧、骨粗しょう症、更年期障害などの基本を学び

        高齢者への会話術、食事作り、配食サービスを含めて生活能力の維持、疾病予防などの

        実践を学び、介護予防での食事・栄養の重視を述べていきます。

                            

      ✣ 老化と共に起こる生理的変化                 ✣体成分構成の比較

          

   

                                                






     ●老化による粗大栄養素と微量栄養素への影響

栄養素
老化に伴う変化 原因
炭水化物 吸収能力低下
D-Xylose吸収は正常
小腸細菌過増殖または消化不良
タンパク質 大量タンパク負荷吸収機能低下の可能性 原因不明
脂肪 大量脂肪吸収機能の低下 小腸細菌過増殖
ビタミンA 新しいビタミンAの肝臓へのとり込みの減少、吸収の減少 肝細胞ApoBⅡ
受容体の減少
ビタミンD 経口摂取と合成の減少 日光照射減少、皮膚、腎合成の減少
ビタミンK ビタミンK1濃度の減少 ビタミンK2生成は細菌過増殖で部分的に代償
葉酸 吸収低下 萎縮性胃炎のため細菌合成によって代償
冠動脈疾患の増大リスク 葉酸レベルはホモシステインレベルの増加
ビタミンB6 低下はホモシステインレベルを増加させる可能性 原因不明
ビタミンB12 タンパク結合レベルの減少
低レベルはホモシステインの増加の可能性
胃酸低下、小腸細菌過増殖
カルシウム 摂取と吸収の減少 ビタミンD低レベルと低活性レベル、萎縮性胃炎
亜鉛 摂取の減少 吸収減少の可能性

       

    ●高齢者の栄養的視点からみた特徴

     ✶ 咀嚼力の低下(歯の脱落,咀嚼筋力低下など)
     ✶ 味覚の低下
     ✶ 口腔衛生の低下(歯肉の慢性炎症)
     ✶ 嚥下能の低下
     ✶ 摂取量の低下(運動量の低下)
     ✶ 消化・吸収率の低下
     ✶ 便秘の増加
     ✶ 精神的問題(特にうつ病)
     ✶ 器質性多疾患
     ✶多薬
     ✶隔離
     ✶ 経済的問題
     ✶ 個人差が大きい














  ●高齢者のタンパク質・エネルギー栄養不足(PEM)プロセス

  高齢者にみられる栄養不足はタンパクエネルギー栄養不足であり、生体修復再生機能が停滞し、代謝酵素活性の低下を伴っている。

  身体は衰弱し病気に罹患しやすい。疾病や創傷からの回復が遅延し、抵抗力の低下による感染症も増加する。呼吸機能の低下もある。

  したがって死亡率が増加し、入院日数の延長を見、再入院率も増加する。これらは、QOLの低下であり、医療費の増大となる。

  この栄養不足に代表される症候群には、マラスムス症候群、クワシオルコル症候群ならびにその混合型症候群があり、

  それぞれの栄養障害の特徴をもつ。

  タンパク質・エネルギー・栄養不良のマラスムス症候群は、慢性でゆっくりと進行し、数カ月~数年以上におよぶことが普通である。

  一方、タンパク質栄養不良すなわちクワシオルコル症候群は、代謝亢進ストレス状態による急性ならびに亜急性の栄養不足である。

  比較的低いタンパク摂取にもかかわらず、24時間の尿素窒素の排出は増加し、1日約10g以上である。これは代謝ストレス亢進状態による、

  タンパク質のカタボリズム異化状態である。迅速な(24時間~34時間以内)エネルギー・タンパク質摂取を開始する必要がある。


                      ● 高齢者の栄養不足の特徴