内臓脂肪を落す効果的な運動とは?

   皮下脂肪と内臓脂肪は、同じ中性脂肪でありながら、機能や代謝面に大きな違いがあります。

  例えば、内臓脂肪の多くは門脈系に存在する腸間膜脂肪であり、その血流は直接肝臓に流入します。

  内臓脂肪の蓄積した状態では、門脈血中に中性脂肪の分解産物である多量の遊離脂肪酸(FFA)や

  グリセロールが放出され、これが肝臓に入ることで、高脂血症を起します。

  更に、FFA濃度の上昇はインスリンの働きを悪くし(インスリン抵抗性)、この状態が進むと

  糖代謝異常を起します。

           内臓脂肪蓄積が動脈硬化性疾患を引き起こす関連性

         過剰栄養                         運動不足

              

                          ↓

                      内臓脂肪蓄積

             

          遊離脂肪酸                           │

   門脈                       アディポサイトカイン分泌異常  

          グリセロール                        │   │     

             │   」 │    │    

              │        │ ←アディポネクチン     │ アディポネクチン 

           リポ蛋白質   ↓       TNF-α      │   PAI-1 

          合成増加   インスリン抵抗性            │          │

            ↓   /      ↓       \             ↓     │ 

         高脂血症      耐糖尿異常               高血圧     │ 

                         │                        ↓                    │         │

                        動脈硬化       ←       ←  」

              注: :分泌亢進   :分泌抑制 を表す

  最近の研究では脂肪組織は単なるエネルギー貯蔵庫ではなく、様々な生理活性物資(アディポサイトカイン)

  を分泌しそれらが内分泌・代謝異常発症に関係していることが分かってきました。例えば、

  この生理活性物資の一つである、血中の線維素溶解能を低下させ、血栓形成を進めるPAI-1

  の分泌は、内臓脂肪面積と正相関を示しています。つまり内臓脂肪の蓄積が血栓による動脈閉鎖を

  起すのです。インスリン抵抗性を促進すると考えられるTNF-αも、内臓脂肪蓄積によって増加します。

  逆に、動脈硬化を抑制し、糖尿病になりにくくする働きのあるアディポネクチンという物質は、

  皮下脂肪からは多く分泌されますが、内臓脂肪蓄積により低値を示しています。

  高血圧を引き起こすアンギオテンシノーゲンという物質も、内臓脂肪から分泌されることが分かってきました。

  視床下部に働いて満腹信号を出すレプチンの分泌も内臓脂肪蓄積で抑制されることが分かっています。

  内臓脂肪は悪者のようですが、良い点もあります。それは、内臓脂肪は皮下脂肪に比べて

  代謝活性が高いということです。つまり中性脂肪の状態からすぐにエネルギーとして使いやすい

  FFAやグリセロールに分解されて、血中に放出されやすい特質があるのです。皮下脂肪に比べて先に

  消費されやすいのです。よく皮下脂肪は定期預金で、内臓脂肪は普通預金だと称されます。

  従って、食事制限と運動によって負のエネルギーバランスを作ることで、内臓脂肪を減少させることは

  皮下脂肪を減らすよりも容易だということになります。

  肥満者に食事療法と運動療法を行うと、皮下脂肪肥満では身体各部の脂肪がほぼ均等に落ちる

  のに対して、内臓脂肪肥満では、腹部が著しく減少することがしばしば見られます。             

  脂肪組織1kgには9,000kcalのエネルギーが蓄積されており、エネルギーを増大させる運動を組み合わせないと減量効果は出ない。

           

Wt 体重 タイジュウ (kg) TC ソウ コレステロール(r/㎗) BS 空腹 クウフク 血糖 ケットウ (r/㎗)
Fat タイ 脂肪 シボウ リツ (%) TG 中性 チュウセイ 脂肪 シボウ (r/㎗) IAF 内臓 ナイゾウ 脂肪 シボウ 面積 メンセキ (㎠)

       ★生活習慣病予防の為の運動量

   突然高い目標を掲げても途中で挫折してしまうので自分の変化ステージに応じた目標設定

   ★健康習慣の変化のステージモデル

ステージ 計画の要点
無関心期(6ヶ月以内に変えようと思わない) 楽しいから一緒に始めようと仲間に入れる(感情の誘惑)      継続実践した場合の効果を説明(肯定的知識の提供)         放っておくと病気に近ずくことを説明(否定的知識の提供)
関心期(6ヶ月以内に変えようと思っている) どんな方法があるのかを知る(方法論の提供)           自分に出来るものを考える(周囲の環境分析)              できることから始める(最初の一歩は小さく踏み出す)
準備期(1ヶ月以内に変えようと考えている) 決めたことに投資をする(金銭的誓約)                到達可能な目標を設定する(適切な目標設定)             自分の行動を記録する(セルフモニタリング)
行動期(行動を変えてから6ヶ月以内である) 途中脱落をしない為に再度目的や効果を確認             周囲に自分の目標や行動変容を宣言する(行動契約)         成功報酬を考える(自己報酬)
維持期(行動を変えてから6ヶ月以上続いている) マンネリ化による興味低下や意欲減退に注意              効果を分析して新しい目標や方法を考える               加齢による変化に対応する(目標や行動の修正)

                           内臓脂肪を減少させる運動

   軽度〜中等度レベルの長く続く運動→有酸素運動

   筋を活性化して代謝の向上や運動に適応した体ずくりのための運動→筋力トレーニング

   上記2つの併用と体の調子を整える→ストレッチ体操を加える

  ストレッチ体操→各動作リラックスして呼吸を止めずにゆっくり行う。筋肉を伸ばしたら10秒間くらい保持する。

  

 

   @深呼吸=リラックスしてゆっくり

  A胸そらし=肩を後ろに引く

  B背中伸ばし=腕は前方へ、背中は後方へ

  C肩回し=ゆっくりと前後三回

  D胴体ひねり=肘をもってゆっくり後ろに

  E膝かかえ=膝を胸によせる

  F腰伸ばし=両膝の間に丸め込む

  Gかかと上げ下ろし=足首とふくらはぎの運動

  H脚後面伸ばし=余裕があればつま先タッチ

 

  

 

 

 

ウオーキング 

  

    姿勢は前上方へ引き上げられるように

  視線は5〜10m前方に

  あごは軽く引き、歩調と呼吸を合わせて

  肩や腕は力を抜いて

  手は軽く握って

  肘は伸ばしておくか、軽く曲げるか。後方に大きく振る

  腰は高めに維持して、骨盤がしっかり立ってよく動く

  歩幅を普段より半足長くらい広くして

  拇指おやゆび球でしっかり蹴り出しつま先を上げて着地

  また関節・膝・つま先が一直線上に

 

 

 

 

筋力体操→無理せず自分に合った強さや回数(筋に疲労感が出るまで)行う。呼吸を止めたり力んだりしない

 @膝上げ運動=両手を膝に当てて、膝は上に、

  手は下に押し合う。1回5秒程度。左右交互に

     3〜5回程度に。(大腰筋)

  A斜め腕立て=両手を机などに当てて、肘を

  少しずつ曲げてゆっくり行う。5〜10回くらい。

  (大胸筋、上腕筋)

  B腹筋運動(おへそのぞき)=膝を曲げて、

  腕を胸の前で組み、自分のお臍をのぞくような

  つもりで行う。慣れてきたら起き上がる度合いを

  大きくする10〜30回(腹直筋)

  C脚横振り=片手を机などに当てて、脚を

  外方にゆっくり振り上げる。5〜10回左右くらい(外転筋)

  D脚の後ろ上げ=うつ伏せになり、お尻を緊張させて脚を上にゆっくり持ち上げる。

   腰がそらないように注意する。左右5〜10回くらい(大殿筋、広背筋)

  E椅子もちスクワット→両手を椅子の背などに当てて、膝を曲げてゆっくり上下動を行う。

   背中は張ってお尻を後ろに突き出すように。10〜30回(大腿筋、大殿筋、下肢三頭筋)

  これらは何処ででもできて器具の要らない手軽な運動です。他にジョギング、サイクリング、

   プールでの水中運動、自転車エルゴメーター、トレッドミルを使った運動、軽スポーツ、トレッキング、

   エアロビクス、ダンスなど、様々な運動が推奨されます。自分に合った有酸素運動と軽負荷の

   筋力運動、そしてストレッチ体操を組み合わせれば良いのです。